・全般的なこと
【目標設定】
各科目でスコア85の一発合格を目標としました。コンディションや出題のめぐり合わせで当日10%の下振れが起きても、スコア76で合格できるためです。また、このレベルまで仕上げれば、万が一不合格になった場合も、すぐに再受験して合格できる確率が高いと考えました。
結果的に、どの科目も当日自信を持って解答することができ、手ごたえを感じて達成感を味わえましたし、試験直後から次の科目の準備にスムーズに移ることができたので、適切な目標設定だったと思います。
【スケジュール】
Expire制度も考えると、最初の科目から1年以内に合格し切ることが望ましいと考え、仕事の繁閑も加味して4科目分の受験月と各月の目標勉強時間を仮決めしました。
そして、学習の進捗に応じて、仮決めした受験月を前後に調整し、受験日を本決めしました。受験日が強制されない試験だからこそ、試験日を主体的に決める姿勢が重要であると考えます。
科目としてはFARとAUDが最も内容が近いのですが、不確実性の高いBECの英作文を早めにクリアしたかったため、FAR→BEC→REG→AUDの順で受験しました。
【インプットとアウトプットの反復】
講義とテキストでのインプット→問題演習でのアウトプット→理解が不足している点をインプット教材で再確認→アウトプット教材で習熟度を高める→… というサイクルを可能な限り回しました。
日本の会計士試験と内容が重複する科目については、講義を省略する/演習する問題数を絞る等、強弱をつけて取り組みました。
【教材の優先順位】
全科目を通じて最も大切にした教材は、AICPAリリース問題です。USCPAはTOEICと同様、過去問開示がないため、当該リリース問題が実質的な過去問であり、当日は同じような論点/レベルの問題が頻出します。全科目でAICPAリリース問題10年分を3周解き、全ての問題に根拠と自信をもって即答できるレベルまで仕上げました。
ただし、リリース問題は論点が分断されているため、初めて学習する科目についてはTAC問題集を3周解きました。(TAXと公会計は7周解きました。)TAC問題集はBeckerの問題演習を厳選して作成されているため、Beckerは全ての問題を解くことに固執せず、Simulation問題の練習用として主に利用していました。
Becker模試(Final Exam)は全科目1回ずつ時間を測って解きました。画面構成など当日の試験がほぼそのまま再現されていますので、PC操作に慣れることができます。特に、リサーチ問題対策として基準/条文検索は必ず練習しておいた方がよいです。AICPAのサンプル問題も役立ちます。
【学習方法の使い分け】
机に向かって勉強する時間は計算問題に充て、スキマ時間は暗記事項の確認や理論科目のMC問題演習に充てました。
【当日の時間配分】
大崩れしないよう、あらかじめ各テストレットの上限時間を決めておき、1問解くごとに残り時間に余裕が有るかを確認しました。考えても分からない問題にはフラグを付けて後回しとし、無駄な時間をとられないようにしました。また、各テストレットの最後に必ず問題文の読み落としがないか見直しの時間を設け、計算問題は再計算し、結果が一致することを確認しました。
・科目別
【FAR(企業会計)、BEC(管理会計、ファイナンス)、AUD(財務諸表監査)】
既存知識との重複が多かったため、AICPAリリース問題/TAC問題集/Becker問題演習等を用いて、理解の確認を行いました。日米差の大きい部分については、テキストを用いて丁寧に理解するようにしました。
【FAR(公会計)、BEC(経済学、IT、コーポレートガバナンス)、REG(TAX, ビジネス法)】
初めて学ぶ内容であるため、講義を聴いてテキストを読み、問題演習に取り組みました。公会計とTAXは「直前対策まとめ」の冊子が傑作であり、どこに何が書いてあるか覚えるまで、数えきれないほど反復しました。また、AICPAリリース問題の出題実績を書き込み、頻出分野は絶対に得点できるよう重点的に学習しました。
【BEC(英作文)】
BECには英作文のパートが3問あり配点が大きい上に、採点基準も不明瞭であったため、パソコンを使って15~20分で1つの英文答案を仕上げる練習を繰り返しました。質問に網羅的に答えることと文法ミスをなくす(自信のない英語表現を使わない)ことに重点を置きました。また、頻出項目については想定Q&Aを作成し、使いやすい英語表現を暗記して臨みました。
※2024年以降は英作文がなくなるようです。