現役官僚インタビュー 環境省
世の中の多様な課題に「環境」という視点でアプローチ
庄司 友さん
Tomo Shoji 大臣官房秘書課 人材育成専門官
入省後の略歴と職務内容
・2016年 環境省に入省。総合政策局環境保健部企画管理課(当時)に配属。
公害健康被害対策を担当している部において、総括業務(国会対応等)を担当。
・2017年 地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室(当時)に異動。
(2018年から大臣官房環境経済課 併任)
カーボンプライシング(炭素税、排出量取引制度)の制度検討を担当。
・2020年 自然環境局総務課に異動。
生物多様性保全に関する各種業務を所管する局において、法令審査等を担当。
・2022年 大臣官房総務課に異動。(大臣官房秘書課 併任)
環境省所管法令の審査や、総合職事務系の新卒採用業務を担当。
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
東日本大震災の後に大学生活をしている中で、日本の持続可能な経済社会づくりに関心を持ち、NPOでのインターンや地域ベンチャー企業でのアルバイト等を通じて、持続可能な経済社会づくりの方策の一つとして、地域資源としての再生可能エネルギーを地域の方々で議論した上で導入し、同時に地域にも経済的・社会的な便益があるような地域資源の有効活用が広がっていくことが重要だと感じました。
そのような動きに持続的に携われる職業を探す中で、ルールの整備や、各種支援事業の企画、現場への出向等の幅広いツールを持つ、国家公務員総合職に興味を持ち、説明会等や官庁訪問を通じて、自分のやりたいことに合っていると感じた環境省に入省しました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
カーボンニュートラルの達成に向け、重要な政策の一つである、カーボンプライシングの制度検討です。幅広い論点があるため、ファクトを集めて公開の場(審議会等)で検討するだけではなく、企業や業界団体、学識経験者の方々とも密に議論させていただきながら検討を進めたことは、霞ヶ関の仕事の持つウィングの広さ・影響の深さを感じるとともに、様々な所に足を運んで意見を聴くことの重要性を強く認識しました。
私の担当時には制度の導入には繋がりませんでしたが、それ以降も検討は続けられて、現在の政権においても重要な政策テーマの一つになっています。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
ますます人類への影響が強くなることが予想される地球温暖化対策には、継続的に携わりたいと思います。今後、国際的な動向では、更なる取組の強化が求められ、国内でも様々な技術開発や制度改正が行われるであろう中、日本の将来に必要なことからバックキャストをしながら、他の経済的・社会的課題の解決にも繋がるような地球温暖化対策を、様々な立場の方々と議論・相談しながら、作っていきたいです。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
就職活動は、自分と向き合う、という、学生生活では普通経験しないことをしながら、幅広い選択肢の中から職場を見つける“マッチング”であり、心身ともにしんどいものだと思います。我々のような若者は定年まで同じ職業につく時代ではないでしょうし、霞ヶ関は相変わらず激務でブラックだとは言われますが、それでも、国家公務員は、常に様々な課題がある中で、多様なバックグラウンドの方々と議論しながら、社会の土台づくりをする、重要で、魅力的で、その分タフな仕事だと思います。
その中で、環境行政は、ここでは書き切れないほど、幅が広く、奥が深い分野であり、ますます重要度が増していく分野だと強く思っていますので、ぜひ、環境省の説明会等に足を運んでいただけたら大変嬉しいです。ウィズコロナの就職活動は大変かと思いますが、皆さんに良いマッチングがあることを願っています。