行政書士試験問題│過去問の活用法と合格に向けた勉強のコツを解説
行政書士の試験に合格して資格を取得するためには、試験問題の内容や範囲を理解することが必要です。さらに、過去問を解くなど効果的に勉強するのがいいでしょう。
行政書士試験の過去問の活用方法や勉強時間の目安、合格に向けた勉強のコツなどを解説します。
行政書士試験の出題形式と出題分野
行政書士の試験問題の内容は多岐にわたっており、範囲が広いため、効率的に勉強するためには、試験問題の概要を知ることが必要です。試験問題の出題形式は3種類、試験問題の内容は2種類に分けられます。
出題形式や試験問題の内容の詳細、問題の数などについて解説しましょう。
参考:https://www.tac-school.co.jp/kouza_gyosei/gyosei_sk_idx.html
行政書士試験の出題形式は3つ
行政書士試験の出題形式は、5肢択一式、多肢選択式、記述式の3種類あります。5肢択一式は5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶ形式、多肢選択式は20個の選択肢の中から正解を4つ選ぶ形式です。
記述式は、40文字程度で解答を記述する形式になっており、問いに対する的確な理解が求められます。試験時間はトータルで3時間なので、ペース配分を考える必要もあるでしょう。
行政書士試験の出題分野は2種類にわかれる
行政書士試験の出題分野は、大きく以下の2種類に分かれます。
- 行政書士の業務に関し必要な法令等
- 行政書士の業務に関し必要な基礎知識
※行政書士の業務に関連する一般知識等(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)が、令和6年度 行政書士試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)になる旨が試験センターより発表されています。
それぞれの試験内容の詳細や勉強方法について解説しましょう。
1.行政書士の業務に関し必要な法令等
法令の問題は、行政書士の仕事との関連性の高い法律についての問題が出題されます。法令の問題はさらに5つに分かれており、その内訳は基礎法学、憲法、行政法、民法、商法・会社法です。
基本法学からは、法律に基礎知識に関する5肢択一式が2問出題されます。範囲が広いわりに問題数が少ないため、テキストや過去問で基礎知識を確認しておくといいでしょう。
憲法は5肢択一式5問、多肢選択式1問という配分です。他の問題と比べると、簡単な問題が出題される傾向にあるため、確実に正解しておきたい科目といえます。
行政法からは、5肢択一式19問、多肢択一式2問、記述式1問が出題され、問題数が多いため、重要科目といえるでしょう。行政法の問題では、条文の詳細の知識を中心に、基本判例の知識も問われます。過去問を繰り返し解くことで、条文や判例の内容の理解を目指すといいでしょう。
民法からは、5肢択一式が9問、記述式が2問出題されます。
民法の問題は長文の事例が多く、読解力を求められるため、長文問題を数多く解くことが必要です。
商法・会社法からは、5肢択一式が5問出題されます。内訳は商法1問、会社法4問です。いずれも条文から出題される傾向があるため、過去問を参考にして学習することをおすすめします。
2.行政書士の業務に関し必要な基礎知識
従来の「行政書士の業務に関連する一般知識等」(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)が、令和6年度 行政書士試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)となる旨が試験センターより発表されています。
基礎知識の問題は、すべて5肢択一式で14問出題されます。基礎知識は、一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解という4つの分野に分かれています。
情報通信・個人情報保護の分野では、インターネット用語や個人情報保護法の知識が必要です。過去問を活用して重要用語の理解を深めるといいでしょう。
文章理解は、文章の並べ替え、空欄の補充が中心です。簡単な問題が多く、確実に正解しておきたい科目といえるでしょう。
行政書士試験の合格率と勉強時間の目安
行政書士試験に合格するのは簡単ではありませんが、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士などの試験と比較すると、そこまで難易度は高くありません。法律の知識がほとんどないところからスタートしても、計画を立ててしっかり学習すれば、1年程度で合格ラインに到達できます。
行政書士試験の合格率の推移と、合格するために必要な勉強時間の目安を解説しましょう。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf
行政書士試験の合格率は10~12%程度
行政書士試験の合格率は、平成25年度から令和5年度までの10年間を見ていくと、10~12%程度で推移しています。この10年でもっとも低かったのは平成26年度の8.27%、高かったのは平成29年度の15.72%です。
しかし、直近の3年間は10%台から12%台の範囲に収まっています。つまり、合格者は10人に1人くらいの割合といえるでしょう。
合格基準点は、法令などの得点が244点中5割にあたる122点以上、一般知識が56点中4割にあたる24点以上、試験トータルの得点が300点中6割にあたる180点以上です。不得意科目を作らないようにして、ムラなく得点する必要があります。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/basis.pdf
行政書士合格に必要な勉強時間は600~1,000時間程度
行政書士試験に合格するために必要な勉強時間は、スクールを利用する場合と独学で勉強する場合とで異なります。また、法律に関する予備知識のある場合とない場合とでも必要な勉強時間は変わるでしょう。
法律の予備知識のない人がスクールを利用する場合、勉強時間の目安は800時間で、法律の予備知識がある場合は、600~700時間です。法律の予備知識のない人で独学を選択した場合の勉強時間の目安は1,000時間、法律の予備知識がある場合は、600~700時間必要になるでしょう。
スクールを利用した場合は、比較的短期間での合格が可能です。
参考:https://www.tac-school.co.jp/kouza_gyosei/gyosei_sk_idx/contents_benkyo_jikan.html
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行政書士試験問題│過去問学習法
行政書士試験は範囲が広いため、合格するためには、重点的に勉強すべき範囲を把握する必要があります。そのためには、過去問を活用した学習方法がおすすめです。
過去問による学習方法のポイントは、以下の4つです。
- 1.行政法と民法の過去問は必須
- 2.過去問を繰り返し解く
- 3.基礎知識科目は過去問で出題傾向をつかむ
- 4.隙間時間を有効的に活用する
それぞれくわしく解説します。
参考:https://www.tac-school.co.jp/kouza_gyosei/gyosei_sk_idx/contents_benkyo_jikan.html
1.行政法と民法の過去問は必須
行政法112点、民法76点と、配点の割合が約6割と高いため、行政法と民法をマスターする必要があります。そのためには過去問を活用して効率的に勉強しましょう。
行政法も民法も、実際の事例に関連する問題の出題傾向があるため、条文や判例の理解が求められます。重要用語をしっかり覚えること、細部まで丁寧に理解することがポイントです。
勉強に時間のかかることが予想されるため、早めに着手することをおすすめします。
2.過去問を繰り返し解く
過去問は、問題の正誤の判断ができるようになるまで、繰り返し解くことが求められます。過去問を解くことにより、試験時間の配分の仕方を習得できるなどのメリットも期待できるでしょう。
最初から過去問を解くのではなく、テキストで基本を理解してから、問題演習に取りかかるのがおすすめです。効率の良い学力向上が期待できます。
平成18年度以降、試験科目や出題数が変更されており、あまり古い過去問はおすすめできません。直近の5年間の過去問の重要性が高いため、近年の過去問を活用してください。
3.基礎知識科目は過去問で出題傾向をつかむ
基礎知識科目は範囲が広いですが、過去問を活用することで、おおよその出題傾向をつかむことができるでしょう。14問中で6問以上という基準点が設定されているため、基準点のクリアを目標にすることをおすすめします。
他の科目の勉強時間との兼ね合いを考慮すると、効率的に勉強する必要があるため、日頃から新聞やニュースをチェックしておくといいでしょう。
また、令和6年度の試験改正により、行政書士法等も確実に1題は出題されることとなりました。基礎知識は、独学では対策が取りづらい部分でもあるたえ、TACのような最新の試験改正にもしっかり対応する予備校を利用するのも手です。
4.隙間時間を有効的に活用する
隙間時間の学習に適しているのが、1問1答形式の過去問題集です。通勤電車での移動中、昼休み、就寝前などにも、コンパクトな1問1答形式の過去問を活用するのがおすすめです。
1問1答形式の過去問題集は合格に必要な知識を万遍なく出題されるため、知識のムラをなくす効果も期待できます。隙間時間を効果的に活用することで、弱点を強化し、実力アップを図れるでしょう。
行政書士試験問題の傾向を知り合格を目指そう
行政書士試験は科目数が多く、範囲も広いですが、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格試験ほどの難関ではありません。法律の予備知識のない人でも、計画を立てて効率的に勉強するならば、十分合格は可能です。
過去問を活用して行政書士試験問題の傾向を知ることで、効果的な学習が可能になるでしょう。予備校を利用することで、合格に必要な勉強時間を独学の場合よりも短縮できます。
資格取得を目指している方には、受験指導校であるTACの利用がおすすめです。
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