公認会計士のココが知りたい! (最新版)公認会計士の年収は本当に高いのか。年収でみる、公認会計士を目指す価値
最新2024年の公表資料によると、公認会計士の平均年収は922万円です(令和5年 厚生労働省 賃金構造基本統計調査)。なお、試験合格者1年目の監査法人の初任給は30~35万円前後(年収ベースで550万円前後)です。一般的な新卒採用の初任給22万円(同資料)と比較しても、非常に高い給与水準です。
このページでは、公認会計士の年収の実態について、最新の客観的な統計データを基に会話形式で詳しくご紹介します。
【1】公認会計士の年収は高い?低い?
医師・弁護士と並ぶ国家3大資格の一つと言われる『公認会計士』。難関試験を突破すれば、本当に高収入を得られるのでしょうか。気になる公認会計士の平均年収や初任給について、一般的な会社員と比較しながら、詳しく解説していきます。
公認会計士の平均年収は?
公認会計士の年収って、いくらくらいなんですか?
教えてちゃん
そうねぇ・・・初年度で言うと500~550万円ってとこかしら?
平均年収だったら?
公認会計士全体の平均年収で言うと、900~1,000万円が一つの目安になるわ ♪
一般的な会社員と比較すると、次のような感じね☆
えぇ~、2倍以上も多くもらえるの!?
確かに魅力的よね。
多くの公認会計士が勤める監査法人には、明確な昇給フローがあるから、キャリアに応じて確実に年収は上がっていくのよ☆
ポイント解説
厚生労働省の賃金構造基本統計調査※1によると、公認会計士の平均年収は922万円でした。男女別にみると、男性が989万円、女性が728万円という結果に。調査対象者の平均勤続年数は、男性が9.5年なのに対し、女性は7.1年である点から、男女問わず働きやすい職業だと言えるでしょう。
対して、国税庁の民間給与実態統計調査※2によると、給与所得者(いわゆるサラリーマン)の平均年収は458万円でした。男女別にみると、男性で563万円、女性で314万円となっています。
男女問わず、高収入が見込める公認会計士業界。女性特有の出産という大きなライフイベント後も多くの方が復職し、ライフスタイルに合わせて勤務しています。大手監査法人では、男性の育児休暇取得率も高く、また、ブランクによって給与が大きく下がるといった話も聞きません。
そうした面からも、男性女性を問わず、働きやすく高収入を期待できる就労環境にあると言えます。
※1 令和5年 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 職種別(企業規模1000人以上)より。職種区分において公認会計士の他に税理士も含まれていますが、両資格とも大きな開きはないと言われているためここで紹介しています。
※2 令和4年 国税庁 民間給与実態統計調査(給与所得者)より。
初任給で比べてみる
公認会計士になったら、お金持ちになれますか?
教えて君
会計士さん
そりゃぁもう!初任給で言っても、OLやってる友達の1.5倍~2倍はもらえたわ!
大学卒の新卒初任給と比較すると、こんなイメージよ。
ぇえ!初任給でこんなにも違うんですか!?
そうなの!試験勉強を最後まで頑張りぬいた甲斐があるってもんでしょ☆
初任給でそんなに差があるなら、社会人デビューが少しくらい遅れても目指す価値ありますね!
ポイント解説
公認会計士になるには、公認会計士試験合格後に実務要件を満たす必要がある為、公認会計士試験合格者の約9割が監査法人と呼ばれる所に就職します。
その中でも、世界4大会計事務所であるEY、Deloitte、KPMG、PwCのメンバーファームである、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任 あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人の大手4社は「Big4」とも呼ばれ、公認会計士試験合格者には人気の就職先です。
このBig4を例にとって説明すると、公認会計士試験合格者の初任給は30万円~35万円となっています。厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査結果(新規学卒者)」によると、大学卒業生の初任給は22.4万円ですので、いかに公認会計士の初任給が高いかがおかわりいただけるかと思います。
なお、公認会計士の世界では、入社時の年齢で初任給が変わる事は基本的にはありません。
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【2】公認会計士の給料はどこまで上がる?
初任給は良いけれど、その後はほとんど給与が上がらない、なんてことはよくある話です。では実際に、公認会計士はどうでしょうか。公認会計士特有の昇給フローとともに、年齢別平均年収より割り出した生涯年収について、ご説明します。
役職が上がるごとに高年収・高収入へ
平均年収だと、一部の人が平均を吊り上げているだけなんじゃないかなって思っちゃうんだけど・・・
そこは心配しなくて大丈夫☆さっきも言ったけど、監査法人には明確な昇給フローがあるの。下の図で説明するわね ♪
監査法人での職階はこのようになっていて、一般企業で言うと、パートナーが社長や役員、シニアマネージャーが部長、マネージャーが課長、シニアスタッフが係長、スタッフが一般社員、といった感じかしら。
なるほど!
でも、監査法人ではだいたい入社してからの年数で昇給していって、あくまで私のイメージになるんだけど、社歴と年収で言うと、下の図のような感じになるの。
ぇえ!入社7年で年収1,000万円にもなるの!!?
もちろん、その人の頑張りによって昇格できるタイミングは異なるし、年収だって前後するわよ!それに、マネージャー以上の職位には全員がなれるわけではないから、とても優秀な人の例になってしまうけどね。
その点、僕は優秀だから心配ないな!
ポイント解説
監査法人には、業界特有の職階があります。およそ、入社してからの経過年数で職階が分かれています。もちろん、上記が絶対というわけではなく、3年目でシニアになる方もいらっしゃれば、10年かけてマネージャーに昇進する方もいます。
また、昇進に年齢は関係ありません。公認会計士試験に合格したのが20歳の人も35歳の人も、最初はみんなスタッフからスタートします。そのため、早く合格すればその分生涯年収が増える、というわけですね。
ちなみに、上でも述べましたが、パートナーとは、一般企業でいう社長や取締役にあたります。シニアマネージャーは部長、マネージャーが課長、シニアが係長、スタッフが一般社員、といったイメージです。そう考えると、公認会計士の昇進がいかに早く明確であるかがわかりますよね?
入社して4年目で係長、7年目で課長だなんて、一般企業ではそう多くはありません。また、多くの企業では役職者の人数に制限があるため、上の世代がぬけてくれないと昇進できない、なんてことは往々にしてあります。
それに比べ、公認会計士の世界では、役職者の人数に関係なく、個人の頑張りや能力をしっかり評価してくれる環境があるので、モチベーション高く働くことができます。
時給8,000円以上も!?「非常勤」という働き方
公認会計士の年収がすごいのはわかりました!
でも、実は僕、監査以外にもやってみたいことがあって・・・副業とかできたりするんですか?
私も、いつか子供が生まれたら、なるべく子供との時間を確保しつつ働きたいと思ってるんですが・・・時間的な制約とか気になります。。。
そんなアナタ達にピッタリな働き方があるわよ ♪
「非常勤勤務」と言って、正社員のように毎週5日間働くのではなく、例えば週に3日だけ働くとか、月に10日だけ働く等、自由に働き方を選べるの!もちろん、正社員の時短勤務もあるわ ♪
ライフステージに合わせて働き方を選べるだなんてステキですね!
でも、その場合の給与ってどうなるんですか?
非常勤勤務の場合は、いわゆる「時給制」で働くことが多いわね。
その人のキャリアにもよるけど、時給8,000円以上もあり得る世界よ ♪
私の先輩には、日当50,000円って方もいたわ☆
ポイント解説
Big4を始め、多くの監査法人では公認会計士(試験合格者)の「非常勤」採用をしています。非常勤の場合は、「時給」や「日当」で給与が支払われ、スポットで監査業務を手伝います。
個々の経験によって大きく報酬は変わりますが、公認会計士試験合格者であれば、時給2,000円~4,000円、主査経験のある公認会計士であれば、時給8,000円以上も夢ではありません!
非常勤で働く方の中には、大学在学中に合格した学生の方、起業を目指している方、自分の時間を確保したい方、子育てへの時間を重視したい方等々、その背景は様々です。しかし、共通して言えるのは、公認会計士になると、一定の収入を確保しつつ、希望のライフスタイルに合わせた働き方を自ら選べるということです。
特に将来、起業やフリーランスを考えている方にとっては、事業が安定するまでの収入を確保できるのは、とても大きなメリットだと言えるでしょう。
気になる公認会計士の生涯年収は
これだけ年収が高いと、生涯年収も期待できそうですね ♪
よくぞ聞いてくれました!公認会計士になる年齢や昇格状況にもよるから一概には言えないけど、22歳で合格した私の場合、4億円~6億円になると思うわ!
そ、そんなに!?サラリーマンだと2億円~3億円だって聞いたことがあるんですけど・・・生涯年収2倍も夢じゃないってことですか!!
公認会計士の年収を年齢階級別に見ていくと、イメージが湧きやすいと思うわ ♪
<公認会計士 年齢別年収推移>
年齢階級 | 年収(男性) | 年収(女性) |
---|---|---|
20~24歳 | 577万7700円 | 598万3200円 |
25~29歳 | 787万400円 | 777万8500円 |
30~34歳 | 960万2500円 | 649万8100円 |
35~39歳 | 1078万7900円 | 777万9200円 |
40~44歳 | 1241万1800円 | 915万8500円 |
45~49歳 | 1276万6200円 | 984万5900円 |
50~54歳 | 1084万6600円 | 930万1600円 |
※令和5年 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(職種、性、年齢階級別/企業規模1000人以上)より。職種区分において公認会計士の他に税理士も含まれていますが、両資格とも大きな開きはないと言われているためここで紹介しています。
※女性の30歳以降の年収において男性と大きな差が生じていますが、サンプル数によるばらつき及び出産・育児等による非常勤勤務(前述)・時短勤務等によるものと推測されます。
ポイント解説
上記、厚生労働省 賃金構造基本統計調査資料より、公認会計士は年齢に応じて高収入が見込めることが分かります。仮に、男性の平均年収989万円、女性の平均年収728万円を就業期間40年で計算すると、男性3億9,560万円、女性2億9,120万円という結果になります(全て退職給付金を除く)。対して国税庁 民間給与実態統計調査にて、給与所得者の男性の平均年収563万円、女性の平均年収314万円で同様に計算すると、男性2億2,520万円、女性1億2,560万円という結果になります。
あくまでも平均から算出している数値のため、全ての方にあてはまるわけではありません。しかし、公認会計士になると、生涯年収が2倍以上になる可能性がある、ということがおわかりいただけると思います。
【3】まとめ ~年収でみる、公認会計士を目指す価値とは~
自分のやりたい事に挑戦しつつ、一定の収入を確保できると知って、ますます公認会計士になりたいと思いました!
男女での収入格差がない点や、ライフスタイルに合わせた勤務ができる点などを知れて、私も絶対公認会計士になろうって思ったわ ♪
そうね。国家3大資格の一角を担っているだけのことはあるわよね ♪
公認会計士は単に高年収というだけじゃなくて、自ら望むキャリアパスを描けることやライフスタイルの変化にも安心して対応できることにも、とても大きな魅力があると思うの。
生きていく為にはお金は必要よ。未来の事なんてわからないと思うけど、だからこそ、将来の選択肢を広げることができる公認会計士資格を目指す価値はあると思うわ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
公認会計士の年収について、ご参考になりましたでしょうか?
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