外交官(外務省専門職)合格体験記
強みを活かす
S. Rさん
Profile
研修語 | 英語 |
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出身校 | 獨協大学 法学部(卒業) |
合格年度 | 2024年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 外務省専門職員を目指したきっかけ
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〜相手国・現地国民から信頼される外交官に〜
最近読んだ本で目にした “To put yourself in someone’s shoes” (相手の靴を履いてみる)という英国の諺が心に残っています。私は学生時代、カナダ留学や日印学生の交流団体の運営を経験し、多くの海外の人と接する機会に恵まれました。学生同士で忌憚のない議論ができた故に、考え方や価値観の違いにより衝突することもありましたが、相手の立場に立ち、互いの価値観を理解しようとする努力を怠らなければ、国境を越えた信頼関係を築けるのだと幾度となく実感することができました。加えて、大学で参加した模擬国際会議において、条約作成や交渉の体験をし、言葉の持つ力や、人と人の関係が源泉となる外交の力を強く認識しました。
感染症や気候変動などの地球規模課題に度重なる戦争が相まって、世界は今、疲弊しています。特に苦しい環境下に置かれる新興途上国は、既存の国際秩序に不信感を募らせています。「相手の靴」を履き、彼らが真に必要とするものは何か問いかけ、地道に信頼を積み重ねていくことで、日本と世界の平和・安定に寄与したいと思います。
〜日本人が安心して海外で暮らせるために〜
また、留学生活をコロナ禍で過ごした際の日本領事館の方の対応が印象に残っており、これも外務省を目指したきっかけの1つです。外出制限や人種差別に直面し、留学が思い通りに行かず憂鬱な日々を過ごす中、領事館の方が安心感を与える言葉や、あえてユーモアを含んだ情報をメールで小まめに配信してくださり、とても温かい気持ちになりました。在外邦人の命や身体の保護はもちろん、精神ケアにも心を配り、日本人が少しでも安心して海外での生活を送れるよう尽力したいです。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:反復学習しやすいカリキュラム
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TAC・Wセミナーのカリキュラムの充実度と合格実績を知り、入会を決めました。特に国際法は他の科目と比較して膨大な量を理解・暗記しなければなりませんが、基本編⇆応用編⇆演習→論文答練→総合模試という流れで反復して学習できるスケジュールが組まれていたおかげで、毎授業ごとに知識も定着していきました。私は直前に詰め込んでしまうタイプだったこともあり、計画的かつ効率的に学習できる体制が予め用意されていたのは非常に有り難かったです。また、講師の方々は受講生一人ひとりと丁寧に向き合ってくれます。講義以外にも、担任カウンセリングや校舎在席制度、Web上での質問等、学習の疑問をいつでも解消できる環境が整っていて、とても心強かったです。
- 一次試験対策:得意科目で苦手科目をカバーする
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私は基礎能力試験の数的処理が苦手でした。高校時代、ほとんど数学を習わないクラスに所属していたので、まさか将来を決める重要な局面で数学を勉強する必要に迫られるとは思いもしませんでした。案の定、初めの頃は、テキストを見ながら問題集を解いてもほぼ不正解。一方、大学で国際関係を専攻していたので、国際法と時事にはやや自信がありました。一次試験は5科目の総合点で合否が決まります。全体のバランスを重視すると、どうしても苦手な科目の点数を底上げすることに意識が向きがちですが、合格点の取り方は人それぞれです。私の場合、得意な科目でより高みを目指し、その点数で苦手をカバーする戦略の方が性に合っていました。そのため、数的処理は基本レベルや頻出度の高い問題を重点的に対策し、その分、得意な国際法や時事論文は、常日頃から細かい論点まで念入りにチェックし、毎回満点を取る気持ちで論文答練に臨んでいました。
- 二次試験対策:「どう思われたいか」ではなく「どうあるのか」
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TAC・Wセミナーの魅力の一つは、多くの受験生と切磋琢磨できる点です。二次試験対策では自主ゼミと呼ばれるチームで何度も面接や討議の練習ができました。一方、自分の軸を明確に持たないまま優秀な受験生に囲まれると、つい周りと比較してしまい、結果的に背伸びしたまま面接官の前に立ってしまうことになります。私は試験を2回経験しているのですが、1年目の面接では、合格することに気を取られすぎて、自分の実績や経験など表面的な話ばかりしてしまったと反省しています。そのため2年目の受験では、経験や学びから「何を得たのか」「何を感じたのか」といった考えや思いを言葉にし、等身大の自分を伝えることを心がけました。自分が「どう思われたいか」ではなく、自分は「どうあるのか」。後者を言語化するまで、自分と深く向き合い続けることが大切ですが、この過程こそが自分を成長させてくれたと思います。
- 受験を考えている皆さんへ
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人生の岐路に立つ皆さんの前には、沢山の選択肢があるかと思います。その中で、外務省専門職の受験を選ぶということは、決して平坦な道を歩むことを意味しません。一方、コンフォートゾーンから一歩抜け出し、同志とも呼べる受験仲間たちと心を高鳴らせ、最後まで全力で粘り抜く、という経験は人生において大変尊いものです。外務省の仕事について、未経験者の身でお伝えできることは限られていますが、少なくとも、個人が持つ多様な強みや特性を活かせる仕事であることは間違いないと思います。外務省専門職試験は、筆記・面接共に自分らしく勝負できる試験です。ぜひ挑戦してみてください。応援しています。
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