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公認会計士は本当におすすめ?“やめとけ”と言われる理由を徹底解説

会計士 公認会計士は本当におすすめ?“やめとけ”と言われる理由を徹底解説

公認会計士の資格は非常に人気があり、多くのメリットがある一方で、一部の人々からは「やめとけ」という意見も聞かれます。本記事では、公認会計士を目指そうと考えている方に、公認会計士を取り巻く環境と現実について、ポジティブな面とネガティブな面の両方を詳しく解説します。

公認会計士の魅力(目指すべき理由)

会計士 公認会計士の魅力(目指すべき理由)

まず始めに、公認会計士の魅力、つまり「目指すべき理由」をごく簡単に紹介します。

公認会計士は、日本における三大国家資格の一つであり、高い社会的地位と信頼性を誇ります。資格を取得することで、幅広い魅力的なキャリアパスが実現できます。一般的には、次の点に魅力を感じて目指す方が多いです。

1. 高い年収と安定性

平均年収は約1,000万円と非常に高く、景気に左右されにくい安定した職業です。特に大手監査法人やコンサルティングファームに勤務する場合、若いうちから高収入を得ることができます。また、企業の経営層や重要な意思決定に関わることが多いため、経験を積み付加価値を高めることで、さらに収入を増やせる可能性があります。

2. 幅広いキャリアパスとグローバルな活躍の場

多様なキャリアパスを描くことができます。合格後、監査法人で数年間の勤務を経た上で、上場企業や大会社の経理・財務部門に転職する方も多くいます。コンサルタントや税理士として独立する道もあります。さらに、公認会計士は国内だけでなく海外でも活躍できます。監査法人の海外駐在制度を利用したり、国際企業や外資系企業への就職・転職を行ったりすることも可能です。

3. 社会的地位と信頼性

公認会計士は、社会的な信頼が高い職業です。公認会計士の監査業務は、高度な会計スキルを活用し、財務諸表の信憑性を保証する業務です。企業の公正な事業活動や、投資家・債権者の保護に関わる業務のため、その職業倫理は厳格に求められます。社会的な役割や意義の重さ故に、その地位と信頼を得ることができるのです。

「やめとけ」と言われる理由

会計士 「やめとけ」と言われる理由

さて、ここからが本題です。

公認会計士は魅力ある職業として知られる一方で、一部の人々からは「やめとけ」と言われることもあります。その理由について詳しく解説します。

やめとく理由1.高い難易度と長い勉強期間

公認会計士試験は「難関試験」と位置づけられています。合格するまでには、少なくとも1〜2年程度の学習期間が必要です。試験は「短答式試験」「論文式試験」を経て合格となりますが、それぞれの合格率は15%前後、40%前後と決して容易なものではありません。受験生には、長期間の勉強を続ける継続力、絶え間ない努力、そして時間が求められます

やめとく理由2.経済的な負担

公認会計士を目指すには、予備校の費用や試験の受験料など、経済的な負担がかかります。予備校の費用は2年間で約70~80万円前後、受験料は1回につき約2万円です。受験に専念される方も多く、学習期間中は収入が減ることになります。このような経済的な負担やプレッシャーは、受験生にとっての課題となり得ます。

やめとく理由3.専門家としての責任感

公認会計士は「財務諸表の信頼性を保証する」という職業柄、誤りが許されません。そのため、強い責任感、クライアントとの折衝、緻密で正確な作業が求められます。また、常に最新の会計知識や監査スキルを身に付けておく必要があるため、試験合格後も知識のブラッシュアップは欠かせません。このような専門家としての責任感が、プレッシャーや精神的な負担を伴うことがあります。

やめとく理由4.就職後の労働環境

監査法人での勤務は、繁忙期に長時間労働となるケースがあります。クライアントの決算期に合わせて、監査業務が一時期に集中するためです。一般的に例年4〜5月は超繁忙期に位置づけられます。

クライアントの都合に合わせて監査スケジュールが組まれるため、繁忙期には休暇が取りにくいこともあります。このような就業環境は、ワークライフバランスを重視する人にとっては大きなデメリットとなるでしょう。

やめとく理由5.監査業務に対する適性

公認会計士の資格を取得した後は、監査法人で経験を積むことが一般的です。しかし必ずしも全ての人がその仕事に満足するわけではありません。監査業務の特性上、反復的な作業や細やかなチェックが求められるため、自分のスキルや興味に合わないと感じる人もいます。また、資格を持つことで選択肢が広がる反面、特定の分野に特化し過ぎることで、他のキャリアパスに転換する際のハードルが高くなることもあります。

やめとく理由6.投資活動の制約

公認会計士は、監査対象企業の重要機密事項を知りうる立場となるため、投資活動に制約を設けられるケースがあります。いわゆる、インサイダー取引を防止するための措置です。

近年では、個人資産の形成のために株式投資などを積極的に行う方も増えてきています。就労所得だけでなく、投資活動による所得を得ていきたい方にとっては、投資活動の制約は資産形成の足枷になってしまうかもしれません。


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公認会計士をやめる理由、は本当か?

会計士 公認会計士をやめる理由、は本当か?

さて、ここまで「目指すべき理由」と「やめとけと言われる理由」を挙げました。皆さんは、どのように感じましたか?

「やめとけ」という理由を踏まえて、自分は公認会計士を目指すべきではない、と感じた方はその感覚を信じるのが良いと思います。職業の選択肢は数多くあります。ご自身に適した職業が見つかることを願っています。

一方で、「不安はあるけれど公認会計士を目指したい」「やめとけと言われる理由を、もう少し違う観点から知りたい」という方は、この先を読み進めていただければと思います。

考察1.高い難易度と長い勉強期間、は本当か?

公認会計士試験は確かに難関試験に位置づけられています。では、一部の天才しか合格できない試験か?と言われれば、決してそうではありません。毎年、短答式試験は2,000人超、論文式試験は1,500人超の合格者が出ています。

合格者の経歴も様々です。大学生、社会人、高卒(中卒)、受験専念など、バラエティに富んでいます。勉強が得意な方は、資格試験においても有利な面はもちろんありますが、それだけで合否が決まるわけではありません。

公認会計士の難易度は、その学習内容の難解さよりも、ボリュームに起因している面が大きいです。試験科目数が多く、同時に複数科目を学習していく事が必須になることから、学習負担が増大します。

高い難易度と長い勉強時間が必要な点はその通りです。しかし学習期間をしっかりと確保し、受験に挑む学習環境を整えられるのであれば、決して難攻不落の試験ではないと言えるでしょう。

TACでは合格者の約半数の方が、簿記知識ゼロから合格されています。学歴や特別な知識やスキルも不要です。必要なのは不断の努力、すなわち合格まで続ける継続力です。

考察2.経済的な負担、は本当か?

公認会計士試験は、独学で合格を目指すのは厳しい試験です。競争試験のため、周りの受験生との比較により合否が決まるからです。そのため、ほとんどの受験生は受験予備校に所属して受験に挑みます。

受験予備校の費用は、初学者向けコースで70~80万円前後の設定が一般的です。確かに高額な初期投資となります。しかし、約2年間の受講料である点、教材や講義は全て受講料に含まれている点などを考慮すると、高校受験や大学受験の予備校費用と比べても極めて割高な金額ではないと言えます。

合格後、監査法人に就職すれば2ヵ月ほどで回収できる金額です。将来への投資と考えればコスパが良い試験と言えるでしょう。

一方で、社会人の方にとっては、受験専念を選択した場合、収入が絶たれることになります。受験に専念したとしても、合格が確約される訳ではありませんので、受験に際しては慎重な判断が必要となるでしょう。

受験予備校の費用に加えて、2~3年間の生活資金を確保できることを前提に、受験計画を立てることが求められます。

考察3.専門家としての責任感やプレッシャー、は本当か?

公認会計士は、専門家として高い倫理観と責任感が求められます。監査報告に誤りが生じた場合、投資家や債権者をはじめ、株式市場や経済に多大な影響を与えることになるからです。

しかし、監査業務は単独で行うのではなく、監査チームで分業して行います。就業1年目から、いきなり極めて高い責任やプレッシャーのある業務に付くケースは稀です。

一般的には会社組織と同じく、監査法人でも経験に応じて役職が設定されています。一人前の公認会計士になるために、先輩会計士の指導や研修制度などを活用して、専門家としてのスキルや倫理観・責任感をしっかりと醸成していけば良いのです。

考察4.就職後の労働環境、は本当か?

監査業務の特性上、一定の時期に業務が集中することは必然です。特に4〜5月は超繁忙期となるため、休日出勤や残業なども多くなる傾向があります。しかし、近年では「働き方改革」に伴い、監査法人では過度な残業などを抑制する動きが進んでいます。繁忙期が重ならないようにクライアントを割り当てたり、夜8〜10時頃に強制的にPC電源が落とされる、などの取り組みを行うケースもあります。

繁忙度は実際のところ、就職先の監査法人・部署・上司・所属メンバー・クライアントによって大きく変動します。あまりにも自分に合わない就業環境と感じる場合は、所属異動や転職などで回避することも可能です。

考察5.監査業務に対する適性、は本当か?

監査業務は、照合作業や調書作成などの事務的業務も多く、クリエイティブな業務を求める人にとっては「自分に合わない」と感じることもあるかもしれません。

しかし、公認会計士の業務は監査業務だけではありません。コンサルティング等の「非監査業務」が占める業務割合は年々増加しており、アドバイザリーやIPO支援などのクリエイティブな業務は多数存在します。

公認会計士の業務は一様に同じものではなく、各々の専門分野を築くことで付加価値が高まります。そもそも監査業務も奥が深い分野ですし、仮に監査業務が自分に合わなかったとしても、様々な業域や専門分野がありますので、自分の適性を活かせる道はきっと存在するでしょう。

考察6.投資活動の制約、は本当か?

監査法人によって、投資活動の制約やルールは異なりますが、自身や自部署が受け持つクライアント・そのグループ会社への投資は、原則不可能と考えておきましょう。

一方で、所属法人とは関係性の無い企業の個別株や、個別株以外(投資信託・ETF・インデックス投資など)は、制約がないことが一般的です。

現在は国内・国外を問わずインデックス投資が主流となりつつありますので、投資活動によって資産形成を考えている人にとっては、影響は軽微と考えて良いでしょう。

まとめ

会計士 まとめ

公認会計士の資格は、高収入、安定した職業、多様なキャリアパス、社会的信頼など、多くのメリットがあります。その一方で、高い難易度、プレッシャー、責任感、仕事への適性、投資活動の制約などのデメリットも存在します。

これら両面を十分に理解した上で、自分の適性やキャリア目標を見極め、公認会計士を目指すかどうかを慎重に判断することが重要です。

目指すことを決めたら、TACなどの専門予備校のサポートを活用することで、合格への道が開けるでしょう。自身の努力と戦略的な学習によって、「公認会計士になる」という目標を達成できることを願っています。

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