簿記3級とは?
難易度、合格率、必要な勉強時間や勉強方法
簿記3級の難易度は決して高いものではありません。試験の難易度を把握したうえで、適切な勉強方法と必要な勉強時間を確保できれば、十分に合格を狙うことが可能です。
この記事では、過去の試験データを参考に簿記3級の合格率や合格点、必要な勉強時間を紹介したうえで、必要な知識と勉強方法についても解説しています。
簿記3級の難易度を把握したい方や合格するための勉強方法も知りたい方は参考にしてみてください。
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簿記3級とはどんな試験?
簿記は、会社経営におけるお金の流れを記録するものです。簿記検定では、簿記についての理解が試されます。
簿記3級は、簿記検定の中でも最も受験者数の多い資格試験で、仕事などで実際に簿記を利用する人に限らず、様々な人が取得を目指している資格です。
ここでは、簿記3級について、何を対象とした試験なのか、試験の概要、取得するメリットを解説します。
参照:日商簿記3級|日本商工会議所
日商簿記TOP|CBT
商業簿記を扱う試験
簿記3級は、簿記のうち基本的な事項を対象とした試験です。簿記3級では、もっとも典型的な業態といえる商業経営前提として商業簿記を学習します。会社の経理や会計についての入門的な資格と言えます。
商業簿記は会社の帳簿を作成するための技術ですが、簿記3級では。経理や会計の担当者でなくとも、帳簿を読み取るための基本的な知識を学ぶことが可能です。
会社の決算書類や損益計算書は、ビジネスマンとして基本的な内容は読み取れるようにしておきたいところでしょう。
試験の概要(申し込み方法・ネット試験)
簿記3級には受験資格はなく、誰もが受験できる試験です。実際、高校生なども多く受験しています。
試験は、60分間の試験で、統一試験(ペーパー試験)は6月第2週日曜日、11月第3週日曜日、2月第4週日曜日の年3回実施されます。それ以外にも、会場ごとに随時開催されるネット試験(CBT試験)を選択することも可能です。ネット試験であれば、自分の勉強の進捗などに合わせて好きな日程で試験を受けることができます。
申し込み方法は、統一試験が各商工会議所ホームページまたは窓口での申し込み、ネット試験がインターネットによる申込となります。
簿記3級を取得するメリット
簿記3級で簿記の基本事項を理解することができれば、会社の帳簿からお金の流れを読み取ることができるようになります。また、「売上」や「費用」など、いかなる仕事であっても必ず耳にする基礎用語を学習します。会社を経営する場合はもちろんのこと、そうでなくとも社会人として働く以上は、帳簿を読み取る技術は一般常識として身に着けておきたいところです。
上級資格である簿記2級や簿記1級は、経理や会計のスペシャリストを目指すうえで取得する資格となりますが、簿記3級は、経理や会計を担当する人でなくとも、経理や会計における基礎知識を身に着けるのに役立つ資格と言えるでしょう。
簿記3級の難易度はどれくらいか?
簿記3級は、簿記検定の入門的な資格ですが、実際の難易度はどの程度でしょうか。難易度を把握するためには、合格率や合格点など客観的なデータの分析が重要です。試験合格のためには、難易度を把握し、それに合わせた勉強時間の確保が必要となります。
ここでは、過去に実施された簿記3級の合格率や合格点から簿記3級の難易度を解説し、合格のため一般的に必要とされる勉強時間についても解説していきます。
参考:3級受験者データ|日本商工会議所
簿記3級の合格率は?
簿記検定は、相対評価ではなく、100点満点中70点以上が取れるか否かという絶対評価の試験であり、実施回により多少の違いはあるものの、合格率は30~40%前後で推移しています。
高い時には50%近くなることもあり、簿記3級は受験生の2人に1人程度が合格する試験ともいえます。
ここ最近の合格率は以下の通りです。
統一試験 | ネット試験 | ||
---|---|---|---|
第165回 (2023.11) |
33.6% | 2023年度 ※4月~9月 |
39.0% |
第164回 (2023.6) |
34.0% | ||
第163回 (2023.2) |
36.5% | 2022年度 | 41.2% |
第162回 (2022.11) |
30.2% | ||
第161回 (2022.6) |
45.8% | ||
第160回 (2022.2) |
50.9% | 2021年度 | 41.0% |
第159回 (2021.11) |
27.1% | ||
第158回 (2021.6) |
28.9% |
簿記3級の合格点は?
簿記3級の合格点は、100点満点中の70点以上に設定されています。
単純に70%以上の正解が必要と聞くと、難しく感じるかもしれません。簿記3級では、簿記の基礎である勘定科目や仕訳などの仕組み、つまり簿記の基本ルールを理解していきます。簿記の基礎知識を理解し、出題内容について対策を行えば、決して難しい試験ではありません。
つまり、受験のために対策をしっかりとっていれば、70点以上をとることは十分可能な試験となっています。
参考:試験科目・注意事項|日本商工会議所
簿記3級に必要な知識は?
簿記について全くの初心者の方が簿記3級に合格するのに必要な勉強時間は80時間〜100時間ほどです。商業高校で簿記を学んでいる人や、経理担当などで日常的に会社の帳簿に触れているような人であれば、勉強時間は短くて済むでしょう。
学生など多くの勉強時間を確保できる場合には、1か月もあれば十分に合格に必要な勉強時間を確保することができます。忙しい社会人の方でも、毎日少しずつ3か月ほど勉強を続ければ十分に合格を目指すことが可能です。
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簿記3級に必要な知識は?
簿記3級に必要な知識は、会計や経理についての基本的な知識です。基本的な知識といっても、全くの初心者の場合には、貸借対照表や損益計算書、仕訳など用語自体が聞きなれないものが多くあります。
まずは、基本的な用語について理解し、簿記について具体的にイメージできる状態になることが重要です。
知識の量としては、試験対策用のテキスト・問題集が1冊ずつあれば十分に足りる程度のものです。
簿記3級の勉強方法
簿記3級は、参考書を購入するなどして独学で勉強する方も多いですが、基礎からきちんとした知識を身に着けたい、効率的に学習をしたい場合は、通信・通学講座に通うこともおすすめです。
簿記3級の勉強は、テキストを読んだり、講義を受講した後は、実際問題を解いてみましょう。コツコツと問題を解くことで、知識が定着していきます。
また一通りの学習が終わったら、予想問題を解いて、合格に必要な知識が身についたのか確認をしてみましょう。予想問題は以下のページで公開しています。
簿記3級ってどんな問題が出るの?過去問は?実際に問題を解いてみよう!詳しい解説付き!
TAC講師が公開されている出題区分と現在の出題傾向を分析し、模擬問題を作成しました!実際の試験問題と同じくらいの難易度ですので、一度腕試ししてみませんか?
独学で勉強するのは難しい?
簿記3級は独学でも十分に合格を目指せますが、モチベーション維持の難しさ、難しい問題でつまずいたり、一つの問題にかなりの時間を費やしてしまったりと、効率が悪くなることもあります。
また、独学だと合格だけを目指して暗記だけの学習になってしまい、実際実務でせっかくの知識を活かせないケースも考えられます。
通信・通学講座を利用する
独学で学習を続けるのが難しい場合には、通信・通学講座を利用するのがおすすめです。
参考書を読むだけでは理解できないことも、音声での解説を聴くことで格段に理解しやすくなります。講義を聴いても理解できない場合には、質問などをすることで、疑問点をすぐに解消できます。
さらに、試験で問われやすい点や初心者が理解しにくい点などポイントを押さえた講義を聴くことができるため、効率的に学習を進めることができるでしょう。
資格試験の受験をしたこともなく、勉強方法自体に自信がない場合には、通信・通学講座を利用して効率的な勉強方法を身に着けることをおすすめします。
簿記3級の難易度は高くない!
簿記3級は受験者のうち2人に1人が受かる試験で、難易度は高くありません。初心者の方であっても、学習時間を十分確保し、合格するための試験対策をしっかりすることができれば、十分に合格を目指すことができるでしょう。
効率的に学習したい場合や、独学でやってみたものの理解できない部分が多かったり、モチベーションが維持できないといった場合は、通信・通学講座を利用するのがおすすめです。
TACでは、簿記を初めて学習する方向けのコース、フォロー制度がしっかり整っているので、安心して学習をしていただくことができます。TACでは、簿記を初めて学習する方のためのコースがあり、講師が分かりやすく解説を行うので、安心して合格を目指していただくことができます。
自分に合った勉強方法を見つけて簿記3級の合格を掴み取りましょう。
この記事を書いた人
佐藤 浩之 講師 (TAC簿記検定講座専任講師)
「数字を使う資格だから難しそう?自分には向いていないんじゃないのかな?」そんなご意見も耳にします。
たしかに簿記というのは、数値を使ってはいるものの、ぜんぜん算数とか数学ではないんです。足し算や掛け算ができれば、だれでも勉強できます。
昔とは違い、経理関連の専門資格ではなく、いまはどのようなお仕事をするにあたっても持っておくべき知識が簿記には詰まっています。
実際の皆さまのお仕事に役立つことは保証します!ぜひ簿記資格に挑戦してみましょう!
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