情報処理安全確保支援士の合格率は?難易度が高い理由や対策のポイントを解説

情報処理安全確保支援士試験の合格率について詳しく解説!

情報処理安全確保支援士試験は、スキルレベル1~4で分類される情報処理技術者試験において最高難易度となるスキルレベル4の試験となります。難易度が高いといわれていますが、合格率はどれほどなのでしょうか。

この記事では、情報処理安全確保支援士試験の例年の合格率や近年の推移などを解説します。難易度が高い理由や合格するためのポイントも紹介しますので、資格取得を目指す方はしっかりとチェックしましょう。

情報処理安全確保支援士試験の合格率は20%前後

情報処理安全確保支援士試験の合格率は20%前後

「ランサムウェア」「標的型攻撃メール」などの情報システムを狙ったサイバー攻撃は年々増加していますが、その反面、情報セキュリティを担う人材は不足しているといわれています。

その、情報セキュリティを担う専門人材の育成と確保を目指して創設されたのが「情報処理安全確保支援士」制度です。

情報処理安全確保支援士試験の合格率は、例年およそ20%前後で推移しています。情報処理安全確保支援士試験の合格率について、詳しくチェックしていきましょう。

合格率の推移

近年における情報処理安全確保支援士試験の合格率の推移は、以下のとおりです。

・2022年度秋期 21.1%
・2022年度春期 19.2%
・2021年度秋期 20.1%
・2021年度春期 21.2%
・2020年度10月 19.4%
・2020年度春期 中止
・2019年度秋期 19.4%
・2019年度春期 18.9%

このように、近年実施された情報処理安全確保支援士の合格率は20%前後での推移となっています。

受験者数と合格者数の推移

近年における情報処理安全確保支援士試験の受験者数と合格者数の推移は、以下のとおりです。

受験者数 合格者数
2022年度秋期 13,161名 2,782名
2022年度春期 11,117名 2,131名
2021年度秋期 11,713名 2,359名
2021年度春期 10,869名 2,306名
2020年度10月 11,597名 2,253名
2020年度春期
2019年度秋期 13,964名 2,703名
2019年度春期 14,556名 2,744名

情報処理安全確保支援士試験の難易度が高い理由

情報処理安全確保支援士試験の難易度が高い理由

このように、情報処理安全確保支援士試験は合格率が低く、難易度が高いといわれている試験です。情報処理安全確保支援士試験は経済産業省認定の国家試験である情報処理技術者試験の中のひとつです。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している国家試験には難易度に応じたスキルレベルが設定されており、情報処理安全確保支援士試験は最高レベルとなるスキルレベル4に相当する高度な専門スキルを認定するための資格です。サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能が問われます。

それでは、情報処理安全確保支援士試験の難易度が高い理由についてチェックしていきましょう。

高度な専門知識が問われる

情報処理安全確保支援士試験は高度な専門知識が問われる試験です。応用情報技術者試験合格者または合格レベルにある方による受験を想定した内容になっていることもあって、特に情報処理技術者試験を初めて受験される方にとっては難易度が高いといえます。

午後試験が記述式となるため読解力が求められる

情報処理安全確保支援士試験の午後試験が記述式となることも、難易度が高い理由のひとつです。

情報処理安全確保支援士試験の午後試験では長文の記述式問題を解くため、問題に対する深い理解度とそれをアウトプットできる能力が必要とされ、難易度が高まっているのです。

独学で情報処理安全確保支援士試験の合格を目指すのは簡単ではない

独学で情報処理安全確保支援士試験の合格を目指すのは簡単ではない

先述のとおり、情報処理安全確保支援士試験の合格率は例年で20%前後です。2022年度秋期試験では21.1%の合格率でした。

このように、情報処理安全確保支援士試験はただでさえ難易度が高くて合格率が低い試験です。そのため独学で合格を目指す場合には、より合格が難しくなるといえるでしょう。

ここからは、独学で情報処理安全確保支援士試験の合格を目指す場合の勉強時間の目安や、合格点などの試験に関する基礎データを解説します。

前提知識は応用情報技術者試験合格レベル

情報処理安全確保支援士試験は前提として、応用情報技術者試験の合格者または合格レベルにある方を想定しています。情報処理技術者試験に関する学習が初めての方は、いきなり情報処理安全確保支援士試験から受験するのではなく、レベルに合った試験からステップアップしていくことをお勧めします。

その理由のひとつは「午前I試験」にあります。高度試験・情報処理安全確保支援士試験の午前I試験は高度共通試験として実施され、試験区分を問わず、共通の問題が出題されます。出題内容は応用情報技術者試験の午前試験問題の抜粋です。受験区分の専門分野以外からも出題されるため、午前I試験突破のためには必然的に応用情報技術者合格レベルの知識が必要になります。

目安として200時間以上の勉強時間が必要

応用情報技術者試験の合格者または合格レベルにある方が、独学で情報処理安全確保支援士試験の合格を目指す場合には、必要とされる勉強時間の目安が200~600時間ほどだといわれています。TACなどの受験指導校を活用した場合には、勉強時間の目安は100~200時間程度です。

合格点は満点の60%

情報処理安全確保支援士試験には午前I試験、午前Ⅱ試験、午後試験の3つがあり、試験の合格点は満点の60%です。午前I試験、午前Ⅱ試験、午後試験すべてで60%以上の得点を獲得する必要があるため、それぞれの試験の特徴に合わせた対策をするべきでしょう。試験内容の傾向が変わることに注意して、いずれの試験でも十分な得点が取れるように学習してください。

偏差値は67程度

情報処理安全確保支援士試験の偏差値は67ほど、ひとつ下のレベルの応用情報技術者試験の偏差値は61~65ほどだといわれています。情報処理安全確保支援士試験の偏差値と同程度の資格には、中小企業診断士などがあります。

情報処理安全確保支援士試験に合格するためには

情報処理安全確保支援士試験に合格するためには

情報処理安全確保支援士試験に合格するためには、以下のポイントを押さえて学習するのがおすすめです。

・午前I試験免除を有効活用する
・過去問で傾向を掴む
・午後試験対策をしっかりとしておく
・受験指導校を活用する

それぞれのポイントを詳しくチェックしていきましょう。

午前I試験免除を有効活用する

情報処理安全確保支援士試験および情報処理技術者試験の午前I試験については、次の条件のいずれかを満たせば、その後2年間受験が免除されます。

・応用情報技術者試験に合格する。
・高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格する。
・高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前I試験で基準点以上の成績を得る。

受験申し込み時に申請することによって、情報処理技術者試験の情報処理安全確保支援士試験、高度試験の一部(共通的知識を問う午前I試験)が免除され、午前Ⅱ試験から受験することが可能です。トータル300分の長丁場で体力勝負ともいわれる情報処理安全確保支援士試験ではこうした制度を活用して少しでも負担を減らしましょう。

過去問で傾向を掴む

先述のとおり、情報処理安全確保支援士試験の出題範囲は幅広いです。そのため、過去問で試験の傾向を掴んでおき、効率的に勉強することをおすすめします。

とくに午前I試験、午前Ⅱ試験は過去問題からの再出題が多いため、過去問をたくさん解いておくことで、たくさんの問題に解答できるようになるほど、関連した問題が多いといわれています。

午前II試験については、試験区分ごとに「重点分野」が指定されており、そこからの出題比率が高いので、「重点分野」に焦点を当てて学習するのがよいでしょう。なお、情報処理安全確保支援士試験における重点分野は「セキュリティ」と「ネットワーク」です。

午後試験対策をしっかりとしておく

先述のとおり、情報処理安全確保支援士試験の午後試験は長文の記述式問題です。そのため、問題に対する深い理解度と長文読解力、アウトプットできる能力が必要とされます。情報のインプットだけではなく、知識を設問要求に合わせた形でアウトプットきるようになることなど、午後試験のための事前の対策が必要です。

さらに午後試験では、「出題者の要求に的確に答える」 ことが最も重要です。

出題者が何を求めているのかを短時間で把握し、設問の要求に沿った形式で答えることを心がけましょう。例えば、「リスク」と「問題点」を混同して答えない、理由が問われていれば「~から。」で答える、といった基本的なことが案外重要です。
また、短時間で制限字数内に解答をまとめる訓練として、「時間を計って解く」「解答を紙に書き出す」といったこともおこないましょう。

受験指導校を活用する

情報処理安全確保支援士試験に合格するには、受験指導校を上手に活用することをお勧めします。TACなどの受験指導校ではたくさんの方を合格に導いている長年のノウハウがあるため、独学で学ぶよりも効率的に学習が可能です。うまく活用して、努力したことを合格につなげましょう。

合格率を把握して試験に臨もう

情報処理安全確保支援士の試験概要

情報処理安全確保支援士試験の合格率は受験する時期によって多少異なるものの、おおよそ例年20%前後で推移しています。2022年度秋期試験では21.1%の合格率でした。

情報処理安全確保支援士試験はただでさえ難易度が高くて合格率が低い試験です。そのため、独学で情報処理安全確保支援士試験の合格を目指すことは容易ではありません。

情報処理安全確保支援士試験に合格するためには、以下のポイントを押さえて学習するのがおすすめです。

・午前I試験免除を有効活用する
・過去問で傾向を掴む
・午後試験対策をしっかりとおこなう

さらに、受験指導校を活用すれば独学の場合よりも短い勉強時間で必要な知識が備わります。ぜひTACを活用して、効率的な情報処理安全確保支援士試験対策を行いましょう。

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