公認会計士試験をズバリ解説! 公認会計士試験の勉強時間はどのくらい必要?
公認会計士試験の勉強時間は、3,500時間が一つの目安です。最短合格を狙う場合でも、最低2,500時間の勉強時間が必要となります。
受験期間の設定は1.5~2年が一般的で、2年間で考えると1日あたりの勉強時間は平均5時間です。一発合格者の1日あたりの勉強時間のめやすは
入門・基礎期で6.2時間、上級期で8.6時間となっています。
当ページでは、公認会計士試験の合格に必要な「勉強時間」について、700名以上の合格者データをもとに徹底分析。リアルな「勉強時間の実態」を、会話形式で詳しくご紹介します。
【1】2,000~5,000時間、一体どれがホント?
公認会計士試験に合格するには、どのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか?
これから勉強を始めようと考えている方にとっては、ぜひ目安として知っておきたい情報です。しかし、巷にあふれる情報の中で、どの勉強時間を参考にすればよいのか、悩んでしまうかもしれません。そこでまず初めに、なぜ勉強時間にバラつきが生じるかを解説していきます。
勉強時間はなぜ、聞く人によって違う?
公認会計士試験に合格するには、どれくらいの勉強時間が必要なの?
教えてちゃん
会計士さん
巷では2,000時間とか3,000時間、はたまた5,000時間が目安と言われているね。
しかし幅がありすぎて、一体どれが実態を表しているか疑問に思わないかな?
たしかに「1,000時間」って、誤差というには大き過ぎるかも…。
では始めに、なぜ勉強時間に幅が生じるのかを解説していこう!
受験回数によって勉強時間は大きく変動する
結論から先に言うと、
受験回数が1回の人もいれば、2回以上の人もいるからだよ。
どういうこと?
教えてくん
公認会計士試験は、1次試験「短答式試験」と2次試験「論文式試験」の2段階試験となっている。1回の試験で合格するのが理想だけれど、2回目・3回目の試験で段階的に合格する人も多くいるんだ。
よって受験に費やす年数によって、勉強時間に大きな幅が生じることになる。
確かに1年間で合格した人と3年間で合格した人を平均したら、
勉強時間は多くなりそうだね。
ポイント解説
公認会計士試験は、他の資格試験と比べて難易度が高いと言われています。
[ 参考リンク ] 公認会計士試験の難易度と合格率を徹底解説
惜しくも1回の試験で合格できなかった場合、さらに1年間の勉強時間が加算されることになります。勉強時間に幅が生じるのは、「複数回の受験」を加味した勉強時間であるからだと考えられます。
リアルな勉強時間を合格者に聞いてみよう
実際に合格した人って、どれくらい勉強してるのかしら?
こういう事は合格者に聞くのが一番だ!
そこで今回は、過去にTAC公認会計士講座で合格された700名以上の「合格体験記」のデータから、「リアルな数値」を探っていくことにしよう!
合格者700名分の合格体験記ってスゴイ!
私も早くその1人になりたいっ。
ポイント解説
TACでは毎年、公認会計士試験合格者の方々に「合格体験記」をお寄せていただいています。
合格体験記には、効果的な学習方法、一日の学習スケジュールや得意・苦手科目など、これから学習を始める方にとって非常に有用な情報が掲載されています。
今回はこの合格体験記のアンケートデータをもとに、「合格までにかかった勉強時間」について詳しくご紹介していきます。
※以下の各種数値は、2014年~2021年に公認会計士試験に合格された、TAC合格者の方々に提供いただいた合格体験記730名分のデータを基に集計しています。
【2】合格までのトータル勉強時間とその目安は?
公認会計士試験合格者の勉強時間は果たしてどれくらいなのでしょうか?
まずは1日あたりの勉強時間のめやす、次に科目別の時間配分、そして一発合格者の平均勉強時間、最後に短期合格者の勉強時間について、一緒に見ていきましょう。
1日あたりの勉強時間のめやす
トータルの勉強時間を紹介する前に、
まずは1日あたりの勉強時間のめやすについて見ていこう。
講義時間を含めて、入門・基礎期は平均6.2時間、上級期は平均8.6時間となっている。
入門・基礎期は、試験合格に必要な基礎知識を学習する期間。
上級期は、本試験の約半年前から始まるラストスパートの期間と考えてほしい。
えぇ~、こんなに学習時間が取れるかな?
実際には、1週間のうち1~2日の休息日を設ける人も多い。
また、初めの頃は授業ペースも緩やかだから、この半分くらいの時間で、充分にカリキュラムを消化できるよ。
1日2~3時間からスタートして、徐々に学習時間を増やしていくイメージかな。
それを聞いて安心しました!
勉強時間が最も多い科目は「財務会計論」
次に、科目ごとの勉強時間の配分割合について見てみよう。
財務会計論が圧倒的に多いわ!
計算と理論を合わせると38.3%だから…勉強時間の1/3以上を財務会計論に充てているってことね。
そうだね。本試験問題でも、財務会計論の配点は他の科目に比べて高いんだ。
「財務会計論を制するものが、公認会計士試験を制する」と言えるね。
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選択科目はボリュームの少ない「経営学」
あれ?表の「選択科目」って何ですか?
一番、勉強時間が少ないようだけれど…。
論文式試験で出題される科目だよ。
「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4科目から、自由に1科目を選択して受験できるんだ。
え~と、じゃあ何となくカッコ良さそうな「経済学」にしようかな!
ちょっと待って!
基本的には学習ボリュームの最も少ない「経営学」を選択するのが無難だ。
特にこだわりがない場合には、経営学を選択しておこう。
ポイント解説
合格者の9割以上の方は「経営学」を選択しています。ボリュームの少なさが大きな理由です。
しかし他の選択科目でも、既に大学や大学院で専攻している場合は勉強量を抑えられる可能性があります。その判断基準としては、本試験問題の難易度が参考になるでしょう。
過去の試験問題は公認会計士・監査審査会ホームページで公開されています。
[ 参考リンク ] 公認会計士・監査審査会ホームページ
それでは、次に「合格までのトータル勉強時間」を見ていきましょう。
これから学習される皆さんが最も参考にすべき「1回の試験で合格するための勉強時間」すなわち「一発合格者の勉強時間」について紹介します。
一発合格者のトータル勉強時間は平均3,776時間
ズバリ、一回の試験で合格した「一発合格者」のトータル勉強時間は平均3,776時間だ。
さんぜんッ…、ちょっと途方もなくてイメージができないわ…
極めてシンプルに考えると、1日10時間の勉強を1年間続ければ、近い数字になるかな。
実際に成し遂げられるか、は別としてね。
一般的に、どれくらいの期間をかけて勉強するものなの?
1.5~2年間の受験プランが一般的だ。
例えば2年間で考えると、1日あたり平均5時間となるね。これなら、だいぶ現実的になってくるのではないかな?
確かに!少しイメージが掴めてきましたっ!
ポイント解説
公認会計士試験に1回で合格した「一発合格者」の勉強時間は、平均3,776時間という結果が出ました。
半年や1年間でこの時間を確保すると考えると、とても実現し難い数値ではありますが時間軸を長く設定すると、より現実的に見えてきます。
トータルの学習時間数だけに捕らわれずに、「どれくらいの期間をかけて合格するか?」という時間軸も合わせて検討していくと良いでしょう。
大学生・社会人・受験専念者の学習期間の目安
置かれている環境によって受験期間って変わるものなの?
もちろん変わるよ。
働きながら目指す社会人の場合、いきなり1日5時間の勉強時間を確保するのは中々難しいから、長期プランで考えていくことになる。
一方で、時間にゆとりのある大学生や受験に専念できる人の場合は、短期合格を狙うという選択肢も出てくる。
大学生活も楽しみたいし、アルバイトやサークルもやってみたい!
やりたい事がたくさんあってどうしよう…。
自分の中で優先順位をつけながら受験プランを立てることが大切だ。
会計士受験が1番なら、受験中心の生活サイクルと受験プランを。色々やりたいことがあるなら、並行して無理なく勉強できるプランを立てると良いよ。
ポイント解説
公認会計士試験の合格に必要な勉強量は、環境によって変わることはありません。
しかし受験期間については、自分でコントロールすることができます。
受験環境は人それぞれですから、ご自身が無理なく最後まで続けられる受験プランを立てていきましょう。
合格までの学習期間の目安としては、
受験専念の方は1年~1.5年、大学生の方は1.5年~2年、社会人の方は2年~3年で受験プランを設定するのが一般的です。
短期合格を目指す場合でも2,500時間は必要
先ほど紹介したトータル3,776時間という数値は、あくまで「平均値」であることに気をつけてほしい。
絶対にこの時間数を確保しないと受からない、という訳ではないよ。
じゃあ勉強時間の少ない人だと、どれくらいなの?
2,500時間前後という合格者も、少なからずいる。
さすがに2,000時間より少ない合格者は、ほとんどいないかな。
勉強時間を削ると、試験範囲に対して「ヤマを掛ける」ことになる。だから超短期合格を目指す場合を除いては、少ない勉強時間で受験に挑むのはリスクがある戦略だ。
でも、できるだけ少ない時間で合格したいなぁ・・・。
確かにその気持ちは、良く分かる!
しかしできるだけ多くの勉強時間を確保することが望ましいんだ。
では、なぜ一定量の勉強時間が必要なのかについても触れておこう。
【3】多くの勉強時間が必要となる理由
公認会計士試験は、なぜ多くの勉強時間が必要なのでしょうか。その理由について端的に2つの視点から解説します。
理由1:試験範囲が広い
まず、公認会計士試験は短答式で4科目、論文式で6科目の試験科目があり、一度にすべての科目を受験する。
試験科目が多くそれぞれの試験範囲も広いから、多くの勉強時間が必要となるんだ。
色々な知識が身につくから将来に役立ちそうだけど、
勉強する身としては大変そうね。
もちろん受験勉強で得た知識は、実務でも大いに活かせる! プロフェッショナルになるための試験だと考え、前向きにコツコツと学習していこう。
理由2:競争試験のため合格ラインが読みづらい
公認会計士試験が「競争試験(相対評価の試験)」という事も、勉強時間が多くなる理由の一つだ。
競争試験って何ですか?
文字通り周りの受験生と競争して、高い点数の人から順番に合格する試験だよ。
つまり、周りの受験生がライバルということになる。
競争試験だと、なんで勉強時間が多くなるの?
「知識を習得する」段階に加えて、「ライバルに勝つ」という要素が加わるからだ。
ポイント解説
絶対試験の場合は、合格基準を満たすまで知識の習得を積み重ねていけば合格できます。クリアすべき基準が明確なため、勉強量もコントロールしやすいでしょう。
一方で競争試験の場合、目に見えないライバル達の動向により、合格ラインが日々変動します。
それはまるで、競争相手が見えない状態でフルマラソンの上位を目指すような感覚です。
従って、ひたすら全力で走る(勉強時間を増やす)動機付けが、受験生全体に働くのです。
目に見えないライバルと戦う、かぁ…。じゃあ最初から全力で勉強しないといけないの?
ところが、そうでもないんだ。
ライバルを「目に見える状態」にすれば、安心して勉強できると思わないかな?
そんな方法があるの!?
それは規模が大きい受験指導校で学習することでクリアできる。
頻繁に行われる全国テストで、常に上位に入っていれば合格圏内ということだ。
この「規模が大きい」という点がポイントで、受講生の数が多いほど本試験の母集団に近づくわけだから、正確な順位を把握できる。
受験指導校選びの大事なポイントなので、押さえておくと良いよ。
分かりました!
【4】まとめ ~合格者の声をもっと聞いてみよう~
公認会計士試験の勉強時間について、よく分かりました!
合格するために、みんな物凄い努力をしているんですね。
そうだね。そんな合格者もみんな、始めは勉強時間ゼロからスタートしているんだ!
勉強時間は少なくとも2,500時間は必要なこと、競争試験を意識すること。この2つを理解した上で、はじめの一歩を踏み出してほしい。
ところで「合格体験記」を読んでみたいのだけど、どこで手に入るの?
このページの最後に紹介しているよ。
それと今なら資料請求すると、最新版の合格体験記冊子が貰えるのでよろしければどうぞ!
合格する未来をしっかりイメージして頑張ります!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
公認会計士の勉強時間について、ご参考になりましたでしょうか?
「もっと詳しく会計士について知りたい」、「試験合格者の学習体験談について知りたい」という方は下記もご参考になさってください。
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