簿記とは? 初心者におすすめな勉強方法や注意点を解説!
簿記の知識は、企業で働くなかで大きな武器になります。また、これから勉強を始める初心者は、どのような注意点を押さえておくべきなのでしょう。
本記事では、どんな試験なのかや初心者におすすめの勉強方法、注意点などを解説します。これから簿記に挑戦しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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簿記とはどんな試験?
簿記とは認知度が非常に高い試験であり、資格を保持している方は企業からの需要も高く、就職や転職をする際は大きな武器となります。もちろん、日頃の業務に活かせることも多いため、学習しておいて損はないでしょう。
本章では初めに、簿記がどんな試験なのか、またどのような種類があるのか、合格にはどの程度の勉強時間を確保しなければならないのかという点について解説します。
参照:簿記の合格率と難易度・勉強時間は?くわしく解説します!|資格の学校TAC
企業からの需要が高い試験!
簿記試験で学ぶ内容とは、企業にとって必要不可欠である「帳簿」を、正確につけるために欠かせない知識です。一定のルールに沿って、数字を記録し、整理(管理)していくために身に付ける技術こそが「簿記」です。
数字を正確に記録し、管理するのは、企業の経営状態を把握することを目的としています。そのため、ただ数字を記録するだけでなく、企業の経営成績や財務状況が把握できるように、記録しなければ意味がありません。
そのため、これを専門的に学習し、習得したことを証明できる「簿記」は企業にとって重要な資格といえます。
簿記試験には3種類ある
ひとことで「簿記」といっても、それには試験団体によっていくつかあり、代表的なものとして以下の3種類があります。
- 日商簿記
- 全経簿記
- 全商簿記
日商簿記とは、簿記試験の中では最もポピュラーなものであり、多くの社会人が受験している資格です。TACでは、この日商簿記の講座が受講できます。
全経簿記とは、主に経理の専門学校に通う学生が受験する試験です。税理士試験における「税法科目」の受験資格を得られます。
全商簿記は、全国の商業高等学校協会が主催している試験です。1〜3級に分かれており、全商1級と日商2級、全商2級と日商3級は、同程度のレベルとされています。
日商簿記試験に合格する勉強時間
日商簿記試験は受験する階級によって、必要な勉強時間が異なります。また独学か予備校(または通信講座)、どちらの方法で学習するのかによっても違いがあります。
まずは、以下の一覧を確認してください。
独学 | 予備校 | |
---|---|---|
3級 | 120〜140時間 | 80〜100時間 |
2級 | 250〜350時間 | 200〜250時間 |
1級 | 500〜700時間 | 500〜600時間 |
上記の表からは、全体を通して独学よりも予備校などを活用した学習方法の方が勉強時間が短く済むことがわかります。
簿記試験は独学?通信講座?通学講座?
何級を受験するかによって、難易度は異なります。また簿記は、いずれの級も独学と通信・通学講座、どちらの方法で学習しても合格を目指すことができる試験です。
そうなると、自分はどちらの方法にすべきか悩んでしまうという方もいらっしゃるでしょう。独学と通信・通学講座、どちらの方法を用いるのか、それぞれのメリット・デメリットを比較したうえで検討してみてください。
参考:簿記3級は独学で合格できる?独学のメリット・デメリットをご紹介|資格の学校TAC
独学で勉強するメリット・デメリット
独学で簿記試験合格を目指すことには、以下のようなメリットがあります。
- 自分に合ったぺースで、勉強を進めることができる
- 費用を抑えられる
一方で、独学には以下のようなデメリットもあります。
- 教材を自分で探す必要がある
- 効率の良い勉強方法を模索しなければならない
- わからない点や疑問点を、自分で解決しなければならない
- 受験に関する最新の情報が入手しにくい
上記のメリット・デメリットを踏まえて、独学に向いている人の特徴を考えると、計画性があって、時間に余裕がある人(または、合格を急がない人)は独学に向いているといえます。
通信・通学講座で勉強するメリット・デメリット
では予備校(通学)や通信講座を活用して、簿記試験合格を目指すことには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずは、メリットからご紹介します。
- しっかりと研究された教材が提供される
- 実際の試験を何度も受験し分析している経験豊富な講師の指導を受けられる
- 疑問点や不明点を質問できる
- 通学講座であれば組まれた日程通りに通う、また通信講座でも学習計画をたてる際に、サポートしてもらえるため、スケジュール管理が楽
一方で、以下のようなデメリットも考慮しなければなりません。
- 独学よりも費用がかかる
- 受講した講座が自分に合わない可能性もある
- (通学の場合)登校時間が必要になる
上記を踏まえると、効率的に学習を進めたい方、手厚いサポートを受けたい方は、予備校に通うのがおすすめだということです。
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簿記の初心者が注意したいことは?
簿記の初心者が、学習を進めていくうえでは、いくつか注意点があります。価格だけに注目して教材を選んでしまったり、丸暗記で試験に臨んでしまったりすれば合格は難しくなるでしょう。
本章では初心者が陥りがちなミスを中心に、6つの注意点を解説していきます。初めて簿記の学習を進めようと考えている方は、参考にしてください。
いきなり問題を解こうとしない
いきなり問題を解くなどの「アウトプット」からおこなうのは、初心者には不向きな勉強方法です。すでにある程度、簿記に関する知識を身につけている方であれば、効率的な方法かもしれませんが、初心者がいきなり問題を解こうとすると、専門用語ばかりが並ぶテキストを見て、モチベーションが下がってしまう可能性もあります。
テキストなどを値段で決めない
値段だけを見て、教材を決めてしまうのも避けてください。簿記試験は認知度の高い試験であるため、教材もたくさん販売されています。
できるだけ費用を抑えたいからと安い教材を購入する、逆に高い=良い教材と判断して高額なテキストばかり購入するといった選び方はおすすめできません。
解説が自分にとってわかりやすいものか、最新の情報が掲載されているかなどをチェックしたうえで教材を選びましょう。
加えて、予備校などの利用の際にも受講料だけで決めてしまうのは同じように危険です。
自分で学習できる意識が強ければサポートは限りなく減らすことができますが、やはり短期で合格を、また本当にスキルを身に付けることを考えるとしっかりとしたコンテンツの利用をおすすめいたします。
暗記だけに頼らない
簿記試験には、専門用語が多く並びます。だからと言って、用語の丸暗記だけでは試験合格を目指すことはできません。もちろんこれは、計算問題で使う「公式」であっても同様です。
試験には応用問題も出題されるため、丸暗記ではなく、しっかりと意味から理解していなければ太刀打ちできません。専門用語や公式は、その仕組みから覚えるように心がけてください。
毎日コツコツ勉強する
休日に長時間勉強するといったスタイルも、初心者には不向きな学習方法です。休日だけでは、期間が空いてしまうため、覚えたことがしっかりと定着しません。
毎日コツコツと学習するようにしてください。もちろん、平日にまとまった時間を取れないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、平日の学習時間は短くても構いません。少しでも、毎日「簿記」に触れるようにしてください。
テキストは少数に絞る
初心者が陥りがちな失敗のなかに、さまざまなテキストを購入してしまうというものがあります。合格できるか不安になると、ついつい色々なテキストに手を伸ばしてしまいがちです。
しかし基本的にテキストは、自分がわかりやすいと感じたものが、1つあれば十分です。あれもこれもと手を出さずに、1冊のテキストを使い込むことを考えてください。
使いやすさで電卓を選ぶ
簿記試験には「電卓」が欠かせません。そしてこの電卓選びにも、注意が必要です。試験には電卓の持ち込みが許可されていますが、これには条件があります。
基本的に、関数電卓などの多機能な電卓は、試験会場に持ち込むことができません。そのため電卓を購入する際は、さまざまな機能がついた製品は避けましょう。機能がシンプルで自分にとって使いやすい電卓を選んでください。
具体的にどんな電卓を選べばいいのかについては下記の記事で解説しています。
初心者は3級から受験すべき?
前述したように簿記には、初級と1〜3級があり、階級によって難易度が変わります。日商簿記の試験はどの級からでも受験できます。
ここで疑問になるのが「ではいきなり1級から受験しても良いのか」という点です。
もちろん受験自体は可能ですが、あまりおすすめはできません。3級を受けずに2級から受験する方もいますが、簿記は3級→2級→1級と学習しないと挫折してしまいます。3級を受けずに2級からいきなりもおすすめしません。
初心者の場合は、まず基礎を定着させなければならないため、3級から受験するのが無難です。
参考:日商簿記検定試験|日本商工会議所
簿記の初心者は、注意点を押さえて試験に臨もう!
簿記の初心者へ向けて、試験の概要や勉強時間をはじめ、独学と予備校(通信講座)といった2種類の学習方法について解説しました。どちらの学習方法にもメリットとデメリットがあります。
初心者で、確実に合格できるのか不安に感じる方は「予備校(通信講座)」を活用するのがおすすめです。TACでは、定期的に講師が本試験を受験することで最新の傾向を把握、分析して、教材やカリキュラムを作成してるため、最新の出題傾向を分析した教材を活用しながら、専門の授業を受けることができます。簿記初心者の方は、ぜひ検討してみてください。
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