簿記3級ってどんな問題が出るの?過去問は? 実際に問題を解いてみよう!詳しい解説付き!
「資格試験勉強といえば、過去問!」「できればネットから無料で過去問をゲットしたいけど、全然ヒットしない!」そうお思いの方は多いのではないでしょうか?
残念ながら、2021年度以降簿記検定3級 統一試験の本試験問題は公開されていません。また、CBT方式の場合、受験者によって問題が異なっており、出題された問題が公開されることはありません。
さらに、統一試験含め、試験問題など試験に関して知りえたことをインターネットやSNSなどへの開示・漏洩することも禁止されているため、受験希望者が試験情報を得づらい状況になっています。
そこで、TAC講師が本試験を受験するなどで、公開されている出題区分と現在の出題傾向を分析し、模擬問題を作成しました!実際の試験問題と同じくらいの難易度ですので、試験前の腕試しや学習前の情報収集にもお使いください!
【速報】簿記検定試験のサンプル問題が日本商工会議所より公開されました!
日本商工会議所ホームページに過去に出題された問題の一部が「サンプル問題」として公開されました。TACでは、サンプル問題の解答を作成いたしましたので、これからの学習にお役立てください。
※当解答はTAC株式会社が独自の見解に基づき、サービスとして情報を提供するものです。著作権はTACのものであり、無断転載・転用を禁じます。
※2024/10/23(水)更新(解答PDF)
簿記3級について
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レベル
・ 企業で働く者に必須の基礎知識が身につき、商店や中小企業の経理実務に役立つ。
・ 経理関連書類を読むことができ、青色申告などの書類作成もある程度できる。
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合格率
平均35~40%程度
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必要な学習時間
80~100時間程度が目安
出題範囲
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出題範囲
商業簿記(制限時間60分)
基本的な商業簿記の修得、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえた知識が問われる -
重要性が高い分野
第1問では仕訳15題を早く解答していくスキルが必要になります。第2問では総勘定元帳勘定記入や補助簿の作成が問われることが多く、これらは受験生にとって対策が薄くなりがちで、注意が必要です。
第3問では財務諸表の作成、精算表に関する出題が多いため、簿記の最終目的でもある決算整理を中心とした総合問題は当然ではありますが、きちんと解けるように演習トレーニングを積む必要があります。
第一問
問題
下記の各取引について仕訳しなさい。ただし、勘定科目は、各取引の下の勘定科目から最も適当と思われるものを選び、答案用紙の( )に記号で解答すること。
- 期首に取得原価¥300,000、帳簿価額¥180,000 の備品を¥200,000 で売却し、代金のうち¥60,000 は先方振り出しの小切手で受け取り、残りは月末に受け取ることとした。なお、減価償却の記帳は間接法によ ってい る。
ア 現金 イ 未収入金 ウ 備品 エ 減価償却累計額 オ 固定資産売却益 カ 固定資産売却損 - 当期に発生 した売掛金¥75,000 が回収不能となった。なお、貸倒引当金残高が¥30,000 ある。
ア 売掛金 イ 買掛金 ウ 貸倒引当金 エ 償却債権取立益 オ 貸倒損失 カ 貸倒引当金繰入 - 福井㈱が現金を支払ったさいに、滋賀㈱から受け取った下記領収書にもとづいて福井㈱の仕訳を示しなさい。
ア 現金 イ 仮払金 ウ 売掛金 エ 買掛金 オ 売上 カ 仕入
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第一問の解答・解説
解答
解説
3級の第1問では、仕訳問題が出題されます。様々な期中取引のみならず、決算事項も出題されます。
全15問を正味15~20分程度で解かなければならず、正しい知識を必要とするのはもちろんのこと、スピードも要求されます。
1.減価償却を間接法で記帳している場合は、売却した固定資産の取得原価を固定資産勘定(資産)の貸方に記入するとともに、売却した固定資産に対する期首の減価償却累計額を減価償却累計額勘定(資産の評価勘定)の借方に記入します。なお、本問では「帳簿価額」が与えられています。
帳簿価額とは、取得原価から減価償却累計額(既償却額)を控除した金額です。よって、取得原価から帳簿価額を差し引いた金額を減価償却累計額とします。
また、売却した固定資産の帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却益勘定(収益)の貸方、または固定資産売却損勘定(費用)の借方に記入します。なお、固定資産の売却代金を後日受け取る権利は、未収入金勘定(資産)の借方に記入します。
(減価償却累計) | *120,000 | (備品) | 300,000 |
(現金) | 60,000 | (固定資産売却) | **20,000 |
(未収入金) | 140,000 |
*減価償却累計額 取得原価¥300,000 - 帳簿価額¥180,000 =¥120,000
**固定資産売却益 売却価額¥200,000 -帳簿価額¥180,000 =¥20,000
2.当期発生の売掛金を貸倒れとする場合は、貸倒引当金勘定残高があっても取り崩さず、全額を貸倒損失勘定(費用)の借方に記入します。
(貸倒損失) | 75,000 | (売掛金) | 75,000 |
3 領収書に記されている「掛代金として」より、福井㈱が買掛金を支払ったときに受け取った領収書であること がわかります。買掛金を支払ったときは、あとで支払う義務(債務)が消滅するので 買掛金勘定(負債)の借方 に記入します。
(買掛金) | 143,000 | (現金) | 143,000 |
試験改正について
日商簿記検定では近年様々な変化が起こっています。 今までとは何が違うのか、これから起こる変化とその対応策をまとめましたので、参考にしてください。
試験方法の変化
CBT試験の登場
2020年12月からネット試験(CBT試験方式)が導入され、従来のペーパー方式で実施をする統一試験と並行して実施されています。
2021年度の受験者数は延べ10万人を超え、導入初年度から利用者を着実に増やしていると言えます。
それに対し、統一試験の受験者は2021年度で14万人程度。2019年度と比較すると8万人程減らしている状態です。ネット試験はいつでも受験ができるメリット(一部、実施されない期間もあります)があり、受験生はそのメリットをうまく利用することをおすすめします。
3級は約2ヵ月を学習期間として設定し、ネット試験もしくは統一試験での受験を選択することがおすすめです(2ヵ月という学習期間は1週間で10時間程度が目安です)。
統一試験解答用紙の変化
2021年度より、ネット試験での出題形式に合わせるため、問題と解答用紙が見開きで並ぶ形式に変更されています
(従来は問題用紙と解答用紙は別々の形式)。
こちらでもネット試験(CBT試験方式)について解説しています。併せてご覧ください
ネット試験開始で簿記検定試験はどうかわる?違いなどを徹底解説!
試験範囲の変化
2022年度より「収益認識に関する会計基準」の試験範囲追加により、「売上諸掛」に変更があります。
収益認識基準自体についての出題は予定されていません。
今後の変化
2023年6月試験以降、従来、東京商工会議所管轄で施行していた大学などの試験会場の統一試験は実施されなくなります(TACの同エリアの一部校舎では実施する方向で調整中)。
統一試験の実施有無については、事前に最寄りの商工会議所のホームページなどをご確認いただきますようお願いいたします。
まとめ
問題を解いてみていかがでしたか?実際の試験でも同じような難易度の問題が出題されると予想されます。
解けなかった部分は繰り返し復習をして、本番までに解けるようにしておきましょう!
また、目まぐるしく変化する簿記検定に独学で合格できるか大丈夫か不安な方は、「予備校に通う」という方法もあります!
TACでは試験の変化に対応したカリキュラムを用意しているため、勉強だけに専念でき、最短距離で合格を目指すことができます!ぜひ一度ご検討ください!
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