現役官僚インタビュー 防衛省
人を守り、時代を担う ~歴史の当事者として~
安田 侑樹さん
Yuki Yasuda 防衛省大臣官房秘書課部員(課長補佐)
入省後の略歴と職務内容
・2012年 運用企画局国際協力課
PKOを始めとする自衛隊の海外オペレーションや、海外における邦人拘束事件への対応に従事。
・2013年 大臣官房秘書課
全国の大学等で、防衛省の魅力を発信。
・2014年 大臣官房秘書課付
防衛研究所での防衛理論研修や集中的な語学研修を実施。
・2014年 東部方面総監部(陸上自衛隊の司令部)
自衛官と共に働き、災害派遣や日米共同訓練の現場を体験。
・2015年 防衛政策局防衛政策課
平和安全法制の成立、北朝鮮による核実験・ミサイル発射への対応。
・2016年 米国大学院留学(国際関係論修士)
教授のほか、各国の軍人や外交官を含む多様な学生と、学術的かつ実践的理論を探求。
・2018年 外務省国際法局国際法課(出向)
安全保障上の課題について、国際法の観点から検討を実施。
・2020年 防衛政策局国際政策課
諸外国との防衛協力の制度的基盤を構築。条約交渉から国内法作成まで。
・2022年 大臣官房秘書課
現職
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
先人たちが紡いできた日本は、自由と平和を長く享受することができました。そんな中、東アジアの情勢が緊迫化しているという報道を見るにつけ、これから荒波を迎えうつ日本丸の舵取りを自分自身でしていきたい、そして、日本の歴史や文化を後世に引き継いでいきたいという想いを強くしました。また、「働く」ことをイメージした際、一生を懸けるに値するフィールドで、自分の力を試していきたいとの想いを強くしました。これらの交わる先に、防衛省がありました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
入省9年目、豪州や欧州諸国との防衛協力を深化させる業務に従事しました。具体的には、お互いの部隊の活動を円滑に実施できるよう、国際協定を作る交渉に参加しつつ、こうした協定の内容を国内で実行させるための法律、規則の作成を行いました。日本の国益を最大化するため、陸・海・空自衛官の方と頻繁に協議をしながら防衛省としての方針を決定し、関係省庁と協力をして相手国に打ち込んでいきましたが、これが「円滑化協定」として日本と豪州の間で署名に至った際は、感慨もひとしおでした。日本とこれらの国の防衛協力はかつてないほど深まっていますが、まさにそれを象徴する瞬間に携われたことは、静かな誇りです。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
一口に安全保障といっても、様々な要素から成り立っています。防衛省の政策分野を分解してみれば、インテリジェンス、防衛力整備、同盟管理、安全保障協力、装備行政、部隊のオペレーション、地元の協力確保、自衛官の処遇改善等々多岐にわたります。日本のあるべき姿を描き、必要な防衛力をつけ、日本の国家意思を示していく、こうした安全保障の営みを、しっかりと担っていきたいと考えています。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
安全保障や国防というと、どこか自分とは違う世界の出来事だと思うかもしれません。しかし、これらの本質は、身近な人を守り、当たり前の日常を守るという素朴で純粋な感情なのではないでしょうか。同時に、安全保障や国防は、混沌とした国際情勢の中で、自由で平和な日本の歴史と伝統を守り抜き、次の世代に託していくという壮大な営みでもあります。日本が直面する安全保障上の課題は、多様化・複雑化の一途にあります。だからこそ、熱意ある皆さんと、一緒に立ち向かっていかねばなりません。防衛省は、仕事のフィールドが拡大していることはもちろん、個人として成長する機会が存分にあります。仕事にお金をもらう以上の「何か」を探している学生の方は、是非一度防衛省の説明会に足を運んでみてください。