行政書士試験の難易度は?合格率や合格のための学習ポイントを解説
国家資格である行政書士試験は、合格するのが難しいといわれる資格です。しかし、行政書士試験は絶対評価の試験で明確な合格基準が設けられているため、正しい方法で勉強すれば初学者でも十分合格が可能です。
今回は、行政書士試験の概要や合格基準、試験に合格するための学習ポイントを確認しましょう。
難易度は高い?行政書士試験の概要と合格基準
行政書士試験は、数ある国家資格のなかでも難関資格といわれる資格のひとつです。
しかし、行政書士試験は特に受験資格がなく誰でも受けることができ、明確な合格基準が設けられているため、法律を学んだことがない初学者でも挑戦しやすい資格です。 まずは、行政書士試験の概要と合格基準を確認していきましょう。
行政書士試験の合格率は10~12%程度
行政書士試験の合格率は、10~12%程度で推移しているのが現状です。直近3年間における受験者数・合格者数・合格率を確認しましょう。
西暦 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2023年 | 59,460名 | 46,991名 | 6,571名 | 13.98% |
2022年 | 60,479名 | 47,850名 | 5,802名 | 12.13% |
2021年 | 61,869名 | 47,870名 | 5,353名 | 11.18% |
行政書士試験の受験者を年代別で確認すると30~40歳代がもっとも多く、社会人で働きながら受験する人が多いことが考えられます。直近3年間における年代別の受験者は、次のとおりです。
西暦 | 10歳代以下 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年 | 1.2% | 16.2% | 20.2% | 25.4% | 24.1% | 12.9% |
2022年 | 1.2% | 16.3% | 21.1% | 26.0% | 23.3% | 12.1% |
2021年 | 1.3% | 17.1% | 22.0% | 26.3% | 22.1% | 11.2% |
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/exam/result/analytics.html
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行政書士試験の受験資格や試験日、試験内容
次は、行政書士試験の概要を確認しましょう。
試験日 | 毎年11月の第2日曜日に実施 |
---|---|
試験時間 | 午後1時~午後4時まで |
受験資格 | 年齢や国籍、学歴問わず誰でも受験可能 |
受験手数料 | 10,400円 (令和4年度例) |
試験場所 | 全国47都道府県で受験可能 |
申込方法 | 郵送、またはインターネットから選べる |
試験方法 | 筆記試験(択一式及び記述式) |
試験内容は、行政書士の業務に関し必要な法令等、行政書士の業務に関し必要な基礎知識があります。それぞれの試験科目は、次のとおりです。
【行政書士の業務に関し必要な法令等】
- 基礎法学
- 憲法
- 民法
- 行政法
- 商法
【行政書士の業務に関し必要な基礎知識】
- 一般知識
- 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
行政書士試験の合格基準は3つある
行政書士試験は、絶対評価の試験です。上位何%に入らなければ合格できない相対評価の試験とは違い、自分の得点が定められた合格基準を満たせば、行政書士試験に合格できます。
行政書士試験で設定されている合格基準は、次のとおりです。
行政書士の業務に関し必要な法令等 | 得点が244点中122点以上(満点の50%以上) |
---|---|
行政書士の業務に関し必要な基礎知識 | 得点が56点中24点以上(満点の40%以上) |
試験全体 | 得点が300点中180点以上(満点の60%以上) |
また、行政書士試験には補正措置があります。補正措置とは、受験者の正答率等から、その年度の試験問題の難易度が過去と比べ著しく変動している場合、合格基準点を見直すという措置です。
2014年の行政書士試験では、補正措置が適用され、合格基準が「180点以上」から「166点以上」に引き下げられています。補正措置が適用されるかどうかは、試験実施後にしかわかりません。
行政書士試験、合格までに何年かかる?必要な学習時間
難易度が高い行政書士試験ですが、合格するまでに必要な学習時間があります。行政書士試験に必要な学習時間を確認したうえで、学習スケジュールを立てることが大切です。
ここからは、合格に必要な学習時間を詳しく確認していきましょう。
1年での合格は十分可能。合格まで1~2年が多い
行政書士試験の受験回数や試験の難易度によって必要な年数は変わりますが、合格するまで1~2年という受験者が多いです。また、1回の受験で合格する受験者もいるため、正しい方法で学習すれば1回で合格できる可能性が高まります。
しかし、合格に必要な期間はあくまで目安であるため、自分の知識レベルや生活スタイルに合わせて試験日までの学習スケジュールを立てることが大切です。
1日2~3時間の学習時間が必要(延べ600~1,000時間程度)
行政書士試験に合格するまでに必要な時間は、法律の知識がどの程度があるのかによって変わります。たとえば、初学者が合格を目指す場合は1年間で600~1,000時間程度の時間が必要です。
1年間で行政書士試験に合格したいなら、1日あたり2~3時間の学習時間を確保しなければいけません。スクールを利用する場合は、効率よく学習できるため比較的短期間で合格することも可能です。
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行政書士試験合格のためのポイント3つ
行政書士試験に合格するには、ポイントをおさえて効率よく学習することが求められます。それぞれのポイントを詳しく確認していきましょう。
①法令科目は「行政法」と「民法」をおさえておく
行政書士試験に合格したいなら、行政法と民法を重点的に学習しましょう。法令科目は244点満点のうち、122点以上の得点をとれば合格基準を満たせます。5科目ある法令科目でもっとも配点が高いのは、行政法(112点)と民法(76点)です。
行政法と民法の得点だけで法令科目の77%、試験全体の63%を占めています。合格したいなら、配点が高い行政法と民法は確実に正解することが必要です。
②基礎知識科目は高得点を狙わず効率的に学習する
4科目ある基礎知識科目の合格基準は、56点満点中24点以上の得点が必要です。基礎知識科目は試験範囲が広いにもかかわらず、法令科目に比べると配点が低い特徴があります。
基礎知識科目で高得点を狙いすぎると膨大な勉強時間が必要です。効率よく学習したいなら、基礎知識科目で高得点は狙わず合格基準点を目標に効率的に勉強しましょう。
③5~10年分の過去問を繰り返し解く
行政書士試験に合格したいなら、過去問を活用した学習をおこないましょう。試験対策として過去問を活用すれば出題傾向や出題形式を把握できるため、高得点を狙いやすくなります。
知識を定着させるために5~10年分の過去問を繰り返し解きましょう。また、本試験のシミュレーションとしてスクールで実施される模擬試験を受けるのもおすすめです。
合格ライン突破!行政書士試験合格のための勉強法
行政書士試験に合格するための勉強法は独学や通信講座、スクールがありますが、自分に適した方法を選ぶことが大切です。それぞれの特徴やメリット、注意点を確認しましょう。
独学で行政書士試験合格を目指す
学習費用を抑えたいなら、独学で行政書士試験の合格を目指すのがおすすめです。行政書士試験の勉強に役立つテキストや過去問は書店で手に入るため、必要なのは参考書の購入代のみです。
ただし独学で行政書士試験の学習をする場合、重要項目を取りこぼしやすいといったデメリットがあります。また通信講座やスクールに比べると、勉強効率が下がるおそれもあるため注意しなければいけません。
通信講座で学習する
通信講座で学習するメリットは、隙間時間に効率よく勉強できることです。通信講座によってはスマホを活用した勉強方法を選べるため、自分のペースで学習を進められます。
ただし、通信講座は学習進度を自分で調整しなければいけず、自己管理が必要です。学習配分を間違えると、試験日までに間に合わないといった問題が起こる可能性もあります。
スクールに通って学習する
スクールで学習するメリットは、学習進度をつかみやすくモチベーションも維持しやすいことです。スクールには、これまで多くの受験者を合格させてきた経験やノウハウが蓄積されています。独学よりも効率的に学習を進められるのです。
しかし充実したサポートを受けられるものの、スクールを利用するには費用がかかります。予算に応じてスクールを選ぶ必要があるでしょう。
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