外交官（外務省専門職）合格体験記

高校生の頃、学校側が主催した広島フィールドワークに参加し、そこで被爆者の体験や展示を通して、核兵器や戦争がいかに悲惨なものかを痛感しました。それ以来、日本がこのような悲惨な状況に直面しないよう、将来日本の平和に貢献したいと考えるようになったのがきっかけになりました。そして、私が外交官を目指すうえで、核兵器を保有しながら日本との関係が不安定な周辺国である中露に興味を持つようになりました。特に「近くて遠い国」とされるロシアにより強い関心を抱いてからは、日露を繋ぎ互いを知る文化外交によって友好関係を築くことを目指し、外務省専門職試験の受験を決めました。
大学ではそのためにロシア語を履修し、交換留学も合格を頂き準備を進めていましたが、ウクライナ侵攻により留学は中止、大きな失意に沈みました。しかしこの経験から、軍事的リスクを有し、一方協力の可能性も持つロシアに対し、今できることは少なくとも将来を見越し、単に友好を深める外交を目指すという考えを改めつつ、ロシアに対する日本のプレゼンスの向上を目指していくという思いを持って受験に臨みました。

台湾留学から帰国した際は入会という一歩を踏み出すことに迷いが生じていましたが、元より高い合格実績は知っており、OB・OGの方からは手厚いサポートを受けたから合格できたとお聞きし、ゼミの教授からもTAC・Wセミナーに通うことをすすめられ、自分に対する投資だと思って入会を決めました。
実際、私が本格的に学習を開始したのが9月の下旬辺りからで少々遅かったのですが、講義と教材は非常にわかりやすく、多少遅れていても講師による担任カウンセリングによって勉強スタイルや感覚を掴み、スムーズに準備万端で本番試験に臨むことができました。他にも定期的な試験や公開模試を通して、知識を形にして文章を書くということに慣れることができ、自信をつけられたのも大きな要因だと思います。
1次試験終了後は受講生同士でチームを組み、2次試験対策を行っていきますが、そこで多くの面接練習をこなし、互いに志望動機などについて切磋琢磨していくことができたからこそ、自分自身の外交官像を伝えることができ、それが合格に繋がったと感じています。また合格者アドバイザーの方々からも様々なアドバイスを頂くことができ、これもまたTAC・Wセミナーの強みだと痛感しました。

元々英語が得意ではなく、目標期間までに英語のスコアも取れなかったため、本試験の翻訳に力を入れつつ他の得意科目でカバーしようという戦略を立てていました。一方で専門科目は自分の性に合っており楽しんで取りくむことができたので、判例集といった別の本や論文にも目を通し、TAC・Wセミナーの教材に＋αの知識を入れて、答案をよりレベルの高いものにできるよう取り組んでいました。自分の得意・苦手科目をハッキリと見極める、当日に基礎能力で自分が解ける・解けないという問題を取捨選択するなどして戦略を立てていくことは重要だと思います。
また時事論文の知識や英単語、数的処理の問題など毎日欠かさずやっていく必要があるものは取捨選択できるものではありません。早い段階からコツコツと1日1問でも1単語でも積み重ねていくことが必要だと思っています。

TAC・Wセミナーには外務省を目指す多くの人たちがやってきます。ハイレベルな環境で、皆同じ志を持っているからこそ、時には仲間として分からないことを教えあったり、他愛のない話をしたりで孤独を薄めることができました。一方、私は同じ受験生だからこそ、時にはライバルとして他の受講生・自分には負けられないという思いを持って切磋琢磨していくこともできました。色々な見方があると思いますが、共通するのは1人じゃないということだと思います。もちろん勉強中に孤独を感じることは多々ありますが、それでも同じ苦しみを感じて、同じ志を持っている仲間がいるという意識はモチベーション維持に繋がりました。

ここまで読んでいただきありがとうございます。TAC・Wセミナーを選んだという項目での余談なのですが、私は大学受験で塾に通わず、結局受験が上手くいかなかったという経験があるので、やっぱりTAC・Wセミナーを選んでよかったなと思います。外務省を目指す人は本当に多様なバックグラウンドを持っていて、そんな方々がTAC・Wセミナーに集まり切磋琢磨していくことは、自分の中の価値観に大きな影響を与えたと思います。
本当に大変で困難な日々になると思いますが、それでも間違いなく大きく成長することができるとも思います。ちょっとでも受けようと思っているけど迷っている方（昔の自分もそうでした笑）、是非一度の人生ですから挑戦してみてはいかがでしょうか。