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宅建士(宅地建物取引士)試験 合格発表!
合格基準点・合格率・試験傾向分析

 

令和5年度(2023年度)宅建士試験は、前年との比較で、申込者は約5,240名の増加受験者数は7,228名の増加となりました。受験率80.7%で微増しました。合格者数は1,500名の増加となりました。合格率17.2%でほぼ例年並みです。

このページでは令和5年度(2023年度)宅建士試験を分析します。受験者の人数や年齢、職業構成比を見てみましょう!

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令和5年度 宅建士(宅地建物取引士)試験の
合格者数・合格基準点・合格率等

(一財)不動産適正取引推進機構より、令和5年度(2023年度)宅地建物取引士資格試験の実施結果が発表されました。合格者には合格証書等を簡易書留郵便にて発送されるほか、(一財)不動産適正取引推進機構のホームページでも合否の確認や合否判定基準、試験問題の正解番号を確認することができます。なお、不合格者への結果通知はおこなわれません。

申込者数・受験者数・受験率・合格者数・合格率│令和5年度(2023年度)宅建士試験

令和5年度宅建士試験は、10月15日(日)に全国で実施され、結果は以下の通りとなりました。

令和4年度との比較で、申込者は5,240名の増加、受験者数は7,228名の増加となりました。
受験率80.7%は前年からの微増。合格者数は1,500名の増加となりました。合格率17.2%でほぼ例年並みです。

 令和5年度 令和4年度
申込者数

289,096名

<内訳>
一般申込者  233,867名
登録講習修了者 55,229名

283,856名

<内訳>
一般申込者  231,005名
登録講習修了者 52,851名

受験者数

233,276名

<内訳>
一般申込者  183,869名
登録講習修了者 49,407名

226,048名

<内訳>
一般申込者  179,048名
登録講習修了者 47,000名

受験率 80.7% 79.6%
合格者数

40,025名
男性:25,105名

女性:14,920名
<内訳>

一般申込者  28,098名

登録講習修了者 11,927名

38,525名
男性:24,535名

女性:13,990名
<内訳>

一般申込者  30,374名

登録講習修了者 8,151名

合格率

17.2%

うち登録講習修了者 24.1%

17.0%

うち登録講習修了者 17.3%

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合否判定基準│令和5年度(2023年度)宅建士試験

50問中36問以上正解した者

(登録講習修了者は45問中31問以上正解した者) 

令和5年度(2023年度)宅建士試験の合格判定基準点は36点です。
登録講習終了者の合格判定基準点は31点です。

合格者の平均年齢・職業別構成比率│令和5年度(2023年度)宅建士試験

合格者の平均年齢│令和5年度(2023年度)宅建士試験

  令和5年度:参考 前年(令和4年度):参考
平均年齢

35.6歳

男性:36.0歳

女性:35.0歳

36.5歳

男性:37.3歳

女性:35.2歳

職業別構成比率│令和5年度(2023年度)宅建士試験

不動産業 35.2%
金融関係 8.2%
建設関係 8.8%
他業種 25.0%
学生 10.9%
主婦 4.0%
その他 7.9%

宅建試験合格者で宅建業の実務に2年以上従事している者は、宅地建物取引士資格登録を経て、宅地建物取引士となることができます。

宅建業の実務経験が2年に満たない方が資格登録をする場合、「登録実務講習」を受講・修了することにより「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」と認められ、宅地建物取引業法第18条第1項に規定する宅地建物取引士資格の登録要件を満たすことができます。

お問い合わせ・試験実施機関

 

一般財団法人 不動産適正取引推進機構

〒105-0001

東京都港区虎ノ門3丁目8番21号 第33森ビル3階

試験部(宅建試験等)

電話:03-3435-8181

https://www.retio.or.jp/

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TAC宅地建物取引士講座による
令和5年度試験 傾向分析

総評│令和5年度(2023年度)宅建士試験

総評

令和5年度の宅地建物取引士資格試験の受験者数は23万3,300人、受験率は80.7%、受験者のうち登録講習修了者(5点免除者)は、4万9,406人であった(いずれも速報値)。
令和5年度は、令和4年度と比較して、難易度は易しくなった。得点しやすい問題が増えたため、全体の合格ラインは少し高くなると思われる。
科目ごとの傾向としては、《民法等》では、過去問での未出題分野・難しいと思われる出題もあったが、基本知識を前提に正解にたどり着く問題も少なくなかった。民法等全体の合格ラインは、例年程度であると思われる。《宅建業法》は、頻出の基本知識を問う問題が多数を占めている。消去法により正解肢を絞り込める問題も多かったことから、合格ラインは、例年通り高めであると思われる。《法令上の制限》は、過去未出題論点が散見されたものの消去法により、あるいは正解肢が易しいため得点できる問題が多かった。合格ラインは例年より高いと思われる。また宅建試験は例年その年の4月1日現在施行されている法令に基づいて出題されるため「宅地造成等規制法」(令和5年5月26日に「盛土規制法」に改正・施行された。令和6年以降は「盛土規制法」として出題される)からも出題された。「メリハリ付け」を超えて安易に「捨て問」にする判断がいかにリスクの高い判断であるかを示す教訓である。《その他関連知識》は、全体的には正解肢を絞り込みやすい問題であり、合格ラインは例年程度。登録講習修了者の免除問題(問46~50)も正解率が高く、特に登録講習修了者に有利な出題とはなっていない。
本試験では様々な出題の工夫がなされる。しかし、基本問題が出題の中心であり、過去問をしっかり学習し、基本的知識を徹底的にマスターしておけば、合格可能性はぐっと高くなる。合格の鉄則は、基本の攻略であるということを再確認して頂きたい。

科目別の分析│令和5年度(2023年度)宅建士試験

民法等 問1~問14

昨年度と同様、簡単な問題であるAランクの問題は4問、Bランクの問題は7問、他方、難問であるCランクの出題は3問であった。難しいと思われる問題もあったが、区分所有法(【問13】)や不動産登記法(【問14】)など、基本的知識からの出題といえる問題もあり、「民法等」全体としては、例年程度の難易度であった。
形式上の特徴としては、「判決文型」の問題(【問1】)が16年連続で出題された(令和2年度12月は出題されず)ほか、「組合せ問題」が1問(【問4】)、「個数問題」も1問(【問6】)あったが、昨年度と異なり、「比較問題」の出題はなかった。「事例型」の出題は、昨年度より2問増えて8問であった。内容上の特徴としては、不在者の財産管理(【問5】)という、過去に問われていないマイナーな分野からの出題はあったが、令和2年・5年施行の改正民法関連の出題が5問と多く(【問2】・【問3】・【問7】・【問9】・【問12】)、難易度に影響している。なお、【問12】において、13年連続で出題されていた定期建物賃貸借が出題されなかったことは、一驚であった。
以上、本年度においても出題は種々工夫されているが、やはり勝負は基本でついたものと思われる。合格目標得点は、7点程度。

法令上の制限 問15~問22

問題の難易度について、ここ数年に続き個数・組合せ問題はなく、基本知識を問う論点が目立った。今年も出題対象は主要6法令等が中心で、各法令の問題配置も固定化している。【問15】(都市計画法)は「地区計画」、【問16】(都市計画法)は「開発許可申請手続き」、【問17】(建築基準法)は「防火・準防火地域内の建築物の規制」に関する基本知識が、それぞれ正解肢として出題された。【問18】(建築基準法)は、「建蔽率の計算上の緩和」に関する基本知識が正解肢として出題されたが、「接道義務の制限付加」に関する難問が含まれていたため、解答に戸惑ったかもしれない。【問19】(宅地造成等規制法)は、令和5年5月に「宅地造成及び特定盛土等規制法」が改正施行されていたが、予想通り出題の対象になった。「造成宅地防災区域」に関する基本知識が正解肢として出題された。【問20】(土地区画整理法)は「仮換地の指定」、【問21】(農地法)は「4条許可不要のケース」、【問22】(国土利用計画法・重要土地等調査法)は「国土法事後届出不要のケース」に関する基本知識が、それぞれ正解肢として出題された。合格目標得点は、7点程度。

宅建業法 問26~問45

今年の試験は、電磁的方法による提供や押印不要という今年から試験範囲に加わった改正点からの出題が目立った。個数問題は7問(【問26】・【問28】・【問30】・【問34】・【問36】・【問38】・【問42】)、電磁的方法による提供については、5問10肢(【問26】・【問33】・【問35】・【問39】・【問45】)、押印廃止からは2問2肢(【問28】・【問43】)の出題があった。また、IT化についても1問1肢(【問36】)出題されており、近時の宅建業における業務のOA化を反映した出題となった。改正点がたくさん出題されたことから、試験前に本年度の改正情報を知って対策を立てることの重要性を再認識してほしい。ただし、いくら改正点がたくさん出題されても、過去に出題された定番論点の問題は確実に得点をしないと合格は難しいことから、過去問検討の重要性に変わりはない。
本年度の宅建業法は、組合せ問題は出題されず、個数問題は7問であり、個数問題の出題数は、例年よりもやや増加した。個数問題は、一般的には正答率が低くなり、合格目標点を低下させる方向に働くが、宅建業法の出題が全般的に平易だったこともあり、宅建業法では、20問中、17点程度は得点したい。

その他関連知識 問23~問25、問46~問50

税法(【問23】・【問24】)の直近9回の出題は、2017年(所得税法・固定資産税)、2018年(登録免許税・不動産取得税)、2019年(譲渡所得・固定資産税)、2020年10月(印紙税・不動産取得税)、2020年12月(登録免許税・固定資産税)、2021年10月(所得税法・不動産取得税)、2021年12月(登録免許税・固定資産税)、2022年(印紙税・固定資産税)、2023年(印紙税・不動産取得税)であった。【問25】は不動産鑑定評価基準からの出題。【問23】~【問25】は全体的には正解肢を絞り込みやすい問題であった。【問23】~【問25】は、3問中2問を得点したい。【問46】~【問50】は、やはり正解肢を絞り込みやすいことから、4問は得点できる出題であった。その他関連知識分野対策としては、例年通り過去問を分析し、法律改正点、統計資料をおさえ、答練・公開模試をこなすことが重要である。合格目標得点は8問中6点程度。

民法等 問1~問14

 簡単な問題であるAランクの問題は、本年10月実施の本試験より2問増えて5問、Bランクの問題は6問減少して4問、他方、難問であるCランクの出題は4問増えて5問であった。基本的知識からの出題もあったが、正解を導くことが極めて難しい問題も少なくなく、「民法等」全体としては、10月実施の本試験より難しくなった。 形式上の特徴としては、「組合せ問題」(【問8】)は出題されたが、定番化した「判決文型」の出題はなされなかった。また、「事例型」の出題も、10月実施の本試験より3問減少して5問。これらはやはり、問題制作までの時間が少なかったことを示している。内容上の特徴としては、改正民法関連の出題は7問あり(【問1】、【問2】、【問4】~【問7】、【問12】)、主要な改正点からの出題がなされた。また、親族(【問3】)・地役権(【問9】)が出題されたことも、難易度に影響している。しかし、例年通り、総じて、勝負は基本でついたものと思われる。合格目標得点は、7点程度。

法令上の制限 問15~問22

 12月試験問題の難易度は、一昨年~10月試験に続き個数・組合せ問題はなく、中には未出題の論点が存在したものの、解答し易かったと思われる。12月試験も出題対象は主要6法令に限られていた。【問15】(都市計画法)は、定番の「都市計画」に関する論点が出題された。【問16】(都市計画法)は、10月試験とかぶらない「開発許可の要否」の基本論点が出題された。【問17】(建築基準法)は、「単体・集団規定」に関する論点が出題された。未出題論点が2肢含まれていたが、解答に影響はなかったと思われる。【問18】(建築基準法)は、「集団規定」に関する全般的な基本論点が出題された。【問19】(宅地造成等規制法)は、「規制区域の指定者」「検査」「資格者による設計」「土地の立入りによる損失補償」の基本論点が出題された。【問20】(土地区画整理法)は、未出題論点を中心に構成された難問であり、正答率が低かったと思われる。【問21】(農地法)は、「定義」「3条」「4条」に関する基本論点が出題された。【問22】(国土利用計画法)は、定番の「事後届出」に関する基本論点が出題されたが、正解肢は平成14年の出題論点であった。合格目標得点は、7点程度。

宅建業法 問26~問45

 12月の試験は、試験実施団体である不動産適正取引推進機構が事前に告知していた通り、10月の試験とほぼ同様の難易度の平易な問題が出題された。正答率を低下させる出題形式である「個数問題」は、5問であり(個数問題の出題数は、一昨年は3問、昨年は6問、今年の10月の試験は4問、そして今回の12月の試験は5問と変動が激しい)、逆に正答率を上げる出題形式である「組合せ問題」はなかった。なお、10月実施の試験問題でみられた複数の肢が正解肢となる大きな出題ミスはなかったが、売買等か貸借かの限定がない【問37】は、出題者側のチェック不足が相変わらず解消されていないことを顕示しており残念である。 宅建業法の分野は、12月実施の試験においても、相当の高得点を獲得しておかないと、合格が遠のいてしまうことに変わりはない。宅建試験で出題される項目は、宅建士となった後に必要な知識を示すものであり、もちろん、過去問を検討することは宅建試験に合格するための王道かつ最短距離でもある。ただし、その過去問の勉強の仕方には、一定のノウハウが必要でもある。是非、TACの講義を聴いてそのノウハウを吸収し、最小限の努力で最大限の効果をあげて欲しい。今回の宅建試験に合格するためには、宅建業法では、20問中、17点程度は確実に得点したい。

その他関連知識 問23~問25、問46~問50

 税法(【問23】・【問24】)の直近4年間(2020年は10月と12月の2回実施)の出題は、2017年(所得税・固定資産税)、2018年(登録免許税・不動産取得税)、2019年(譲渡所得・固定資産税)、2020年10月(印紙税・不動産取得税)、2020年12月(登録免許税・固定資産税)であった。【問25】は地価公示法からの出題。【問23】~【問25】は全体的には平易な問題である。【問23】の正解肢は、やや悩むかもしれないが、正答率は高い。【問23】~【問25】は、3問中確実に2問を得点したい。【問46】~【問50】は、平易な問題であり、5点満点も充分狙える出題であった。その他関連知識分野対策としては、例年通り過去問を分析し、法律改正点、統計資料をおさえ、答練・公開模試をこなすことが重要である。合格目標得点は8問中7点程度(登録講習修了者は3問中2点)。

TAC「本試験解答分析サービス」の結果と受験者全体の得点状況の比較

 

データの多くがTAC本科生で占められている「本試験解答分析サービス」の結果と受験者全体の得点状況を比較すると、「本試験解答分析サービス」にご協力いただいた方のほうが平均点数が高いという結果でした。各科目ごとにみても、平均点は上記「科目別の分析」に表記した点数とほぼ一致しました。

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