外交官（外務省専門職）合格体験記

私が外務省専門職試験を受けようと決意したのは、大学3年次のエジプト留学中です。もともと、アラブ諸国と関わりたい、アラブ人と直接会話をすることで本当の姿を知りたい、という思いからアラビア語が学べる大学に進学したため、大学入学当初から漠然と外交官という進路は考えていましたが、自分がまた受験生となって勉強する自信がなくなかなか覚悟を決められずにいました。
そんななか、派遣留学先で一緒だった留学生から反日感情を伝えられ議論をしたことで、「世界から愛される日本」という考えが、決してあたりまえのものではないことを痛感しました。そして、議論やその後の交流を通じて彼らの誤解をといてちゃんと仲良くなれたことから、地道な広報活動や文化交流がやがては他国との関係強化にもつながると感じました。
このような理由から、今まで学習してきたアラビア語も活かせて、日本とアラブ諸国、さらには世界各国との関係強化に貢献できる外交に携わりたいと考えるようになりました。

受験言語のアラビア語は、次の理由から選びました。
①専攻言語として学んできたアラビア語を仕上げたい
②アラビア語担当になりたい意思をアピールしたい
③大学のネイティブの先生に翻訳・面接の指導をしてもらえる環境は、英語よりもむしろ手厚いサポート
④アラビア語→日本語翻訳は授業で実践してきたため、英語よりも馴染みがある（気がする）
実際にアラビア語受験をしてみて、やはり良かったと思います。周りにアラビア語受験者があまりいないので自分のレベルを知ることはできませんが、むしろ自分のペースで、焦りすぎずにできることを着実に増やしていく余裕がうまれました。
そしてリソースが少ないところがデメリットともいえますが、最近ではGoogle翻訳などの精度がどんどん高まっており、使えるツールをうまく使いこなせれば、十分に対策できると思います。

①情報量とカウンセリング
膨大な量の国際法と憲法の学習を効率的に進めていくためには、TAC・Wセミナーの講座が私にとって必要不可欠でした。外務省専門職試験対策に特化した講師による講義・教材によって、試験に確実に受かるための学習ができたと思います。頻出テーマをおさえられるだけでなく、体系的に学ぶことで、本試験でどのような問題が出ても自分なりに答案を書けるようになりました。また、周りの受験生とは記憶の定着方法や学習の進め方が違うため、本当にこのままでいいのか不安になりますが、月に1回の担任カウンセリングや合格者アドバイザーの方々との面談を通じて、自分がいまどのような状況で、これからどのように進めていけばいいのかを相談することができ、安心して学習をすすめられました。
②二次試験対策
自主ゼミを結成して一緒に対策できるため、どんな人がいるのか、どのような志望理由なのかを知ることができます。自己分析に加えて、周りの人のことも知ることで、自分を面接官の方にどのように見せたいかを考えて面接練習をすることができたのが良かったです。また、一次試験は比較的孤独な戦いである一方で二次試験はみんなと励まし合ってできることが、とても心強かったです。

私は留学をして5年目の大学生だったので、今年度は必ず卒業して社会人として働き、かつ、たとえ外務省専門職試験に落ちてしまったとしても自分の納得のいく進路にすすみたいという思いが強くありました。そのため他の公務員試験や民間就活も、本当に興味のあるところだけを絞って受けました。
併願対策にも少なからず時間はとられましたが、自習室通いの生活でも、選考を受けに新しい場所に行くことができて、息抜きにもなりました。
また、受ける企業を絞る過程で、自分が本当にやりたいことを明確に意識することができましたし、自己分析も深めることができたので、外務省専門職試験の二次対策にもつながり、やってよかったと思います。

試験勉強中心の生活が続くので、疲れることもありましたが、日々多少の負荷がかかっている生活だからこそ日常の小さな楽しみを感じることができるという良さもあります。 例えば、私は日曜日にあるポッドキャストや頑張った日（基準緩めで）に買うコンビニスイーツなどを楽しみにしていました。
試験が終わった今は、そのようなことに以前ほど楽しさを感じなくなっていることを考えると、少しストレスのかかる状況で勉強することも、なかなか良いものかもしれないと思っています。

井能講師にどんな人が受かるのかを聞いた際、「最後の最後まで諦めなかった人が受かる」と言われました。「そんな単純な訳ないじゃん！」と思いながらも、その言葉を信じて最後まで勉強を続けることができました。思うように勉強を進められず、自分が本当に受かるのか不安になることもあると思いますが、たとえペースが落ちたとしても、中弛みしたとしても最後まで諦めずに試験を受けきることで、合格が近づくと思います。応援しています！