【行政書士】基礎知識の試験対策!知っておきたい勉強法
行政書士の基礎知識科目には4つの分野があり、それぞれで対策が異なります。特に時事問題については、机に向かっての勉強ではなく、日頃から情報収集する習慣をつけることが大切です。
本記事では、基礎知識科目の勉強方法について解説します。
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行政書士試験の基礎知識は4分野にわかれる
行政書士試験の試験科目は「基礎知識科目」と「法令等科目」にわかれます。法律系の資格である行政書士試験では、法律の知識を問われる問題が多く出題されますが、行政書士の業務に関連する基礎知識も求められます。なお、基礎知識は、今までは一般知識等(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)でしたが、令和6年度の行政書士試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)に変更されることが試験センターより発表されています。
令和6年度行政書士試験より適用される基礎知識科目は主に以下の4つの分野にわかれており、出題形式は5肢択一式です。
- 一般知識
- 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
ここでは、4つの分野の内容について解説します。
1.一般知識
一般知識は、従来の政治・経済・社会の分野で出題されていた内容を見ると、世界情勢や世界の政治体制、日本経済、社会保障や時事問題が出題される可能性があります。
そのため、問題を予測して勉強範囲を絞り込むのは困難です。対策としては、問題集を解くのではなく、普段から新聞やニュースから情報をインプットする必要があります。
2.行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
諸法令の中でも「行政書士法」は、「行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的」とした法律で、過去の行政書士試験にも出題されたことがあります。
独学では対策が取りづらい部分でもあるため、長年の受験指導歴があり、過去の本試験問題を分析して対策を取る予備校に任せるのも手です。
3.情報通信・個人情報保護
一般知識等科目では、情報通信や個人情報保護に関係する法律や公文書管理法などの分野も出題されます。この分野は比較的対策しやすいため、得点を稼ぐうえで重要です。
4.文章理解
現代文の問題です。文章に対する理解力や表現力を問われるものもあります。脱文挿入や空語補充、並び替えといった問題が中心です。
出題される文書を予測するのは難しいものの、1文章に対し1問であり、現代文ができている人であれば難易度も高くありません。行政書士試験の中でも、特に得点を稼げる分野のひとつです。
行政書士試験の基礎知識4つの攻略法
行政書士試験の一般知識等科目では、以下のような攻略法をおさえたうえで勉強する必要があります。
- 満点ではなく合格基準点クリアを目指す
- 早めに学習を始める
- 過去問に触れておく
- 「基準点不足」について理解しておく
ここでは、4つの攻略法について解説します。
1.満点ではなく合格基準点クリアを目指す
基礎知識科目の攻略法として挙げられるのは、満点を目指すのではなく合格基準点クリアを目指すことです。基礎知識科目の合格基準点は56点満点中24点以上となっており、出題される14問中6問以上正解すれば達成できます。
基礎知識科目は出題範囲が広く、問題の予測も困難です。そのため、勉強時間に対する成果が得られない可能性も考えられます。基礎知識科目の勉強に時間をかけ、配点が大きい法令等科目の勉強時間がなくなるのは非効率です。
そもそも、行政書士の業務ではこれまで取り扱ったことがない問題に対応しなければなりません。基礎知識科目は直面した問題に対し、正しく思考できるかを問う問題です。そのため、勉強時間を確保して対策するよりも、考え方を学んだり、日頃からニュースを見るといった最低限の対策をするのがおすすめです。
2.早めに学習を始める
2つ目は、早めに学習を始めることです。基礎知識科目は、問題集を解いて短期間で頭に詰め込むのではなく、新聞やニュースから世界情勢や話題になっている出来事など時事情報をインプットする必要があります。
普段生活する中で世の中の情報を注視したり、初めて聞いた言葉を調べたりするといった習慣の積み重ねが、基礎知識の習得につながります。習慣化できるよう、早めに学習に取り掛かることが重要です。
3.過去問に触れておく
3つ目は過去問に触れておくことです。基礎知識科目は出題範囲が広いため、過去問での対策は効果的ではありません。しかし、情報通信・個人情報保護は比較的出題傾向が決まっているため、過去問での対策が有効です。
また、時事問題では過去と同じ問題が出題される可能性は低いものの、過去によく出題されているテーマが把握できれば対策を打てます。
過去問を繰り返し解く必要はないものの、過去問に触れ、問題の傾向を把握しておきましょう。
4.「基準点不足」について理解しておく
4つ目は基準点不足について理解することです。たとえ法令等科目で高得点を獲得できる知識があったとしても、基礎知識科目で基準点以上の点数を獲得できなければ、合格できません。基礎知識科目の基準点は40%となっており、14問中6問は正解する必要があります。
基礎知識科目で基準点に満たなければ、記述式の採点を知ることはできません。基礎知識科目の中にも点数が取りやすい問題が存在するため、基準点をクリアできるような準備をしましょう。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/basis.pdf
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行政書士試験の基礎知識の勉強法
基礎知識科目は分野ごとに適した勉強法が異なります。6問取ることを最低目標とした場合、「文章理解」で3問、「情報通信・個人情報保護」で3問を狙うイメージで勉強すると良いでしょう。
ただし基礎知識科目の出題範囲は広く、日頃の情報収集が必要な分野や過去問に掲載されない分野が存在します。独学での対策は困難なため、スクールでの学習がおすすめです。
ここでは、比較的点数を稼ぎやすい「情報通信・個人情報保護」と「文章理解」の勉強方法について解説します。
「情報通信・個人情報保護」は法令の趣旨をおさえる
「情報通信・個人情報保護」は、以下の法律をもとにした問題が出題されます。
- 個人情報の保護に関する法律
- 情報公開法
- 公文書管理法
そのため、法令等科目と同様に、条文の目的や趣旨をおさえることが大切です。法律をもとに出題されるため、対策もしやすいでしょう。特に、個人情報保護法については、過去問からの出題率も高く、過去問演習の量が得点に直結します。
基礎知識科目の勉強は「情報通信・個人情報保護」に時間を割くと良いでしょう。
「文章理解」は出題形式を理解する
文章理解は、出題形式を理解することがポイントです。文章理解で出題される問題は著作権の関係で過去問に掲載できないケースがあるため、過去に出題された問題のすべてを解くことはできません。しかし、出題形式は決まっており、基本的には「脱文挿入」「空語補充」「並び替え」となっています。
出題形式 | 概要 |
---|---|
脱文挿入 | 文章の中のどこに1文が入るかを選択する |
空語補充 | 空欄を埋める言葉として正しいものを選択する |
並び替え | 複数の文章を正しい順番に並び替える |
過去問で似たような問題を練習するほか、高校生向けの現代文の問題集も有効です。受験テクニックも参考になるため、問題に慣れるまでやり込みましょう。
行政書士試験合格に向けて効率的な学習を
令和6年度 行政書士試験より適用される基礎知識科目は「一般知識」「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」の4つの分野にわかれます。法律等科目と比較すると配点が低いため、基準点のクリアを目指したうえで学習することが大切です。
分野ごとに適した勉強方法が異なり、日頃からの情報収集が鍵を握る一方、「情報通信・個人情報保護」「文章理解」では過去問や問題集を解くことが有効です。
ただし、過去問に掲載されない問題もあり、独学での対策は簡単ではありません。行政書士試験合格に向けて効率的に学習するためには、スクールの利用がおすすめです。
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