現役官僚インタビュー 外務省
激動の世界で、日本を体現
大西 生吹さん
Ibuki Onishi 大臣官房人事課 課長補佐
入省後の略歴と職務内容
・2013年 外務省入省。アジア大洋州局北東アジア課
韓国・北朝鮮に関する外交政策の一端を担いつつ、政策企画立案の基礎を習得
・2015年 フランスで在外研修
ストラスブール政治学院、国立行政学院/パリ・ソルボンヌ大学を修了(修士号)
・2017年 在フランス日本大使館
日仏政治・安全保障関係、アジア太平洋地域に対するフランスの外交政策、フランス内政を担当
・2019年 総合外交政策局国連政策課
政策班長として、政治分野における国連・安保理に関する外交政策を担当
・2021年 大臣官房人事課
採用業務等を担当
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
自分が人生を全うする時には自分が生まれた時以上に平和で安全で繁栄した日本と世界が見たい ― この想いを常に胸に抱いてきた私は学生時代、国際政治を中心に学び、国家間関係の複雑さと奥深さに惹かれるとともに、良好な国際環境や望ましい国際秩序の形成を目指す「外交」に無限の可能性と魅力を感じるようになりました。一度しかない人生を何に捧げるか考える中で、国際化が進む21世紀の広い世界に身を投じ、日の丸を背負いつつ、多様な国際課題に挑み続けたいとの想いを固め、外務省でのキャリアを志すに至りました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
パリの日本大使館での勤務を通して、インド太平洋地域における日仏協力強化に奔走したことです。マクロン大統領就任から間もないタイミングで大使館の政務部に着任した私は、新しい政権によるフランス外交の趨勢を見極めつつ、フランス外務省だけでなく軍事省や大統領府、国会議員・政党関係者、さらには同じくパリに駐在する有志国等の外交官達との日頃の意思疎通や信頼関係構築に尽力してきました。外務・防衛閣僚会合実施、物品役務相互提供協定の署名、包括的海洋対話の立ち上げ、太平洋・島サミット等での連携といった成果に僅かながらも携わることができ、様々な関係者と目標を共有、達成していく喜びや難しさを感じた経験の一つです。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
外交は、安全保障、経済、国際法、開発協力、地球規模課題対応、広報文化等、決して単純化できない広範な国家間関係を扱う仕事であり、相手にする国・地域にはそれぞれ異なる文化、歴史、習慣、国民性が存在します。今後も、これまで扱ったことのない分野や地域に関与することで、新しい世界に飛び込み続け、貪欲に学び、視野を広げていきたいです。その上で、激動する国際情勢に単に適応していくだけではなく、能動的かつ主体的に日本と世界のあるべき姿を構想し実現していく外務公務員・外交官になりたいと思います。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
「外交」と聞くと、スケールの大きいどこか遠い世界の話のように思われるかもしれませんが、それを担っているのは紛れもない一人一人の外務省員です。彼らが、霞ヶ関そして世界中で、全身全霊、日本を代表し、大きな使命感を胸に日々の業務にあたっています。そこには単なる「国際的な仕事」という枠には収まらない魅力と経験が待っています。
自分の人生を切り拓くのは自分自身です。活躍の幅を広げるのも、将来の可能性を自ら消すのも、皆さん次第です。人生を通して何を成し遂げたいか悩み抜いた先に、世界で日本を代表し未知の課題にチャレンジし続けたいとの想いがあるのであれば、ぜひ外務省の扉を叩いてみてください。