公認会計士は独学で合格できるの?
公認会計士試験に合格したいが、独学で合格できるか不安な方々へ。この記事では、公認会計士試験を独学で合格する可能性とそのための効果的な勉強方法について解説します。
また、独学以外で試験に合格する方法についても紹介します。独学で公認会計士を取得したい方々は是非参考にしてみてください。
公認会計士は独学で合格できる?
公認会計士試験に独学で合格するのは不可能ではありませんが、初学者が独学で公認会計士試験に合格するのはかなり稀です。その理由を詳しく説明します。
独学で合格する人の割合
過去の試験結果や資格対策スクールの実績から推測すると、独学で合格した人の割合は合格者の10%以下だと考えられます。そして公認会計士試験全体の合格率は10%前後であるため、独学で勉強した場合の合格率は1%以下だと言えます。
独学で合格した人の割合が極端に低いのは、公認会計士試験の合格基準に理由があります。公認会計士試験は相対評価であるため、予備校や資格対策スク―ルに通って対策してきた他の受験生よりも、高い点数を取る必要があります。大抵の場合、予備校や資格対策スクールに通っている受験生の方が有利な環境で勉強できるため、よほど恵まれた環境でなければ合格するのは難しくなります。
独学の難しさ
公認会計士試験は、難関試験と言われています。その難易度の高さは、試験科目と学習量の多さにあります。公認会計士の試験科目は、5科目+選択科目の合計6科目と多く、各科目の試験範囲も広いためボリュームがあります。そのため、合格までには1.5~2年程度の学習期間を設定するのが一般的です。トータル学習時間は約3,500時間もの時間が必要となります。
さらに独学では自身で適切な教材を選択し、学習計画を立てることが必要です。はじめて試験を受験する人が、科目や学習論点の優先順位の判断を独自で行うことは簡単ではありません。また、適切な学習計画を立てることも難しいでしょう。会計制度や税制などの法改正についても、自身で調べてキャッチアップしなければ、最新の試験に対応することができません。
これらの作業は上記の勉強時間には含まれないため、予備校や資格対策スク―ルに通って対策してきた他の受験生よりも、多くの時間を試験対策に充てる必要があります。
独学で公認会計士を目指すメリット
独学による合格がかなり難しい公認会計士試験ですが、独学で目指すメリットもあります。公認会計士試験合格を独学で目指すメリットには、次のようなものがあります。
・自分のペースで勉強を進められる
・資格取得までの費用を抑えられる
費用や時間の融通が利く独学に魅力を感じる方も多いようです。どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。
自分のペースで勉強を進められる
独学の利点は、時間を柔軟に使いながら、自分の理解度に合わせたペースで学習できることです。学業や仕事で忙しいという方でも、長い期間をかけてスキマ時間や休日を利用することで、無理なく勉強を続けられるでしょう。また、自己管理の難しさはありますが、自分に合った計画を立てられるのは独学のメリットです。
資格取得までの費用を抑えられる
予備校や資格対策スクールに比べ、独学は教材や参考書のみで学習が可能なため、経済的な負担が軽減されます。通信講座の費用は安くても約30万円、通学講座だと70〜80万円ほど必要になります。しかし、独学の場合は教材費だけで済むため、学習費用を抑えることができます。
独学で公認会計士を目指す勉強方法
独学で公認会計士試験の勉強をする際、勉強方法は重要です。特に下記の3点は重要です。
・学習スケジュールを作成する
・科目別のアプローチ
・模試を受験する
それぞれ詳しく確認していきましょう。
学習スケジュールを作成する
公認会計士試験の学習計画を立てる際は、効率的に学習できるかと試験範囲全体をカバーできているかを確認しながら立てる必要があります。
下記は学習計画を立てる手順の一例です。
1.試験日までの期間と1日あたりの勉強時間を確認する
2.各教材を確認し、週単位で具体的に何を進めるかを計画する
(TACでは財務会計論・管理会計論からの学習をオススメしています)
3.定期的に学習計画を見直し、調整する
学習計画を立てる際は、急な用事や体調不良に備えて、予備の時間を確保しておくことも重要です。勉強している環境は人それぞれ異なるため、様子を見ながら計画を調整していきましょう。
科目別のアプローチ
公認会計士試験では必須科目5科目・選択科目1科目の計6科目を勉強する必要があります。学習内容も多岐にわたるため、科目ごとに適切なアプローチが必要です。
適切な学習方法を選択し、それぞれの科目を効果的に対策することが合格につながります。
試験科目の一覧と学習する際のワンポイントアドバイスは下記をご覧ください。
模試を受験する
模擬試験(模試)は公認会計士試験において重要な役割を果たします。
模試では試験時間内に問題を解く練習ができるため、問題を解く順番や取捨選択といった受験テクニックを養うことができます。
また、本番と同じレベルの問題を解くことで、自分の理解度や試験対策の進捗状況を確認することができ、誤答した問題や苦手な分野を把握してそこを集中的に学習することができます。
特に、相対評価で合否が決まる公認会計士試験では、全国の受験生の中で自分がどの位置にいるかという情報が極めて重要です。資格対策スクールなどが開催する模試は、必ず受験するようにしましょう。
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独学以外で合格を目指す方法
独学で公認会計士試験に合格することは容易ではありません。現に多くの受験生が何かしらの予備校や資格対策講座を受講して試験対策をしています。予備校や講座を利用するメリットは下記のとおりです。
・効率的に学習できるカリキュラム
・モチベーション維持
・試験のプロによる試験分析
・法改正への対策
それぞれ詳しく解説します。
効率的に学習できるカリキュラム
予備校や資格対策スクールでは、何をいつ勉強するかといったカリキュラムがあります。もちろん各科目に対し、合格レベルの知識を身に付けるために必要な勉強時間も考慮に入れて作られているため、はじめて試験を受ける人でも安心して学習を進めることができます。
なおTACでは、すべての講師が同じ教材・カリキュラムで授業を行うため、自分に合った講師の講義を受けることができます。映像講義でのフォロー体制や振替受講もできるので、講義を受けられない日があっても安心です。
モチベーション維持
通学講座を受講した場合、同じクラスで受講している人がいるため、お互いに情報交換をしたり一緒に勉強したりすることで、一人で勉強するよりモチベーションを高めることができます。
TACでは定期的に、校舎やオンライン上で受講生交流会を開催しています。勉強仲間を作ったり、悩みを相談したりすることができるため、やる気が続きやすい環境があります。
試験のプロによる試験分析
講師は長年にわたり公認会計士試験の問題を分析しています。その知見をもとにカリキュラムや授業で使用するテキストを作成しています。そのため、試験に出る論点を試験に出やすい順番で勉強することができ、効率的に合格を目指すことができます。
TACではこれまでの公認会計士試験を徹底的に分析し、より少ない労力で合格できるようにカリキュラムやテキストを作成しています。そのため、他社に比べてテキストがコンパクト(勉強すべき分量が絞られている)でありながらも、毎年多くの合格者を輩出しています。
法改正への対策
独学でカバーしづらい法改正の対策も資格対策スクールなら可能です。公認会計士試験の必須科目である「企業法」や「租税法」は、法改正が頻繁に行われ、その改正部分が出題されることもあります。会計基準の改正も同様で、さらに改正内容がいつの試験から適用されるかといった情報も、しっかりと把握しておく必要があります。
独学でこれらの情報を入手し変更箇所を理解するのは困難ですが、予備校や資格対策スクールを受講すれば、適切に講師に教えてもらうことができるので、情報収集の時間を他に充てることができます。
まとめ
公認会計士試験に独学で合格することは不可能ではありませんが、かなり道のりは困難です。独学のメリットとして自分のペースで学べることや費用の節約がありますが、学習計画の作成や情報収集など、自分でやらなければならないことも多くなります。
何年もかけて受験することを考えた場合、資格対策スクールの講座を受講した方が安いこともあるため、独学で限界を感じた時は予備校や資格対策スクールの活用も検討してみてください。
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