ネットワークスペシャリスト試験とは?難易度や合格率を解説
ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、ネットワーク分野の高度な知識や能力を証明できる人気の国家資格です。今回は、試験の概要や内容、難易度の高さ、合格に向けた試験対策などを解説します。
高度IT系人材としてキャリアアップを目指し、ネットワークスペシャリスト試験の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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ネットワークスペシャリストは国家資格(レベル4)に位置する資格
ネットワークスペシャリストは、ネットワーク分野における専門的な知識や能力を有するスペシャリストであると国が認定する、人気の高い国家資格です。
IIT系国家資格の難易度は、共通キャリア・スキルフレームワークによるキャリアレベルの定義で確認できます。共通キャリア・スキルフレームワークとは、ITスキルレベルや人材類型、人材像などを定義したものです。
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験においては最高ランクである共通キャリア・スキルフレームワークレベル4に位置付けられている試験です。合格するためには高度な知識や技術が必要です。
ネットワークスペシャリスト試験は、高度IT社会を実現するために必要な、優れた技術を活用しうる人材を認定しています。たとえば、以下のような人材がネットワークスペシャリスト試験の対象者像です。
・適切な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守をするために中心的な役割を担えること
・専門家として情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援をおこなうこと
ネットワークスペシャリスト試験の内容
ネットワークスペシャリスト試験は、以下の4つの試験で構成されています。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
---|---|---|---|---|
試験時間 | 50分 | 40分 | 90分 | 120分 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 | 記述式 |
出題数 | 30問 | 25問 | 3問 (解答数2問) |
2問 (解答数1問) |
合格基準点 | 60/100点 | 60/100点 | 60/100点 | 60/100点 |
基本的には、これら4つの試験を受けなければなりません。それでは、各試験の内容をさらに詳しく確認していきましょう。
【午前Ⅰ】高度試験共通の問題
午前Ⅰ試験は、高度試験区分である他のレベル4の試験と共通の問題が出題されます。出題範囲は幅広いものの、レベル3に分類される応用情報技術者試験と同じ範囲から出題されるため、4つの試験のなかでは難易度が低めです。
また、以下のいずれかの条件を満たせば、その後の2年間、午前Ⅰ試験が免除されます。
・応用情報技術者試験に合格
・高度試験または支援士試験に合格
・高度試験または支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点を超える
【午前Ⅱ】テクノロジ系の分野からの出題
午前Ⅱ試験は、テクノロジ系の分野から出題されます。マークシート方式ではあるものの、出題分野に関する深い知識を問われる難問が多いです。午前Ⅰ試験と比較すると、難易度が高いといえます。
出題範囲は、コンピュータ構成要素・システム構成要素・ネットワーク・セキュリティ・システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術です。
そのなかでも、ネットワーク・セキュリティからの出題が多いようです。他の高度情報処理試験ではマネジメント系分野・ストラテジ系分野も出題範囲とされることがありますが、ネットワークスペシャリスト試験では出題されません。
【午後Ⅰ】問題を読み解く力と国語力が必要
午後Ⅰ試験の出題形式は記述式です。出題数は3つあり、そのうちの2つを選択して解答します。
午後Ⅰ試験および午後Ⅱ試験は、以下のような出題範囲です。
・ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守
・ネットワークサービスの活用
・ネットワークアプリケーション技術
・ネットワーク技術、関連法規
午後Ⅰ試験の合格には、ネットワークに関する深い知識が必要です。さらに、中長文の問題が出題されるため、知識だけではなく国語力が欠かせません。長文を読み解く力と、制限字数内で解答をまとめるために要点を絞り端的に解答する力が必要です。
【午後Ⅱ】ネットワークスペシャリスト試験の最難関
午後Ⅱの試験では、ネットワークの総合的な知識が問われます。2つ出題されるうちの1つを選んで解答します。午後Ⅱの試験も中長文の読解問題で、ネットワークスペシャリストの4つの試験のなかでも最難関です。
午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの試験は、100点満点で判定され、基準点である60点以上を獲得した人が合格します。
ネットワークスペシャリスト試験の合格率や難易度
先述のとおり、ネットワークスペシャリスト試験はIT系国家資格のなかでもレベル4にされている、難易度の高い試験です。それでは、具体的にどれくらい難易度が高いのか、合格率などとともに確認しましょう。
合格率は12%~15%
ネットワークスペシャリスト試験の近年の合格率は、以下のとおりです。
・2019年度秋期……14.4%
・2021年度春期……12.8%
・2022年度春期……17.4%
・2023年度春期……14.3%
近年はおよそ12%~15%台で推移しています。ネットワークスペシャリスト試験の受験には、特別な要件はありません。一方で、前述した4つの試験すべてで60点以上とる必要があるなど、難易度は高い試験だといえます。
他資格との難易度の比較
他資格との難易度を比較できるように、一般的にいわれる IT関連資格のレベルを以下の表で確認しましょう。
レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | |
---|---|---|---|---|
国家資格 | ・ITパスポート | ・基本情報技術者 | ・応用情報技術者 | ・ネットワークスペシャリスト ・情報処理安全確保支援士 ・ITストラテジスト など |
シスコ技術者認定試験 | CCT | CCNA | CCNP | CCIE |
サーバー分野 | ・LPIC Level-1 ・LinuC Level-1 |
・LPIC Level-2 ・LinuC Level-2 |
・LPIC Level-3 ・LinuC Level-3 |
- |
ネットワークスペシャリスト試験は、シスコ技術者認定資格の「CCIE」と同等のレベル4にあたる難易度です。とはいえ、実際には合格に必要な勉強時間などから見てCCIEのほうが難易度が高いと見られています。
ネットワークスペシャリスト試験の合格に向けた受験対策
難易度の高いネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、以下のような試験対策をすると良いでしょう。
・参考書を使って学習する
・過去問を繰り返し解く
・受験指導校の対策講座で学ぶ
それぞれの対策方法を確認しましょう。
参考書を使って学習する
ネットワークスペシャリスト試験の範囲は非常に広く、難易度が高い試験だといえます。そのため、重要な内容を効率よく学べる参考書を選ぶことが大切です。
「午後の試験を重点的に確認したい」「初心者にも読みやすい表現のものが良い」など、自分の目的に合った参考書を選びましょう。また、複数の教材を組み合わせるとより理解度を深められます。
過去問を繰り返し解く
ネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、過去問を繰り返し解くことも大切です。
ネットワークスペシャリスト試験は、午後からの試験が特に難易度が高いです。午後からの試験は、ネットワークに関する深い知識が必要となるだけではなく、そのうえで問題文の読解力や文章としてアウトプットする能力が欠かせません。
長文から意図を正確にくみ取り、解答を導き出す力を付けるためにも、過去問を何度も解いて解き方のコツを理解しておきましょう。
受験指導校の対策講座で学ぶ
ネットワークスペシャリスト試験の合格を目指すのであれば、受験指導校の対策講座で学ぶのがおすすめです。ネットワークスペシャリスト試験は合格率が低く、非常に難易度の高い資格試験です。
講座であれば効率よく学べる学習教材が揃っています。また、独学の場合には情報収集やスケジューリングが大変です。合格ノウハウが詰まった受験指導校のサポートがあれば、学習スケジュールが立てやすく、情報も手に入れやすいため、効率的に勉強できるでしょう。
効率的な学習で高難易度のネットワークスペシャリスト合格を目指そう
ネットワークスペシャリスト試験は、4つある試験ですべて60%以上の点を得る必要があります。特に、午後Ⅰ・午後Ⅱの試験は高度な知識を持ったうえで、文章としてアウトプットする国語力が欠かせません。
合格率は14%~17%前後であり、独学での合格は簡単ではありません。難易度の高いネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、効率的な学習ができるかどうかが大切です。受験指導校でしっかり計画を立てて、正しい学習方法で学習を進めていけば、効率よく合格をつかめる可能性が高まるでしょう。「資格の学校TAC」のように無料で講座説明会などを開催・配信している受験指導校もありますので、まずはお気軽に参加されてみてはいかがでしょうか。
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