社会保険労務士(社労士)の勉強時間は? 難易度や開始時期から考える学習時間を解説
近年の各企業における労務管理の対応の稚拙さや誤りによって、社会問題化することもしばしばです。このような社会状況を背景として、労務管理における専門家である国家資格の「社会保険労務士」が注目されています。
そこで本記事では、社会保険労務士の合格を目指す人のために、試験の難易度や合格までに必要な勉強時間と、効率よく時間を使うための学習ポイントなどを解説しています。時間を有効に使って首尾よく合格するために熟度の上、ぜひ参考にしてください。
登場人物
社城 務(やしろ つとむ)先生
現役の社会保険労務士。法律の知識が無い初学者の人から、受験経験のある人まで、その人にあった学習指導をモットーとしている。趣味は、社労士会の有志で結成した登山サークルでの山登り。
会沢 保奈美(あいざわ ほなみ)さん
社会保険労務士に関する知識はまだ無い初学者の女性。これから社城先生から社労士に関する科目や学習について聞いて、モチベーションを高めようとしている。社労士合格への熱意は強い。
社会保険労務士(社労士)試験の難易度は高い?
合格率
文系の国家資格では、会計系の「税理士」「公認会計士」などがあります。そして法律系の国家資格として知られているのが「弁護士」「司法書士」「行政書士」「宅建士」そして「社会保険労務士(社労士)」です。
ここでは、これらの国家資格と比べて社労士試験の難易度がどれくらいなのか紹介しましょう。合格までの勉強時間は、この難易度のランクによって異なってきます。
資格名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
司法書士 | 13,960 | 737 | 5.3% |
行政書士 | 46,991 | 6,571 | 13.9% |
宅建士 | 233,276 | 40,025 | 17.2% |
社労士 | 43,174 | 2,974 | 6.9% |
2024年度調べ(行政書士・宅建士は2023年度)
社城先生
2022年度の合格率は5%台と低かったものの、社労士の合格率はここ数年6~7%台で推移している。他の資格と比較すると、社労士の試験の難易度としては「行政書士や宅建士よりも合格しにくく、司法書士よりは合格しやすい国家資格試験である」といえるだろう。
試験科目
下記の表は、社労士試験での各学科の問題数と制限時間です。同試験は「選択式」と「択一式」の2区分にて出題されます。
選択式試験 合計40問 80分間 | |
---|---|
学科名 | 問題数 |
労働基準法 | 3問 |
労働安全衛生法 | 2問 |
雇用保険法 | 5問 |
労災保険法 | 5問 |
健康保険法 | 5問 |
厚生年金保険法 | 5問 |
国民年金法 | 5問 |
労務管理その他労働に関する一般常識 | 5問 |
社会保険に関する一般常識 | 5問 |
択一式試験 合計70問 210分間 | |
---|---|
学科名 | 問題数 |
労働基準法 | 7問 |
労働安全衛生法 | 3問 |
雇用保険法 | 7問 |
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 | 3問 |
労災保険法 | 7問 |
健康保険法 | 10問 |
厚生年金保険法 | 10問 |
国民年金法 | 10問 |
労務管理その他労働に関する一般常識 | 5問 |
社会保険に関する一般常識 | 5問 |
社城先生
社労士試験の合格基準点は「選択式」「択一式」試験の両方とも「総得点」と「各科目点」に点数が区分される。合格には「総得点」と「各科目点」いずれも基準点を超える必要があるんだ。
試験全体だと、何割くらい正解すればいいでしょうか?
会沢さん
総得点の合格基準点は例年60~70%と言われている。決して全部の問題に正解しないといけないなんてことはない。
勉強時間の目安
独学の場合:800~1,000時間
社労士試験に独学で挑戦しようと思っているのですが…
会沢さん
社城先生
社労士試験を独学で合格するには、幅広い範囲の法律知識を習得する必要がある。したがって、法律の知識がゼロの状態で合格ラインまで達するにはかなりの時間を要することは間違いない。
具体的には何時間くらいの勉強時間が必要ですか?
会沢さん
事前知識の程度によって相違はあるものの、独学での社労士試験合格レベルまでの勉強時間は、約800時間~1,000時間。仮に1日の勉強時間を3時間で週5日15時間と想定すれば、合計勉強日数は約54週~67週、約1年以上の学習期間が必要だ。
通信講座・予備校を利用する場合:600~700時間
独学だと800~1,000時間…
もっと勉強時間を短くできる方法はありませんか?
会沢さん
社城先生
独学ではなく通信講座や予備校に通学して社労士合格を目指すパターンだと勉強時間が短くなる。
通信や通学コースは長年培った学習カリキュラムが確立しているため、独学よりも能率が上がり、勉強時間の能率もアップした結果、時間の節約ができる。
具体的には何時間くらいの勉強時間が必要ですか?
会沢さん
通信講座・予備校を利用すると一般的に勉強時間は、約600時間~700時間まで少なくなる。
仮に1日の勉強時間を3時間で週5日15時間と想定すれば、合計勉強日数は約40週~46週、約1年以内に合格が目指せる。
1年以内に合格が目指せるのなら、頑張ろうと思えてきました!
会沢さん
5つの学習開始時期から考える学習時間
1月・2月・3月から翌年の試験の合格を目指す場合【学習期間:約1年6か月】
学習時間として十分な日数が確保できます。1~3月に学習を開始して8月までは科目の全体像を把握することに努め、9月からアウトプット(問題演習の取り組み)を加えた学習を心がけることにより、着実に合格レベルに達します。TACでは多くの受講生が苦手にしている「社会保険関係科目」を得意科目にできる「1.5年本科生」「1.5年本科生Plus」コースをご用意しております。
1年半も期間があれば、余裕を持って学習できそうですが、実際はどうなのでしょうか?
会沢さん
社城先生
このページの冒頭で「社会保険労務士試験に合格するのに必要な勉強時間は、800時間~1,000時間・・・」という説明があったけど、約1年半を「540日」と仮定して、1,000時間を日数で割ってみると・・・
それでも毎日2時間近くは勉強しなくてはならないということですね・・・。思っていたより大変そうです。
そう、油断してはいけない。そして学習期間を多く設けられる人にぜひ心がけてもらいたいのが、「勉強の習慣を早い段階でつける」ということだ。この習慣をつけておかないとせっかくの長い学習期間が台無しになりかねない。
例えばTACのコースを受講しているなら「○曜日に講義を受講して、△曜日にその復習をし、□曜日に次の講義の予習をする・・・」というようなサイクルを早い段階で習慣付けてもらいたいんだ。いわゆる勉強慣れをしてもらうことが必要といえるね。
勉強を習慣付けるというのは確かに必要ですね。途中でサボったりせず継続的に学習を進めていくのが大事なんですね。
もちろん、毎日勉強するのも大変なので、「☆曜日は休息日にしよう」いったように、勉強をまったくしない日を設けても良いと思うよ。長い学習期間のメリットとして「自身に合う学習法や学習サイクルを試す余裕がある」ともいえるし、色々試行錯誤しても時間はたっぷりあるからね。
4月・5月・6月から翌年の試験の合格を目指す場合【学習期間:約1年3か月】
1~3月からの開始と同様に、余裕を持った学習スケジュールをたてることができます。学習開始から4か月ほどは社労士試験の出題科目の中でも主要なものを中心に知識の定着に努め、9・10月から本格的な学習に着手するという2回転学習が可能です。早めのスタートを切り、他の受験生と差をつけることができるようにTACでは「総合本科生Wide」「総合本科生Wide+Plus」のコースをご用意しております。
約1年3か月も余裕を持って学習できる期間といえる。これも1・2・3月スタートと同様に、学習初期は勉強の習慣をつけるということが大切になる。
まあ、これは学習期間の長短に関わらず、難関資格を目指すならどの人にも心がけてもらいたいことだけどね。
1・2・3月スタートの人と比べて、より一層心がけたほうが良いことってあるんですか?
TACのコースの例でいうと、4~8月までで主要科目の基本的なことを学習して、9月から本格的な講義に入っていくんだけど、4~8月の間に、主要科目を自分のできるペースで良いので、全体的に復習してもらいたい。
具体的にはどのように復習のサイクルを回していくんですか?
例えば「労働基準法」「労働者災害補償保険法」の講義が終わり、「雇用保険法」の講義を受講している時期に入っているとして、1週間のうちに数時間でも良いので、講義が終わっている「労働基準法」「労働者災害補償保険法」の問題集を解いて復習してみるとかだね。
少し前に講義を終えた科目の問題集を解いてみると、講義を受けてた間は理解できていたけど、案外忘れてしまっている部分も多いと感じるかもしれない。
かえって自信を無くしてしまいそうです。本当に有効な学習法なのですか?
少し前に理解できていた知識が抜け落ちてしまっているのは確かにショックだし、自信を無くしてしまうかもしれないけど、「一度身に付けた知識は入れなおせば良い」ともいえる。一度講義で理解した部分なのだから、完全に忘却しているわけではないので最初よりかはすんなりと理解できるはずだ。
この復習サイクルが学習初期の4~8月の間にできていると、主要科目の基本的な知識も強固になるし、何より9月からの講義をより楽に、効果的に受講できるよ。
7月・8月・9月から翌年の試験の合格を目指す場合【学習期間:約1年】
社労士受験の学習開始時期としてスタンダードなタイプです。約1年をかけて学習をしていくにあたり「月ごと、曜日ごとにどのようなスケジュールをたてるのか?」を意識し、着実にそれを遂行できる方が合格者に多いです。「総合本科生Basic」「総合本科生Basic+Plus」「総合本科生」「総合本科生Plus」等TACでは多くの初学者向けコースをこの時期から開講しております。
さすがに、1~6月から早期に学習を開始する人に比べると時間に余裕が無くなってきますね。「月ごと、曜日ごとにどのようなスケジュールをたてるのか?」を考えるのが重要と書いてあります。
1年間365日のうち、休息日(完全に勉強をしない日)を「45日」設定すると、残りが「320日」になる。
合格に必要な学習時間800時間とし、それを320日で割ると、1日に2時間半を勉強に費やさなければならないことになる。
もちろんこれは例えばの話になるけれど、この1日2時間半をいかに有効に活用するかが学習成功の秘訣なんだ。
TACの講座を申込みしている人なら、毎週2時間半の講義が2コマ(2回)ありますよね。それも踏まえて学習スケジュールを組んでいくということでしょうか?
そういうことになるね。
TACのコースで、例えば平日夜のクラス(月・木クラス)を申込みしている人なら以下のようなスケジュールの組み方が考えられる。
- 月曜日 →TACの講義を受講(2時間半)
- 火曜日 →月曜日の講義の復習(2時間半)
- 水曜日 →月曜日の講義の復習および木曜日の講義の予習(2時間半)
- 木曜日 →TACの講義を受講(2時間半)
- 金曜日 →木曜日の講義を復習(2時間半)
- 土曜日 →休息日 (学習が進んでいない場合はこの日を学習時間にあてる)
- 日曜日 →木曜日の講義の復習および、次回月曜日の講義の予習(2時間半)
⇒一週間あたりの学習時間合計:15時間
あらかじめ、どの曜日にどのような学習をするのかを決めておいたほうが良いということですか?
それももちろん決めておいたほうが良いけど、社会保険労務士試験を受験する人のほとんどは社会人。毎週決まった学習時間を捻出するのが難しい人もいる。
なので、「絶対この曜日に、これだけの時間を学習する!」というのに拘らず、
「昨日は1時間半しか勉強できなかったから、明日は3時間半勉強しよう。」
「1週間あたりの学習時間が確保できなさそうなので、休息日を学習時間に充てよう。」
など柔軟に対応していったほうが良い。
1日あたりの学習時間と、1週間の学習時間、1か月の学習時間とそれぞれ目標をたてておき、学習進捗度によって適宜調整していくのが大事なんですね!
10月・11月・12月から翌年の試験の合格を目指す場合【学習期間:約9か月】
初めて社労士の学習をする「初学者」の方と、8月の試験の結果を受けて、翌年の試験合格を確実なものにする「受験経験者」の方が混在する時期です。どちらにも共通していえるのが、早期から問題演習を絡めた学習を取り入れ、本試験対策を抜かりなく行う方が合格を勝ち取っています。初学者・受験経験者どちらにも対応しているスタンダードコース「総合本科生」「総合本科生Plus」の他、受験経験者専用の「上級本科生」「上級演習本科生」の開講時期でもあります。また、Web専用コース「スマートWeb本科生」のほか、冬になると「速修本科生」でも学習開始できます。
ここでは「復習」について。
「復習」ってどのような学習をイメージしているかな?
前回の講義の範囲のテキストを読み返してみたり・・・とかですか?
確かに復習において、テキスト(基本書)の通読は有効だけど、それだけではなくぜひ問題を解くということにもチャレンジしてほしい。
ことに、10月~12月から学習開始される人は、復習で問題を解くということを習慣付けてほしいんだ。
復習をするにあたり、問題を解くことのメリットはどういうものがあるのですか?
メリットとしては、
①「様々な角度から出題される」問題に対して早期から慣れることができる。
②問題を解く際の時間配分の感覚を身に付けることができる。
③知識の定着を促進できる。
の3つかな。
その3つのメリットについてもう少し詳しく教えてください!
一つ目の「様々な角度から出題される」問題に対して早期から慣れることができる。
というのは、問題は必ずしも条文や通達の通りに出題されないということを意味する。本来は基本的な知識だけで解ける問題であっても、複雑な言い回しや、事例形式の出題で、難しく感じてしまうこともある。そのようなことに対応するためにも、問題演習を通じて日々トレーニングをしておく必要があるんだ。
二つ目の問題を解く際の時間配分の感覚を身に付けることができる。
というのは、当然のことではあるんだけど、あらゆる試験には「試験時間」がある。社労士の択一式試験の試験時間は3時間半(210分)で、1問あたり「3分以内」に問題を解かないと全問解答できない。限られた試験時間でなるべく早く問題を解くためにも、普段から問題演習に慣れて、問題を解くスピードを上げておく必要がある。
三つ目の知識の定着を促進できる。
だけど、これが一番重要なことだね。
テキストの通読だけで得た知識だと、実際の試験問題との知識差(ギャップ)で、正答するのが難しくなる。そこで問題演習を通して学習していき、そこで間違えた問題をテキストにたちかえって復習するというサイクルを繰り返すことによって、知識差(ギャップ)を埋めることができる。そうなれば、実際の試験に対応できる解答力を身に付けることができるんだ。
問題演習をするということは非常に大事ということですね。ありがとうございました。
1月・2月・3月から今年の試験の合格を目指す場合【学習期間:約6か月】
短期集中がキーワードです。学習時間の確保は難しいものの、各科目の重要ポイントを中心に学習を進め、多くの問題演習をこなすことによって短期での知識定着を図ることができます。何としても今年の合格を目指すという熱意のある方でしたら合格レベルに到達することも可能です。短期集中コースの「速修本科生」、アウトプット中心の受験経験者専用コース「答練本科生」が合格への道をサポートします。
「学習期間:約6か月」というのはかなり短い気がします。本当にこれだけで合格ができるのでしょうか?
確かに色々な工夫を凝らして「効率的」に「集中」して学習していく必要があるけど、決して合格に不可能なわけではない。
①1日あたり、1週間あたりに捻出できる学習時間を想定する
②どの曜日にどのような学習をするのか明確に目標だてる
③基本的事項から確実に知識を習得する。
これを心がけていけば、合格できる可能性は十分にある。キーワードは短期集中だね。
かなりきつい学習になるかもしれませんね。短期集中の学習でうまくいくコツはあるのでしょうか。
「ムダなことはしない」これに尽きると思う。短期集中ということは短い学習期間で密度の高い学習をしなければならないわけで、無駄を省いた学習を展開する必要になる。
例えば、TACから配布された教材の他に、市販の問題集を購入して勉強するという人もいるけれども、この学習期間の人はあまりオススメしない。TACの教材をこなすだけで精いっぱいになると思うから、まずはTACの教材から確実に触れていくことが大事だ。
あと、やはりインプットとアウトプットの両方を取り入れた学習をしていくことも重要だ。テキストを読み、TACの講義を受講して(インプット)、過去問題集等で知識が定着しているか確認する(アウトプット)というサイクルを1週間のうちに繰り返すこと。これを早い段階からやっておくことが合格可能性を上げることになる。
「この科目の知識はまだしっかり定着していないから、問題演習をするのはもう少し後にしておこう・・・」と考えるのでなく、講義でインプットした知識は、すぐに問題集等で定着させるということを心がけてほしい。
この時期から8月の試験の合格を目指す方は、何かと忙しくなりそうですね。
ただ見方を変えてみれば、学習期間が短いということは、それだけ他の人よりも苦労する期間が短いととることもできる。それに「時間が無い」という事実が、かえって勉強に集中させる環境を作り上げることもあるから、一概に学習期間が短いのが不利とは言えないのではないかな?
ちゃんと約6か月の中で戦略立てて学習すれば、合格レベルに達することも決して不可能では無いと思う。
色々な学習期間別のお話しを聞かせていただいてありがとうございました!
少ない勉強時間で社会保険労務士(社労士)に合格するための4つのポイント
働きながらの勉強なのであまり学習時間を割くことができないのですが、それでも合格するためにはどうすればいいですか?
会沢さん
社城先生
国家資格の合格を目指すには「受験勉強時間をいかに有効に使うか」という点が最も重要であり、それは社労士資格においても例外ではない。より短時間の勉強で社労士試験をパスするためのポイントを4点、まとめてみた。
1.満点を目指さない
多くの科目が出題される社労士試験では、科目ごとにそれぞれの「合格基準点」が設定されています。たとえほとんどの科目が満点であっても、1科目だけが合格点に達していなければ不合格になる決まりです。
すなわち、科目ごとに約70%の正解率であれば合格可能で、満点を目指す必要ありません。各科目を均等に最低70%以上は正解することを目標に置いて勉強することが効率的な学習方法だといえるでしょう。
2.勉強する項目を絞り込む
出題科目が多いということは、効率のよい学習のためには、より出題されやすい問題を絞り込んで勉強することが重要な学習ポイントの一つといってよいでしょう。過去問題から各科目の出題傾向を調べ、特に重要度が高いと思われる問題の解答をしっかり記憶することが大切です。
3.スキマ時間を有効活用する
暗記が必要な箇所は、机に向かってする学習時間とは別に、通退勤時の移動時間に電車やバスなど乗り物の中でスマートフォンやタブレットなどを用いて暗記する時間にあてることも有効です。また、会社内でも休憩時間など空いた時間を効率よく学習のために使う工夫をしてみましょう。
4.通信講座・予備校を利用する
学習時間をできるだけ短縮するための堅実な手段は、やはり通信講座を受講するか、あるいは受験対策コースがある予備校などに通う方法でしょう。特に初めての受験者にとっては、これらの機関や施設は対象試験対策の学習カリキュラムや合格ノウハウがすでに何年分も蓄積されているため、より効率よく学習できて合格までの着実な近道といえます。
合格者アンケートから考える、入門・基礎期と直前期の学習時間
一週間あたりの学習時間について
学習にあたって一週間あたりの学習時間はどれくらい必要なのでしょうか?ここでは「2020年度 TAC社会保険労務士講座 合格者アンケート」から合格者の方々の入門・基礎期と直前期の学習期間をまとめてみました。ぜひ参考にしてみていただければ幸いです。
各学習時間については合格者アンケートにご回答いただいた330名の内の割合(パーセンテージ)を表示しています。
入門・基礎期はだいたい学習開始から試験年度の4月までの期間のことですね。
入門期については、勉強の習慣をつけることが必要だから、そこまで重い負荷をかける必要は無い。TACの講座を受講していれば、1コマ2時間半の講義が、週2回あるわけだから、上記の学習時間に【2時間半×2回=5時間】を含める。円グラフでは、1週間あたり10~25時間の学習をしていた人が6割を超えているので、TACの講義を受講していたのを加味して、少なくとも週5時間、多くて週20時間の自習(予習・復習)をしていたことになる。
入門期は、1日1時間ぐらいの学習で勉強の習慣をつけていき、基礎期で1日2時間~3時間の学習を繰り返していくというサイクルですね。
そういうことだね。あと、ある程度の学習時間はもちろん必要だけど、時間の長さより密度を意識した学習を心がけてほしい。ただ漫然とテキストを読むだけ、問題を解くだけで終わらないでほしいんだ。この期間に密度の高い学習を習慣付けておけば、直前期へつなげやすくなるから。
その直前期ですが、週40時間以上学習している方が一番割合が高いですね・・・。TACの講義時間の【2時間半×2回=5時間】を除いても、1日5時間以上学習している計算です。相当ハードに感じます。
一応「TACの」カリキュラムに沿った直前期は5月~8月だけど、言葉の定義は人それぞれ。例えば本試験の1か月前を直前期と定義している人もいるわけで、5月~8月までずっと1日5時間勉強しなければいけないという意味ではないから、安心して。
それを聞いて少しホッとしました。
グラフをみてみると、週に20~25時間の学習の人も25%と次いで高い。直前期のラストスパートに、通常より時間を使った学習をするのも時には必要だけど、学習ペースを入門・基礎期から乱さずに継続している人も多くいるんだ。結局のところ自分の生活にあった1日あたり、1週間あたり学習時間を見つけて、着実にこなしていくのが、無理なく合格を目指す道になると感じるね。
合格者の声を聞いてみよう
これまで学習期間別の学習についてと、1週間あたりの学習について解説していただきありがとうございました!
私の解説を参考にしてもらうのも大いにありがたいんだけど、より身近に合格に必要な学習をイメージできるものがある。それは合格者の体験記を読むことだ。どの時期に、どのような学習をしていたかが分かるし、どのようなことに悩み、克服していったかも書いてある。絶対に参考になると思うよ!
確かにそれは参考になりますね!合格体験記を見る方法はあるのですか?
TACのホームページから見れるよ。以下に合格体験記ページのリンクを設置したので、ぜひ見てほしい。勉強のイメージがしやすくなるし、やる気もでてくるはずだ。
ぜひ頑張って!
これから頑張っていこうと思います。改めて今日はありがとうございました!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
社会保険労務士試験について「合格者の学習体験談について知りたい」という方は次のページもご参考になさってください。
<Powered by TAC社会保険労務士講座>
注目!いまオススメの試験対策
早割キャンペーン 実施中!
長年の指導ノウハウを凝縮したTACのスタンダードコース。基本知識から応用まで効率よく学習し、合格に必要な実力が十分に身につく!
★早割キャンペーン第3弾 11/30(土)まで!
デジタルパンフレットを閲覧する
紙と同じ内容のパンフレットを、パソコンやスマートフォンから、郵送を待たずにいますぐご覧いただけます。
お申込いただいた場合、個人情報の取り扱いにご同意いただいたものとして取り扱わせていただきます。
社会保険労務士についてもっと知ろう!
社労士について知る
社会保険労務士になるには、例年8月下旬に行われる「社会保険労務士試験」に合格することが必要です。ここでは受験の申込から合格後の流れまでを解説していきます。 続きを読む »
社会保険労務士の仕事は大きく3つに分けることができます。労働問題が世間をにぎわせている昨今、労務面から経営上の問題点を指摘し、改善策を助言するコンサルタント能力を持った社会保険労務士が求められてきています。 続きを読む »
社労士(社会保険労務士)は、仕事と勤務形態の幅が広い人気の国家資格です。それでは実際に、社労士の平均年収はどれくらいなのでしょうか?ここでは、社労士の平均年収と稼げる社労士のスキルについて解説しています。資格取得を目指している人は、ぜひ参考にしてください。 続きを読む »
社労士試験について知る
社会保険労務士の試験は「選択式」と「択一式」の二つの試験形式があり、大小ふくめて10科目が出題されます。 ここでは社会保険労務士の試験形式と出題科目について詳しくみていきましょう! 続きを読む »
この記事では、社労士試験の合格率や合格率が低い要因などを解説します。独学でも合格は可能かどうかや合格するためのポイントまでまとめました。 続きを読む »
社労士試験の難易度が高い理由と合格のためのポイントを詳しく解説
この記事では、社労士試験の概要や難易度を高めている要因、効果的に勉強するコツなどを解説します。自分に合った対策方法を見つけてみましょう。 続きを読む »
合格率は年によって増減はしますが、約6%~7%で推移しています。「10名が受験をして1名が合格できるか?」という大変厳しい合格率ですが、このような低い合格率には理由があります。ここではそちらについて触れていきます。 続きを読む »
社労士試験の学習について知る
計画的な対策が必要となる社会保険労務士試験では、過去問を利用して出題傾向や今の自分の実力を把握しておくことが欠かせません。
本記事では、社労士試験過去問題集の種類や活用方法、合格に向けた勉強方法のポイント、正答率などをわかりやすく解説します。
続きを読む »
社労士は独学でも合格できるの?問題集の選び方や勉強方法をご紹介!
社労士の資格を取得したいものの、独学でも合格できるのか不安に感じる方も多いでしょう。ここでは、社労士は独学でも合格できるのかについて解説します。
教材の選び方や勉強方法も紹介するので、独学で社労士の資格取得を目指す方は参考にしてください。
続きを読む »
一般的に、社労士試験合格のための勉強時間は800時間前後といわれており(個人差はあります)、勉強を開始した時期が早ければ早いほど、合格する確率も高くなる傾向があります。ここでは学習開始時期別の勉強の進め方について解説します。 続きを読む »
社労士とのダブルライセンスで、さらに上を目指す
社会保険労務士は、FP資格を取得した次のステップとしてチャレンジするのにオススメの資格のひとつです。ダブルライセンスにおすすめの2つ資格を、学習面・実務面でのアドバンテージを挙げながら説明します。 続きを読む »
社会保険労務士の資格を取得するなら、併せて行政書士の資格も取得しておくと業務の幅が広がります。扱う分野の異なる2つの資格ですが、ダブルライセンスを目指すとどのようなメリットがあるのでしょうか。 続きを読む »
社会保険労務士の資格を取得するなら、併せて中小企業診断士の資格取得も目指してみてはいかがでしょうか。ダブルライセンスのメリットや、どんな方にオススメかを解説します。 続きを読む »