税理士ブログ 第70回税理士試験合格者の「会計科目学習法」③
「税理士試験の合格者は、どのように簿記論や財務諸表論の学習をしたのか?」について知りたい方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、第70回税理士試験で見事合格を勝ちとられた方々が実践した「簿記論・財務諸表論の学習法」をご紹介します。
今回は最後の第3回目のお届けになります!
■本試験時間やA・B・Cランクを常に意識してトレーニングを繰り返す
平田 光徳さん
特に簿記論についてですが、本試験では時間が足りなかったり、ものすごく難しい問題が出たりするため、答練や模試を解く際には、120分の時間をいかに有効に使って合格点を取るかということを意識しました。講師から教えてもらうA・B・Cランクを頭に入れ、これはどのランクかを瞬時に判断しました。落としてはいけないAランクを確実に仕留め、できなくてよいCランクを確実に捨てて、余った時間でBランクをできるだけ解くように訓練しました。こういう練習をしていると本番でも同じようにできます。
■講義後その日のうちの復習が合格レベルの理解力に繋がる
野田 美紀さん
仕事と学業の両立のために、講義を受けた後は、その日のうちに必ず復習をしていました。1日でも復習しなければ、たちまちに解消することができなくなります。その日の講義を思い返しながら、すべてをノートに書き記し、テストや練習問題も全部解き直しました。意識したのは、講義を受けたことで勉強したつもりにならないということです。講義の活用は知らなかったことに気づくことで、さらにその知識を合格レベルに達するためには自身の理解を高めることが必要だと思います。
簿記論の学習の基本は、仕訳の積み重ねで、常にミニテストの目標を満点にすることだと思います。解答ミスは当然に誤脱字も常に反省しました。意識したのは、どんなに簡単な問題も論点も大切に理解するということです。常にB/S、P/Lの当期純利益が合致することをイメージしながらコツコツ仕訳を積み重ねていくよう心掛けました。
財務諸表論の理論では、試験委員の論点をひたすら読み書きしました。理論の学習に苦手意識を持ち、何を理解すべきかが分からずに苦しみました。もうだめだと思った受験日前日、目から鱗が落ちたように理解できました。基礎期の学習が基本にあり、諦めずコツコツ復習したことが合格の手掛かりとなりました。諦めないのみです。
■アウトプット教材は最低3回解く
塩谷 眞生さん
試験情報を熟知しているTACの講師の方々を信じて、講義で教わる解き方や解答用紙の書き方など、すべて素直に受け入れて従うようにしていました。直前期にはTAC出版の過去問題集も購入しました。簿記論・財務諸表論いずれもトレーニング(問題集)・答練・過去問は最低3回は解いていたと思います。
財務諸表論は計算にウェイトを置いて勉強しました。理論は行き帰りの電車でポイントチェック(要点集)を使って黙読して覚えるのがメインで、家では理論テキストの詳解を読んで理解を深めつつ、ミニテストや演習回の前日に一度書いてみて確認するようにしていました。
■財務諸表論で計算ルールを理解できると、簿記論の学習効率もが上がる
立石 京平さん
簿記論と財務諸表論を一緒に勉強していましたので、簿記論のトレーニング(問題集)を反復練習しながら、財務諸表論の理論はなるべく暗記にならないように理解することに注力していました。これで財務諸表論の計算問題にだいたい対応できる計算力が身につきますし、簿記論での計算ルールを理論的に理解することができて大変効率が良かったです。理解ができると使用する頭の容量が一気に減るため、あまり暗記が得意でない私はなるべく理解をするように心掛けていました。
■ボトルネックの原因と分析を行うことで計算スピードを上げた
高島 司裕さん
簿記論は本試験の問題のボリュームが多いうえに、拾うべき問題と捨てて良い問題の取捨選択が非常に重要なため、計算のスピードを上げることをとても重要視していました。そのために実施したことは、初見の総合問題を大事に解くことと、解き終わった後に間違えた問題と解くのに時間がかかった問題について、それらの原因を分析し、同じことを繰り返さないために、該当の個別問題に立ち返り徹底的に復習してつぶすことを繰り返しました。また、簿記論は小さな数字を問題用紙に書き込むことが多いため、自分に合ったボールペンを見つけることは、意外と大事だと思います。