宅建士(宅地建物取引士)試験の合格までに必要な勉強時間は?
勉強時間はどれくらい必要?
勉強時間はどれくらい必要?│宅建の勉強時間
宅建試験の合格に向けて勉強時間は具体的にどれくらい必要なのでしょうか。また、独学する場合と資格予備校を利用する場合とではどれくらいの差があるのでしょうか。詳しくみていきます。
独学と資格予備校の勉強時間の違いは?│宅建の勉強時間
まず、宅建試験を今回初めて受験する人は、合格までにどれくらいの勉強時間を確保すればよいのでしょうか。
この点、独学で勉強するのであれば600時間、資格予備校に通うのであれば400時間が一つの目安となります。
「独学でも300時間で合格できる」と言われた時代がありましたが、近年は試験問題の難化が続いていることから、一般的に簡単に合格できる試験とは言えなくなっています。引っ掛け問題でも対応できるように「確実な知識」をインプットし、「十分な問題練習」をおこないましょう。そのために余裕を持った勉強時間を確保することをおすすめします。
独学の場合は対策を開始する際の「教材探し」からスタートし、法律知識のインプット、過去問対策、それと並行し「スケジュール管理」が必要となります。また、学習上の疑問が生じたときにインターネットを使って調べる時間も必要です。そのため、600時間(以上)が必要となります。
一方、資格予備校で学習する場合は、講義時間が150時間程度、それに加え自習時間が250時間程度必要となり、合計400時間程度が必要となります。独学であれば独りで対策しなければならないインプット部分は講師が伴走するため理解のための負担が大きく軽減されます。また、「教材探し」や「スケジュール管理」といった煩わしい点は予備校が肩代わりしますし、疑問点を解消できるフォロー制度を用意している予備校もあります。
一方で、独学に比べて資格予備校では受講料という費用がかかります。受講料は予備校により様々ですが、ある程度のまとまったお金が必要になることは間違いありません。資格予備校を利用することは、「お金で時間を買う」感覚に近いものといえるでしょう。
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独学と資格予備校の勉強時間の違いは?│宅建の勉強時間
宅建試験は「民法等」「宅建業法」「法令上の制限」「その他関連知識」の4科目が出題されますが、対策をするのに、どの科目にどれだけの時間がかかるのでしょうか。
4科目ともに法律の知識が大半を占めるため、特に法律を初めて勉強する方は不安になるかと思います。確かに法律には独特の言い回しがありますので、初学者が問題文を正しく読み、解釈できるようになるには時間がかかるものです。
この点、目安は以下の通りとなります。
民法等・・・160時間
宅建業法・・・120時間
法令上の制限・・・80時間
その他関連知識・・・40時間
まずは科目の特徴について説明します。どんな内容の問題が出題されるのでしょうか。見てみましょう。
「民法等」(14問出題)
「民法等」は不動産を購入する際などに交わす「契約書」に記載されている約束事を定めた法律です。1,000以上の条文からなる民法と、不動産登記法、借地借家法、区分所有法などの法律、加えて判例(裁判所の判決文)から出題される宅建試験最難関の科目です。
「宅建業法」(20問出題)
「宅建業法」は、宅建業者が実際に宅建業務をおこなう際の仕事上のルールを定めた法律です。配点が大きいため、ヤマかけしないで基礎から確実に知識をマスターしたい科目です。ただし、しっかりと学習すれば8割の得点が狙える科目でもあります。
「法令上の制限」(8問出題)
「法令上の制限」は、“住みよい街づくり”や、“安全な家づくり”をするためのルールを定めた法律です。都市計画法や建築基準法といった法律がそれに該当し、日常生活であまりなじみのない用語が出題される科目です。
「その他関連知識」(8問出題)
「その他関連知識」は、「民法等」、「宅建業法」、「法令上の制限」などの「主要3分野」以外の不動産に関連する多種にわたる問題が出題されます。税金制度や時事的な問題がこれに該当し、8題出題されます。
それぞれ、出題方法の癖もあり簡単に攻略できる、と言えるわけではないですが、「対策の仕方」次第で初学者でもムリなく習得できます。
科目の優先順位についてもみていきます。
まずは、過去に合格したTAC受講生の例を見てみましょう。このグラフは、TACで合格を果たした受講生が勉強をする上でどの科目に多く時間をかけたかをおおよそ表しています。
「民法等」と「宅建業法」だけで70%を占めていることがわかると思います。
つまり、資格予備校を利用した場合の勉強時間が400時間なので、科目別の時間の目安は
「民法等」が40%で160時間、「宅建業法」が30%で120時間、「法令上の制限」が20%で80時間、「その他関連知識」が10%で40時間となります。
さて、同じ法律科目であるにも関わらず、なぜ「民法等」に一番時間がかかるのでしょうか。
この点「民法等」は、配点比率が高いことや丸暗記では問題を解くのが難しいことから、「暗記」ではなく「理解」中心の勉強をして欲しい科目であることが理由です。
配点比率は「宅建業法」が一番高い(40%)ですが、宅建業法は「暗記」が中心となる科目です。「民法等」よりは対策がしやすく、短期間でも比較的得点を上げやすい科目といえるのです。
また、「民法等」は「法的な思考」を学ぶには最適な科目ですので、他に科目より先に取り組み、特に力を入れて学習をしておけば、後で学習する「宅建業法」や「法令上の制限」などもスムーズに理解することができるようになり、学習効率が上がります。そのため、じっくりと時間をかけて対策してほしい科目といえるのです。
対策を始める時期は?
対策を始める時期は?│宅建の勉強時間
宅建の学習はいつから始めればよいのでしょうか。
独学であれば600時間、資格予備校に通うのであれば400時間を逆算して、1日に勉強できる大体の時間を計算し、合格までに必要な日数を算出しましょう。
その際、受験まで余裕をもって期間を決めるのが資格試験攻略の王道となります。
1か月・1週間・1日の勉強時間は?
1か月・1週間・1日の勉強時間は?│宅建の勉強時間
勉強を始める時期を決めたら、(1)1か月あたりの勉強時間(長期)、(2)1週間あたりの勉強時間(中期)、(3)1日あたりの勉強時間(短期)を具体的に算出して目標を立てましょう。あらかじめ期間ごとの目標を明確にして自分に意識付けしておけば、勉強の習慣をつくりやすくなります。
11月からスタート・ゆとりをもって対策する場合
試験までの日数:11か月/47週/330日
《独学の方》
総勉強時間・・・600時間
1か月の勉強時間・・・55時間
1週間の勉強時間・・・13時間
1日の平均勉強時間・・・2時間
《資格予備校(TAC)の方》
総勉強時間: 400時間
(内、総合本科生SPlusの講義時間:160時間)
1か月の勉強時間・・・37時間
1週間の勉強時間・・・9時間
1日の平均勉強時間・・・1時間30分
時間的にかなり余裕を持ったスケジュールです。仕事やプライベートがある方でも、合間の時間をつかって少しずつ積み上げていける強みがあります。
独学の場合は、1日の平均勉強時間が2時間です。仕事やプライベートが忙しい場合は、平日(5日間)に1時間ずつ、休日(2日間)に4時間まとめて勉強する方法があります。
資格予備校(TAC)の場合、2時間30分ほどの講義が週1~2回あり、自習時間は週4時間~6時間30分ほどです。講義のある日や次の日に、復習を中心に少しずつ勉強を進めていく方法があります。
3月からスタートする場合
試験までの日数:11か月/47週/330日
《独学の方》
総勉強時間・・・600時間
1か月の勉強時間・・・55時間
1週間の勉強時間・・・13時間
1日の平均勉強時間・・・2時間
《資格予備校(TAC)の方》
総勉強時間: 400時間
(内、総合本科生SPlusの講義時間:160時間)
1か月の勉強時間・・・37時間
1週間の勉強時間・・・9時間
1日の平均勉強時間・・・1時間30分
時間的にかなり余裕を持ったスケジュールです。仕事やプライベートがある方でも、合間の時間をつかって少しずつ積み上げていける強みがあります。
独学の場合は、1日の平均勉強時間が2時間です。仕事やプライベートが忙しい場合は、平日(5日間)に1時間ずつ、休日(2日間)に4時間まとめて勉強する方法があります。
資格予備校(TAC)の場合、2時間30分ほどの講義が週1~2回あり、自習時間は週4時間~6時間30分ほどです。講義のある日や次の日に、復習を中心に少しずつ勉強を進めていく方法があります。
7月からスタート・短期集中で対策する場合
試験までの日数:3か月/13週/90日
《独学の方》
総勉強時間・・・600時間
1か月の勉強時間・・・200時間
1週間の勉強時間・・・47時間
1日の平均勉強時間・・・7時間
《資格予備校(TAC)の方》
総勉強時間: 400時間
(内、チャレンジ本科生の講義時間:73時間)
1か月の勉強時間・・・134時間
1週間の勉強時間・・・31時間
1日の平均勉強時間・・・5時間
夏になると独学・資格予備校ともに時間的余裕はなくなってきます。特に独学の場合仕事をしながらの方は厳しい戦いとなり、仕事以外の時間のほとんどを宅建対策に充てる必要があります。資格予備校の場合でも自習時間が増え、タイトなスケジュール管理が必要となります。
独学の場合は、1日の平均勉強時間が7時間です。仕事をしながらの方は休日をフルに使って対策することになります。平日(5日間)は4時間ずつ、休日(2日間)は13時間ずつまとめて勉強する方法があります。有給休暇などを使ってまとまった時間を確保する手段も必要かもしれません。
資格予備校(TAC)の場合、2時間30分ほどの講義が週1~2回あり、自習時間は週26時間ほどです。平日(5日間)は2時間ずつの自習時間を、休日(2日間)に8時間ずつまとめて勉強する方法があります。
おわりに
今回は、宅建士の勉強時間やスケジュールについてご紹介していきました。
宅建士は例年20万人以上が受験することから、他の国家資格に比べて取得しやすいと思われがちですが、「合格率15%~17%」が示す通り、実際は簡単な試験ではありません。
しっかりと対策するのであれば、独学であれば600時間以上、資格学校に通うのであれば400時間を確保しておく必要があるでしょう。また、ご自身のライフバランスを考えて勉強のスタート時期を決めましょう。
資格予備校学校のメリットは、総勉強時間を短縮でき、また学習時間の多くを講師が伴走してくれる点です。集中力を切らさずに勉強を続けることができます。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
宅建士試験について、「試験制度が知りたい」、「合格者の学習体験談について知りたい」という方は次のページもご参考になさってください。
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