社労士試験の難易度は高い?
難易度が高い理由と合格のためのポイントを詳しく解説
社会保険労務士試験は難易度が高いとされる国家資格の1つで、合格するためには計画的に対策を進める必要があります。社会保険労務士試験の令和6年度の合格率は6.9%で、ここ近年は合格率が6%台で推移している試験です。
社労士試験の概要や難易度を高めている要因、効果的に勉強するコツなどを知って、自分に合った対策方法を見つけてみましょう。
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社労士試験は難易度が高い?
社労士試験の合格率は6~7%程度で推移しており、数ある法律系の資格試験のなかでも難易度が高いとされています。行政書士や宅建試験の合格率が10%程度またはそれ以上である点からも、社労士試験の難易度が伺えるでしょう。
一朝一夕で対策できる資格ではないため、社労士試験の合格を目指す場合は、スケジュールに余裕を持って計画的に対策を進める必要があります。
社労士試験合格ライン
平成12年度以降の社労士試験に関しては、厚生労働省によって合格点の目安が次のように定められています。
●選択式試験:総得点40点中28点以上、かつ各科目5点中3点以上
●択一式試験:総得点70点中49点以上、かつ各科目10点中4点以上
試験問題の難易度が毎年異なるため、上記の基準を参考にしながら合格ラインが設定される仕組みです。社労士試験全体の合格ラインの目安としては、6~7割程度を正答する必要があると覚えておきましょう。
社労士試験の概要
社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づく国家資格です。企業活動における労務管理や人事問題に携わる専門家として、労働関係や社会保障関係の知識を駆使して活躍します。
社労士試験は毎年8月の第4日曜日に実施されます。試験内容は筆記試験のみで構成されており、口頭試験はありません。マークシート形式で出題された内容に解答していきます。
しかし、記述試験や口頭試験がないからといって、社労士試験の難易度が低いとは言い切れません。目安となる勉強時間を確実に確保して、試験当日に向けた準備を進めていきましょう。
試験内容
社労士試験の主な出題範囲は、以下のとおりです。
●労働基準法及び労働安全衛生法
●労働者災害補償保険法
●雇用保険法
●労務管理その他の労働に関する一般常識
●社会保険に関する一般常識
●健康保険法
●厚生年金保険法
●国民年金法
マークシート形式の択一式問題と選択式問題で構成されています。択一式問題とは、5つの選択肢のなかから適切な回答を選ぶ形式です。
一方の選択式問題は、問題文の穴埋め部分に当てはまるキーワード・数値を、複数の選択肢のなかから選びます。択一式問題と比べると、トピックに関する深い知識が問われる傾向があるでしょう。
必要な勉強時間
社労士試験に合格するために必要な勉強時間は、約800〜1,000時間です。勉強期間にすると、1年程度はみておく必要があるでしょう。
しかし、1年で試験対策をすべて終えるには、毎日3時間程度の勉強時間を確保しなければなりません。働きながら社労士試験の準備を進める場合は、1年以上の余裕を持ったスケジュールを組むのをおすすめします。
社労士試験の難易度が高いと言われている理由
社労士試験の難易度が高いとされているのは、以下の4つの理由からです。
●試験範囲が広い
●科目ごとに合格基準点がある
●選択式試験で難問が出題される
●法改正が多い
社労士試験の難しさを認識しておくことで、攻略の方法を検討しやすくなるでしょう。
試験範囲が広い
社労士試験の試験範囲の広さが、合格の難易度を上げている要因の1つです。科目ごとの広範囲にわたる知識をバランスよく修得する必要があるため、短期間の対策では対応が難しいでしょう。
科目ごとの出題傾向を把握するだけでも、かなりの時間がかかってしまうのが事実です。まずは対策範囲の概要をつかみ、効率よく勉強する方法や順番を検討してみてください。
科目ごとに合格基準点がある
社労士試験は科目ごとに合格点が設定されており、1つでも基準を下回ってしまった場合は合格とみなされません。苦手分野があっても、手を抜かずに対策しなければならない難しさがあります。
他の資格試験では不合格になった科目のみを再受験すればよい、科目合格制度が採用されているケースも多いです。しかし社労士試験の場合は、1度の試験ですべての科目の基準点をクリアしなければならないため、一発合格を目指して対策を進める必要があるでしょう。
選択式試験で難問が出題される
選択式問題では、択一式問題よりも内容を深堀した知識が要求されます。幅広い出題範囲に対応するために、テーマごとの理解が不足してしまっている場合は、選択式問題に苦戦してしまうでしょう。
問題数が多くないとはいえ、選択式問題を苦手にしてしまうと合格が難しくなります。出題形式ごとに、バランスよく対策を進める努力が欠かせません。
法改正が多い
社労士は法律や国の制度に基づいた知識が求められる職種であるため、資格試験の内容も法改正に基づいて頻繁にアップデートされます。古いテキストや過去問題集に頼っていると、いざ試験に臨んだ場合に法改正の内容に付いていけない可能性があります。
4月の時点で発表される法改正の内容は、同年の社労士試験の出題範囲に含まれます。ニュースや関連情報を敏感にキャッチしながら、社労士試験の準備を進めるようにしましょう。
社労士試験に合格するためのポイント
社労士試験に合格するために心掛けたい4つのポイントは、次のとおりです。
●自分にあった教材を選ぶ
●過去問と出題予想も兼ねた問題集を併用する
●過去問題を繰り返し解く
●予備校を利用する
広い出題範囲を攻略するためには、自分なりの対策方法を確立することが大事です。
自分にあった教材を選ぶ
難易度が高い社労士試験の対策を効果的に進めるためには、まず自分に合った教材探しから始めましょう。テキストや問題集によって、掲載されている項目の順番や解説の丁寧さなどが異なります。
できれば実際に手に取って内容を確認し、勉強を進めやすいと感じられる教材を選びましょう。ある程度法律関連の知識がある場合は発展的な内容を含んだテキスト、いちから勉強を始める場合は解説が充実しているテキストなど、レベルに合わせた選び方も大事です。
過去問と予想問題集を併用する
問題の出題傾向を知るためには、過去問題集を使った対策が欠かせません。実際に時間を計って問題に取り組めば、今の自分の対策進度を知る手がかりとなるでしょう。
また、時事問題や法改正に関する問題をカバーするためには、出題予想も兼ねた問題集を活用するのがおすすめです。両者をうまく組み合わせて、関連知識の総合的な理解度を高められるようにしましょう。
過去問題を繰り返し解く
過去問題は同じような形式の問題が再出題されることも多いため、10年分程度を繰り返し解き理解を深めておくとよいでしょう。正答できなかった問題を放置するのではなく、新しい知識を得られるチャンスだと捉えて理解できるまで解説を読むようにします。
何度も繰り返し過去問題に取り組むことで、知識の整理ができるうえに、問題の出題傾向がつかめるのがメリットです。
予備校を利用する
社労士試験を独学で突破するのも不可能ではありませんが、効率的に勉強を進めたい場合は予備校の利用がおすすめです。理解しやすい流れでカリキュラムが組まれているため、初心者でも無理なく勉強を進められます。
また、他の受講生と切磋琢磨しながら授業を受ければ、モチベーションの維持にも効果が期待できるでしょう。TACの社会保険労務士コースでは、自分のレベルに合わせたコース選択が可能です。
独学に不安が残る場合は、知識とノウハウが豊富な予備校の利用を検討してみてください。
適切な対策をして社労士試験に合格しよう
企業が健全な職場環境を保つためのサポートをする社会保険労務士になるには、難関試験を突破する必要があります。広い試験範囲を効率的に対策するためには、試験の概要と自分のレベルを正しく知ることが大事です。
できるだけ早く自分に合った勉強方法を見つけて、効果的に対策を実施できるようにしましょう。
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