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USCPA試験 合格体験記|鈴木 貴之さん

TACで基本を学び、Beckerで演習を繰り返せば必ず合格できます!

鈴木 貴之さん

鈴木 貴之さん
勤務先:監査法人系
アドバイザリー部門

DATA BANK

 
合格実績 USCPA試験合格(アラスカ州)
合格年月2022年3月
FAR 91点(2021年12月/1回目)
BEC 91点(2021年12月/1回目)
REG 96点(2022年3月/1回目)
AUD 88点(2022年3月/1回目)
USCPA試験にチャレンジしようと思われた理由やきっかけは?

自分の英語スキルを活かしつつ、会計及びビジネスに関する広範な知識を得られる資格として魅力を感じたからです。
受験手続や本試験など、合格までに必要な費用がネックになっていましたが、転職先の監査法人(現在の勤務先)ではUSCPAの受験料を一部補助してくれる制度があり、教育訓練給付金と組み合わせることで金銭的負担がだいぶ軽くなったため、思い切って合格を目指すことにしました。

学習開始時の英語力・会計知識は?

会計知識:日商簿記2級
英語知識:TOEIC® L&R Test 950点

TACをお選びいただいた理由は?

TACで受講した日商簿記、情報処理技術者試験などの講座のクオリティが高く、予備校として信頼していました。
また、USCPAの講座説明会に参加した際、「USCPA試験の合格率は一見高いですが、大学で会計を専攻したアメリカ人が受験生の多くを占めるので、日本人にとっての難易度は低くない」と言われて、難易度を正しく伝える誠実性に惹かれました。

TACの講座でよかったところ(講師、教材、カリキュラムなど)

【講師】
全講座をWeb通信講座で受講したので、講師の皆さんと直接会うことは無かったのですが、各論点の出題頻度や出題内容を説明してくれたので、講座と試験の繋がりがわかりやすかったです。

【教材】
講座の各回で学んだ基礎レベルを定着させるための「TACオリジナル教材」、講座をすべて受講した後に発展レベルまで学ぶための「Beckerオンライン演習ソフト」という役割分担が良いと感じました。
私はBeckerオンライン演習ソフトのMC(四択問題)・TBS(シミュレーション問題)についても7~8割程度の合格率になるまで繰り返し演習をしていましたが、TACオリジナル教材を繰り返し解く&頻出分野や苦手な分野についてのみBeckerオンライン演習ソフトを使うという方法でも合格できると思います。

通学・通信どちらで学習されましたか?合格までの学習期間は?

Web通信で受講しました。
合格までの学習期間は9ヶ月です。
(2021年7月前半に学習開始~2022年3月に最終科目合格)
学習時間は記録していないのですが、概ね1000時間程度かと思います。

合格までの学習法(全般的なこと/科目別)

【全般的】
1 TACの講座・教材の段階
 1.1 TACの講義を1回分受講する
 1.2 受講した講義に対応するTAC問題集を解く
 1.3 上記1.1と1.2を全講座分終えたら、TAC問題集掲載のAICPA Released Questionsを解く(掲載されている年度分全て)
 1.4 TACの問題集を、AICPA Released Questions含めてもう一度解く
2 Beckerオンライン演習ソフトの段階
 2.1 上記1.1から1.4を行うと、TACの講義受講及びTAC問題集を2回解いたことになるので、Beckerオンライン演習ソフトに移行する
 2.2 Beckerオンライン演習ソフトのMCを解き、7割程度の合格率まで到達する
 2.3 Beckerオンライン演習ソフトのTBSを解き、7割程度の合格率まで到達する
 2.4 合格率が低いModuleのMC・TBSを再度解き、全体で8割程度の合格率まで到達する
 2.5 受験予定日の1.5ヶ月前程度から、Simulated Exam(模試)を解き始める(掲載分全て)

【FAR】
どのような仕訳を切ればよいかを意識した上で問題を解くようにしていました。MCでは仕訳があまり出ないような論点であっても、TBSでは仕訳が出ることがあるので、注意したほうが良いです(BeckerのTBSで工事進行基準における仕訳が出題されて面食らった記憶があります)。
FARⅡの論点がおそらく最も難しく範囲も広いので、ここに一番時間を割きました。リース、税効果会計、希薄化証券など、講義を聞いただけでは3割程度しか理解できず、問題集を解いていくことで徐々に分かっていった論点もあります。
一方で、FARⅠ全般及びFARⅢの一部は比較的簡単な論点もあるので、得点源にしました。特に公会計は明らかに難易度が低い割に配点割合が高いため、重視しました。
この科目は複雑な計算(リースや社債の元本返済部分と利息部分の金額、減価償却など)が必要な場合があるので、本試験に利用可能なExcelを学習中でも使っていき、本試験に向けて慣れるようにしておきました。Excelは簡単な関数を組むだけで計算が楽になり、関数を辿っていけば計算過程が分かり見直しの手間が軽くなるので、オススメです。

【BEC】
一番簡単な科目とよく言われますが、その通りだと感じました。特に私の場合、過去の資格試験の学習や実務経験とだいぶ被っていたので、アドバンテージがありました。
Written Communication(WC)については、添削コースを利用し、英作文をメールで提出して添削してもらっており、仕事でも英語で文書を書く経験があったので、対策としてはTACの講義を視聴するだけでした。TACの講師が言っていた、「WCは知識よりも英語でのコミュニケーションスキルが問われている」という言葉は重要だったので、本試験時は気をつけました。「Introduction・Body・Conclusionの構成を守る」、「採点者は問題文を読まずに書かれた英文だけを見て評価を下す前提で書く」、「箇条書きは使わない」など、基本的な「お作法」から逸脱すると得点が伸びないので注意しました。

【AUD】
他の科目に比べて、全体像の理解がより重要になる科目だと感じました。例えば、監査の一連の流れ(監査契約締結、監査計画の策定、監査実施、報告書提出など)、会計士が提供できる業務区分(保証業務、非保証業務など)とそれぞれの違いなどは、個々の論点を記憶するのではなく、全体像を理解した上で個々の論点を理解するという学習方法が良いです。 この科目は、MCが解ければTBSも概ね解けると思うので、TBSの対策は多少後回しでも良い気がしました。

【REG】
この科目で学んだことが活用できるイメージがあまり沸かなかったので、学習のモチベーションを上げることが若干大変でした。
Business Law(BL)に比べてTaxの出題量が圧倒的に多いため、Taxに重点を置きました。Taxは暗記科目の傾向が強いため、問題演習を繰り返していけば右肩上がりに得点率が上がっていくため、そういった意味では一番楽でした。課税対象が誰か(個人、Corporation、Partnershipなど)によって適用されるルールが異なるので、違いを区別するよう意識しました。 TaxのTBSは、参考文献(Authoritative Literature)を使うことが前提の問題がResearch以外でもあるので、TBSで解けない問題に遭遇した場合は参考文献を使うことを検討しました。
BLについては、私は大学で法学を専攻しており、法学特有の考え方(口頭だけでも契約は成立する、契約成立と履行強制は別の次元の話など)に慣れていたので、アメリカ法特有の部分を理解すれば足りました。

受験手続・受験時のエピソードなど

【受験手続き】
TACの受講生情報サイトに受験手続きについて詳細な案内資料が掲載されているので、それを見ていけば問題なく手続きはできました。
唯一直面した問題として、2度目の受験申込をしようとしたところ、申込サイトでなぜか「初回受験申請者」として扱われてしまい、以降の手続きができない問題が起きました。TACに相談をして、アラスカ州のコーディネータに連絡をしたところ、受験申込システムの不具合が起きており、そのせいで1ヶ月ほど受験申込ができませんでした。

【受験時のエピソード】
御茶ノ水のテストセンターはSPIなど他の試験を受ける人も来るため、かなり混雑していました。私は試験時刻の1時間前くらいに到着しましたが、それでも概ね定刻通りに試験が始まったので、時間に余裕を持って到着したほうが良いと思いました。

勉強したことが仕事に役立っていることは

BECのコーポレートガバナンスについては、J-SOX関連のプロジェクトに参加する際に、US-SOXに関する知識が評価されました。AUDについては、内部統制の運用評価プロジェクトにおいて、クライアントの証憑を確認して設計通りに運用がなされているのかを評価していったのですが、まさにAUDのTBSで行ったような作業だったので円滑に実施できました。
それ以外の科目は、合格してから日が浅いというのもあってまだ役立ててはいないのですが、会社内の他のプロジェクトを見る限り、活用できる機会が十分にあると感じています。参加候補プロジェクトの担当者と面談するときは、自分のスキルを簡潔に伝えられる証拠としてUSCPAは有効かと思います。

これから合格を目指す方へのアドバイス

【英語スキル】
USCPA試験は英語スキルがある程度無いとInputとOutputのいずれにおいても効率が悪くなってしまい科目合格失効のリスクが高まるため、TOEICで800点くらいあると英語スキルが支障にならずにUSCPAの学習を進められると思います。TACではTOEICの対策講座もあるようなので、そちらで英語スキルの基礎を固めてからUSCPAに取り組むのも良いかと思います。
【受験科目の順序】
最初にFARを受験することについてはこだわったほうが良いと思いますが、残り3科目の順序は自身の職歴・既存の知識を加味してある程度柔軟に考えて良いと思います。USCPAの他の予備校を見ても、FAR以外の順序についてはそれぞれバラバラのようです。

【科目合格の失効回避】
科目合格が1年半で失効してしまうため、USCPA試験のタイムリミットは初回科目の合格から始まります。そのため、初回科目の合格時点で他の科目についてもある程度学習を進んでいるという状態が望ましいので、複数科目を並行して学習することをオススメします。

【Beckerの得点と本試験の得点の対応】
BeckerのSimulated Examの得点と本試験の得点の対応を、実際に受験した人へのアンケートに基づいて、Excel形式でまとめている資料がウェブ上にあります。”CPA Becker mock actual score”あたりのキーワードで検索すると見つかるので、自分が本試験を受けて良い段階にあるかの確認に是非使ってみてください。

最後に・・・

1児の娘を育てながら学習・受験しました。(協力してくれた妻、実家の両親、義両親に感謝です。)

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