宅建試験の内容は?試験の概要と出題範囲、知っておきたいポイント
宅建は毎年全国の20万人が受験し、約5万人が合格を果たす、日本一の人気国家資格です。
宅建試験は通常毎年10月の第3日曜日におこなわれています。試験内容は四肢択一のマークシート方式のみで、記述式の問題はありません。しかし、合格率が平均15%ほどと低いことからわかるように「なんとなく」で理解できる問題ではないため、記述式であっても答えられるぐらいの理解度が必要です。問題数は全部で50問で、内訳は「民法等」が14問、「宅建業法」が20問、「法令上の制限」が8問、「その他関連知識」が8問出題されます。
この記事の監修者:
笠松 信之(かさまつ のぶゆき)講師
TAC宅建士講座専任講師。モットーは「飽きの来ない授業」。常に「誰にでもわかりやすい講義」を追求し、熱意あふれる講師として受講生から大きな信頼を得ており、毎年大勢の合格者を輩出している。また、聞き取りやすい美声にも定評あり。渋谷校・入門向けコースの収録担当講師。教室は毎年定員が出るほどの人気講師。
宅建試験に関する基礎知識
宅建・宅建士は正式名称を「宅地建物取引士」といい、国家資格のなかでも人気の高い資格です。資格を持っている人にしかできない独占業務があり、不動産取引をするためになくてはならない存在で、企業によっては資格手当もあります。
はじめに、宅建士試験に関する基礎知識から解説します。宅建士試験の受験資格と申し込み方法、試験会場と試験日、合格発表の時期、試験形式、問題数、合格基準点(目標点)と合格率について、それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
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毎年20万人が受験する人気資格!│宅建試験の基礎知識
宅建試験は、不動産の仕事に関わる方はもちろん、学生や主婦など幅広い層が受験する、日本一の人気国家資格です。毎年全国の20万人が受験し、約5万人が合格を果たしています。
宅建は就職や転職の際のPRに役立つ点、資格手当などによる収入UPが見込める点、他資格(マンション管理士・賃貸不動産経営管理士・不動産鑑定士など)へのステップアップに役立つ点などから大変人気があります。また、他の国家資格よりも難易度的に受験しやすい点も人気の理由といえます。
受験資格と申し込み方法│宅建試験の基礎知識
現在、宅建士試験の受験資格はありません。学歴や経験、年齢、国籍などなにも制限がないことも関係し、さまざまな受験者が集まる人気の高い資格です。
申し込み方法は、インターネットや郵送での申し込みができます。インターネット申し込みでは原則として24時間利用可能なため、いつでも申し込みたいときに申請が可能です。
試験日と試験会場、合格発表の時期│宅建試験の基礎知識
宅建士試験の試験会場の通知は、毎年8月下旬ごろに送付されます。試験日は通常毎年10月の第3日曜日におこなわれており、2023年度は10月15日(日)13時~15時に実施されました。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響によっては、一部の試験地で試験会場が不足する可能性があります。申し込み人数が受験可能人数を上回った場合には、該当する人に連絡したうえで12月に試験を実施することがあるため、試験日時の通知が来たら日時をチェックしましょう(2023年度は10月のみの実施となりました)。
試験形式│宅建試験の基礎知識
宅建試験の試験形式は四肢択一のマークシート方式のみで、記述式の問題はありません。しかし、合格率が平均15%ほどと低いことからわかるように、「なんとなく」で理解できる問題ではないため、記述式であっても答えられるぐらいの理解度が必要です。
また、試験の合否は相対評価方式で判定されるため、はっきりと「何点取ったら合格」だといえるような点数はありません。
合格基準点(目標点)と合格率│宅建試験の基礎知識
先述のとおり、宅建士試験は相対評価方式で合否が判定されることから、はっきりとした合格点は決められていません。しかし、だいたいの基準となる合格するための目標点はあります。
例年、宅建士試験の合格基準点(目標点)とされている点数は、35点前後です。確実に合格を目指す場合には、37点くらいを目標として勉強しましょう。
試験制度をまとめると表のようになります。
受験資格 | ありません。どなたでも受験可能です。 |
---|---|
試験日 | 例年10月の第3日曜日 |
試験形式 | 四肢択一のマークシート方式のみ |
合格基準点 | 相対評価方式(合格点は決められていません。) |
問題数│宅建試験の基礎知識
宅建士試験の問題数は、全部で50問です。問題の内訳は、「民法等」の科目が14問、「宅建業法」が20問、「法令上の制限」が8問、「その他関連知識」が8問あります。
このように、「民法等」と「宅建業法」の問題数がほかの科目と比べてとても多いです。これらで点数を稼ぎたいところですが、それ以外の科目についてもしっかりと勉強するようにしましょう。
試験科目 | 問題数 |
---|---|
民法等 | 14問 |
宅建業法 | 20問 |
法令上の制限 | 8問 |
その他関連知識 | 8問 |
宅建士試験の内容や出題範囲
宅建士試験の内容は土地と建物に関することが出題されます。宅建士試験の内容は、大きく分けると以下のとおりです。
・ 債権や相続に関する「民法等」の問題
・ 割合が多い「宅建業法」の問題
・ 専門用語の多い「法令上の制限」の問題
・ これら以外に関する「その他関連知識」の問題
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
債権や相続に関する「民法等」の問題│宅建試験の内容
債権や相続などの権利関係に関係する民法等の問題は、50問中14問を占める数が多い出題内容です。民法は2020年4月1日に改正されたばかりの法律のため、試験内容への影響にとくに注意しましょう。
民法等の問題は生活になじみがあるものが多く理解しやすいものの、勉強する量が多く学習に時間がかかります。出題範囲は土地や建物の権利、権利の変動に関する法令に関することで、不動産の所有権や抵当権、売買、賃貸借などの契約です。
出題の割合が多い「宅建業法」の問題│宅建試験の内容
不動産取引業務を規制する宅建業法の問題は、50問中20問ととくに出題の割合が多いため、しっかりと勉強しましょう。定められたルールはあまり多くなく、勉強時間自体はほかの科目と比べてそれほどかからないものの、どのような問題が出題されても正解できるほどに答えの精度を高める必要があります。
宅建業法の出題範囲は宅地建物取引業法や同法の関係法令に関することで、土地・建物の円滑で公正な取引の促進や宅建業・宅建士の就業関係法規などです。
専門用語の多い「法令上の制限」の問題│宅建試験の内容
法令上の制限は50問中8問の出題ですが、なれない専門用語が多くルールも多いため、勉強しはじめは意味を理解しづらいでしょう。ただし問題自体はシンプルで過去と同じ問題の出題が多いため、問題数をこなせば答えやすいです。
これら以外に関する「その他関連知識」の問題│宅建試験の内容
その他関連知識の問題は50問中8問の出題で、不動産取引に関する税金についての問題が多いです。これもなれない言葉が多くはじめは理解しにくいものの、税理士ほどに難しい内容ではないため勉強次第で点が取れます。
その他関連知識の出題範囲は土地の形質・地積・地目・種別や建物の形質・構造・種別、宅地と建物の税に関する法令などです。
宅建士試験で知っておきたいポイント
宅建士試験合格を目指すうえでとくに知っておきたいポイントは、以下のとおりです。
・ 「免除科目」は条件次第で5問免除可能であること
・ 民法改正で2020年度以降の試験に変化があったこと
宅建これらのポイントを押さえるかどうかで点数に差が出やすく、合否に影響を及ぼす可能性があります。2つのポイントについて、それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
「免除科目」は条件次第で5問免除可能│宅建試験のポイント
「その他関連知識」の問題については、条件次第で5問免除した状態での受験が可能です。不動産業に従事している人だけが受けられる登録講習を修了してから3年以内であれば、5点分確実に点数が入っている状態にできます。
50問中35点ではなく45問中30点を目指せばよい状態になるため、合格しやすくできるでしょう。実際に、5問免除できた人は一般の人よりも合格率が高いというデータがあります。
民法改正で2020年度以降の宅建試験に変化│宅建試験のポイント
民法は120年もの間ほとんど変更されなかった法律でしたが、先述のとおり2020年に改正がありました。大きく変わったのは債権法の内容で、法律用語の変更や法律規定の変更があったため、過去問や古いテキストで正答が変わるケースがあり注意が必要です。
TACでは法改正に対応したオリジナル教材を用意してあり、講義も最新の内容をもとにしたものを受けられます。安心して学べるよう、TACでの学習がおすすめです。
試験内容を理解して宅建士試験の勉強をしよう!
宅建士は国家資格のなかでも人気の高い資格です。資格を持っている人にしかできない業務があるなど、不動産取引をするためになくてはならない存在で、企業によっては給料に資格手当も付きます。
宅建士試験の受験資格はありません。学籍や経験、年齢、国籍などなにも制限がないため、さまざまな受験者が集まります。
宅建士試験の試験は合格率が平均15%ほどと難易度が高く、記述式の問題はなくマークシート方式のみの問題が出題されるのが特徴です。条件次第で5問免除可能であることや民法改正で2020年度以降の試験に変化があったことなどのポイントを押さえて勉強し、宅建士試験合格を目指しましょう。
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