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行政書士と司法書士の違いとは?
難易度やダブルライセンスのメリットも解説

行政書士と司法書士の違いとは?難易度やダブルライセンスのメリットも解説

行政書士司法書士との違いがよくわからないという方もいるでしょう。両方とも法律を扱う仕事であり、独占業務があり、国家資格が必要となるという共通点があるため、混同されることの多い仕事です。

しかし、資格取得の難易度業務範囲など、異なる点が数多くあります。難易度の違い、業務内容の違い、ダブルライセンスを取るメリットなどをくわしく解説しましょう。

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行政書士と司法書士の大きな違い

行政書士と司法書士の大きな違い

行政書士と司法書士の大きな相違点は、業務内容資格取得の難易度です。行政書士は行政書士法に基づく国家資格、司法書士は司法書士法に基づく国家資格であり、有資格者だけが業務を許されている専門職で、私たちに身近な「暮らしの法律家」という点では共通しています。

具体的な業務内容での違いは、行政書士が官公署に提出する許認可などの書類の作成やその手続きの代理であるのに対して、司法書士は法務局に提出する登記などの書類の作成やその手続きの代理が中心です。

行政書士と司法書士「仕事内容」の違い

行政書士と司法書士「仕事内容」の違い

行政書士と司法書士の仕事内容の違いは、扱う領域の違いでもあります。それぞれに独占業務があり、行政書士にしかできない仕事司法書士にしかできない仕事が存在するのです。

そのために、他の資格を持っている専門家との連携が必要になるケースもでてくるでしょう。また、司法書士でも行政書士でもできる共同独占業務もあります。

それぞれの具体的な仕事内容を解説しましょう。

行政書士の主な仕事内容3つ

行政書士の主な仕事内容は3つあります。書類作成業務手続き代行業務相談業務です。

1.書類作成業務

書類の内容は以下の3種類に分けられます。

  1. 国や地方公共団体など、官公署に提出する書類
  2. 事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)
  3. 権利義務に関する書類

官公署に提出する書類の多くは許認可に関するもので、会社設立・帰化申請を始めとして、1万種類を超えるといわれています。
事実証明に関する書類は、各種議事録・会計帳簿・貸借対照表など、権利義務に関する書類は、各種契約書・遺産分割協議書・念書・協議書などです。

2.手続代行業務

手続代行業務とは、依頼人の代理として許認可申請の手続きを行うことです。申請だけでなく、申請が条件を満たしているかどうかの確認、申請後の開業の業務指導など、派生するさまざまなサポートも業務範囲に入ってくるため、幅広い知識が必要です。

手続代行においては、国民と官公庁を結ぶパイプ役として、交渉力調整力も求められます。

3.相談業務

行政書士は顧客から依頼された書類作成についての相談業務が認められています。相談の内容は、個人の相続手続きに関することから企業の経営や法務面での相談まで、幅広いのが特徴です。

相談に際しては、書類を作成しない場合でも、依頼者に相談料の請求が可能になっており、相談の延長でコンサルティング業務を行う行政書士も増えています。

司法書士の主な仕事内容4つ

司法書士の主な仕事内容は4つあります。登記にまつわる書類作成と手続代行業務、簡易裁判所における訴訟代理人業務(認定司法書士のみ)、成年後見人不在者財産管理人としての業務、相談業務です。

1.登記にまつわる書類作成、手続代行業務

司法書士の業務のなかでとくに多いのは、登記にまつわる書類の作成と手続代行業務です。登記とは、行政上の手続きによって権利関係を公に示す制度のことで、不動産と商業の2つがあります。

不動産を購入する際には不動産登記、会社を設立する際には会社設立登記が必要です。

なお、2024年4月より相続登記の申請が義務化されるため、司法書士の需要の高まりが予想されます。

2.簡易裁判所における訴訟代理人業務(認定司法書士のみ)

法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所における訴訟額140万円以下の民事訴訟、証人尋問、民事調停、仲裁、裁判外での和解交渉などを依頼者に代理して行えます。

ただし、この条件を満たさない場合は、訴訟代理人としての業務を行えません。住人と大家による家賃支払いに関するトラブルなど、少額訴訟に限定されることを留意しておく必要があるでしょう。

3.成年後見人、不在者財産管理人としての業務

司法書士は、成年後見人・不在者財産管理人・破産管財人などとして、家庭裁判所から選任を受ける場合があります。高齢化が進むなかで重要度が増しているのは、成年後見人制度における司法書士の役割です。

成年後見人制度は、十分な判断能力を欠く認知症の方、知的障がい者・精神障がい者の意思を補完・支援する目的で作られました。親族以外では、司法書士が受任するケースが多く、今後さらに司法書士の活動が期待され欠くています。

4.相談業務

司法書士の相談業務は多岐にわたっています。債権執行事件に関しての法律相談、遺言書作成や家族信託の手続きなど相続に関する相談などです。

司法書士は、依頼者からの相談に対して、法律の知識やさまざまな事例に基づいて、適切なアドバイスをします。ただし、相続トラブルの交渉などは、司法書士では対応できません。弁護士と税理士が対応するべき業務もあるため、業務範囲を把握しておく必要があるでしょう。

行政書士と司法書士「難易度」の違い

行政書士と司法書士「難易度」の違い

行政書士と司法書士では、試験の「難易度」出題範囲も大きく異なります。行政書士よりも司法書士のほうが試験の難易度は高い傾向があり、出題範囲も違いがあるため、相違点を把握しておく必要があるでしょう。

行政書士試験と司法書士試験の難易度と出題範囲について、それぞれくわしく解説します。

行政書士試験の難易度と出題範囲

2023年度の行政書士試験の合格率は、13.98%でした。直近の5年間を見ると、合格率は10%~12%台の間を推移しており、司法書士試験と比較すると、そこまで難易度が高くないことがわかります。

行政書士試験の出題範囲は、憲法・行政法・民法・商法(会社法を含む)および基礎法学です。筆記試験のみで、5肢択一式・多肢選択式・記述式があります。 試験科目が多いため勉強範囲が広く、かつ合格基準点が設定されているため、しっかり対策を立て、計画的に学習することが必要です。

司法書士試験の難易度と出題範囲

2023年度の司法書士試験の合格率は、5.2%です。行政書士試験の合格率の半分以下であり、難関といえます。

出題範囲は、憲法・民法・刑法・商法(会社法を含む)・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法などです。出題範囲が広いことも、難易度の高さにつながっています。

行政書士と司法書士、ダブルライセンスはメリット大

行政書士と司法書士、ダブルライセンスはメリット大

行政書士と司法書士とは、資格取得の学習をする際にも、実際の業務においても、非常に相性の良い資格です。出題範囲でも憲法・民法・商法の3科目は重なっているため、片方の資格取得を目的とした学習が、もう一方にも役立ちます。

業務上のメリットもかなり大きいといえるでしょう。行政書士と司法書士とでそれぞれに独占業務があり、役割分担されているのが一般的です。

しかし、ダブルライセンスを取得することにより、顧客に対してワンストップのサービスを提供できます。たとえば、飲食店を経営する会社の設立に際しては、行政書士として「飲食店営業許可」を取り、司法書士として「会社設立登記」を行うというやり方も可能です。

顧客にとっても依頼をまとめられることは大きなメリットになるでしょう。ダブルライセンスを取得することで、活躍の場を広げることが期待できます。

行政書士と司法書士、法の専門家として活躍しよう

行政書士と司法書士、法の専門家として活躍しよう

行政書士司法書士とは法律に関わる仕事、「書士」であるという点で、似ているという印象があるかもしれません。しかし、それぞれに独占業務が定められており、業務内容はかなり違います。

試験の難易度や出題範囲も異なっており、行政書士試験よりも司法書士試験のほうが難易度が高いといえるでしょう。業務内容の違い、難易度や出題範囲の違いを理解したうえで、資格取得に向けて対策を立てることが必要です。

行政書士と司法書士のダブルライセンスを取得すると、メリットが数多くあるため、おすすめです。 行政書士と司法書士の資格取得を目指している方には、受験指導校であるTACの利用をご検討ください。

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