日本のプロフェッショナル 日本の会計人|2020年1月号
服部 峻介
Seven Rich会計事務所
株式会社Seven Rich Accounting
公認会計士・税理士 代表取締役社長
服部 峻介(はっとり しゅんすけ)氏
1983年生まれ、北海道出身。北海道大学経済学部卒業。2005年、公認会計士2次試験合格。2006年、有限責任監査法人トーマツ入所。2010年、トーマツを退職し、経営コンサルティング会社に参画。2011年、Seven Rich会計事務所、株式会社Seven Rich Accountingを創業。
自分自身を見つめて、強みと弱みを把握していることが、会計事務所を超えるサービスの提供につながっています。
「かっこいい自分」とはいったい何だろうか。そうありたいと考えても、誰もがそこに向かって進んでいけるわけではないかもしれない。公認会計士・税理士の服部峻介氏は、「自己実現」という目的を果たすため「独立開業」という選択をした。王道の会計事務所でありながら、会計事務所の枠を超えるサービスの提供を行う。パーソナルジムやカフェの経営、さらに投資家としての側面を持つ服部氏の歩みと現在、そして今後についてうかがった。
公認会計士試験に現役合格
「かっこいい自分でありたい」という自身の強い思いから、「かっこ悪くない自分であるためには」ということを考え、その思いを実現するために独立開業という選択をしたのが公認会計士・税理士の服部峻介氏である。
2011年7月に、会計税務を中心としたSeven Rich会計事務所とコンサルティングを中心とした株式会社Seven Rich Accounting(SRA)を創業した服部氏。その独立開業までの歩みをまずは振り返ってみたい。
北海道札幌市出身の服部氏は、高校生までは野球少年であった。進学した高校が甲子園に出場したこともある学校だったことから、当然のように甲子園出場をめざし練習に打ち込んでいた。
「通っていた高校は進学校でありながら、甲子園にも出場するような学校でしたから、自分もそのつもりで練習をしていました。ただ、怪我で最期の大会には出ることができませんでした」
そんな服部氏が公認会計士(以下、会計士)の存在を知ったのは高校3年生のとき、職業一覧のようなものを見る機会があったことからだ。
「将来のことは消去法で考えました。自分には、スポーツでプロになれる才能もないしクリエイティブな才能もない。理系でもないので文系。すると将来はビジネスの世界でやっていくことになるだろう。実際は社会に出てみないと、自分にどんな仕事ができるかはわからないので、まずはビジネスで一番の資格、会計士を取っておこう、と考えました」
服部氏は北海道大学経済学部に進学し、大学1年生の夏から簿記の勉強を始めた。
「1年生の11月に日商簿記検定2級に合格し、その後、1級と全経上級の勉強をして、2年生の時に会計士の勉強を始めました」
では、服部氏はどのようなプランで会計士受験を行ったのだろうか。
「1年間で合格しよう、というような無理な計画はせず、現実的なラインである2年間きっちりと勉強をして、4年生のときの本試験での合格をめざしました。受験勉強に力を入れるだけでなく、大学の授業もきちんと出席して、2、3年生のうちに取れる単位はできるだけ取りました。というのも、会計士の受験は試験の直前期が大事だと考えたからです。直前期に会計士受験に集中するためには、早めに大学の単位は取得しておく。これは戦略的に考えて行動しました」
こうして服部氏は4年生で会計士試験に合格。見事、現役合格を果たした。
いい人とだけ仕事をしたい
大学の授業と会計士受験を戦略的に組み立てて現役合格を果たした服部氏だが、就職活動はどのように行ったのだろうか。
「まず、一般企業への就職活動は一切行っていません。会計士一択で、逃げ道は作りませんでした。監査法人ヘの就職活動も一択で、有限責任監査法人トーマツだけ受けました。一択にした理由は、尊敬する先輩がそこで働いていたということもありますが、その当時一番厳しくて成長できる可能性が高い監査法人がトーマツだと言われていたからです。ですから、他の監査法人は説明会にさえ行っていません」
こうして服部氏は大学卒業後、北海道を離れて上京、トーマツに入所したのである。
「私が会計士に合格した当時は、今とは異なり、北海道にいながら監査法人の情報を知ることは簡単ではありませんでした。先輩の話が唯一の情報源という環境の中、上京を果たしてトーマツに入ったのですが、なんと会計士登録をするための要件のひとつである実務補習に関して、予想していなかった状況が待っていたのです。実務補習は、会計士試験の合格発表後に実務補習所で行われます。しかし、大学在学中に合格した私の場合、当時の札幌には実務補習所がなかったため、卒業後に上京してから受けるしかありませんでした。ところが、上京後、いざ実務補習を受けようとしたところ、すでにその年のカリキュラムの半分が終わってしまっていたのです。いろいろとかけ合ったのですが、すでに終わってしまった分はどうすることもできず、結局、同期合格者と一緒に後半のプログラムを受けて、前半のカリキュラムについては次の年の合格者と一緒に受けました。ですから、同期と比べると半年遅れで実務補修所での実務補習が終わったことになります」
このときの働きかけや、服部氏が母校の北海道大学で後輩の会計士受験を指導したこと、それによって現役合格者が増えたこともあり、数年後には札幌にも実務補修所が開かれたのである。
服部氏はトーマツではどのような業務に携ったのだろうか。
「国内監査をまんべんなく経験しました。商社やその子会社、上場準備会社、IT企業、ホテルなどを経験し、インチャージも務めました。実は、トーマツに内定してからいろいろな部門の説明を聞いて、ベンチャー支援の部門もいいな、と思ったのですが、面接時に監査をやりたいと話していたので、監査部門に配属となりました。結果としては、よかったと考えています」
トーマツで約4年間勤務した後、服部氏は経営コンサルティング会社に参画している。その当時は独立開業という選択肢はなかったのだろうか。
「もともと自分は、トップではなくナンバー2が向いていると考えていましたので、トーマツを辞めるときに独立開業という選択肢はありませんでした」
経営コンサルティング会社では、上場準備やJ-SOX対応、デューディリジェンスなどの業務を担当した服部氏だが、どのような心境の変化があって、独立開業に目が向いたのだろうか。
「その会社では、企業規模が大きいクライアントに対する会計士としての仕事が多かったのですが、自分としてはもっと税務寄りで周りの人のためになる仕事をしたい、そして、自分にとっていい人とだけ仕事をしたいと考えていました。提供するサービス、クライアント、一緒に働く人を自分で選んでいこうと考えたとき、自分で作りたい世界観を実現するには、自分がトップでなくてはいけないことに気づきました。周りの人を助けるには、ときには赤字でも仕事を提供する必要だってある。その判断はナンバー2ではできません」
こうして2011年7月、服部氏は会計税務を中心としたSeven Rich会計事務所と、コンサルティングを中心とした株式会社Seven Rich Accountingを創業したのである。Seven Richというネーミングについて服部氏はこう語っている。
「人生が楽しく、充実したものでいられるような環境を作りたいと考え、そのために『7つのRich』を提供したいと思いました。夢も、お金も、時間も、仲間も、家族も、健康も、人間性も豊かにしていきたいとの思いを込めました。Richと言う言葉は受け取られ方によっては対外的にちょっと微妙なところもありますが、私たちはお金を扱う仕事なので、正しいリテラシーを周囲に届けていきたいという思いも込めています」
口コミで広がったクライアント700社
独立開業にあたって「かっこいい自分でありたい」と考えた服部氏は、「目の前に困っている人がいたら見て見ぬふりをせず、助けてあげる」ということを明確に意識して、業務を行ってきた。
創業9年目の今日、クライアントは約700社。そのほとんどが口コミで広がったクライアントだという。会計業界においてもWebサイトを活用した集客が主流となっている中、どのようにして口コミによる集客を実現したのだろうか。
「最初はメチャクチャがんばりました。泥くさく交流会に出席したり、セミナーを行ったり、自分で動き回りました。独立しそうな人はいないか、何か困っていることはないかと声をかけ、相談があればどんな内容でも対応していきました。相談を受けた際は、最初に必ずギブできるようにしましたし、要望には何でも応えて、いいサービスを提供するようにしました。もちろん会計税務以外の相談でも力になってきました。そして、誰よりも動き回っていた結果、半年から1年が経つ頃には口コミによる紹介をしてもらえるようになり、今では募集を止めても紹介案件がくるようになりました」
独立開業にあたって、器となる事務所をどうするかにはいろいろな考え方がある。そんな中で服部氏は最初から「事務所を大きくする」と決めており、自己資金、両親からの借入、銀行融資などの適切なリスクを取り、約100㎡の事務所を借り、スタッフも数人雇ってスタートしている。それにしても約100㎡の事務所は最初にしては広過ぎではなかったのだろうか。
「小さいところを借りて、そこからのステップアップを考える方もいると思いますが、自分は大きなところを借りて自分自身にプレッシャーをかけるほうが向いているだろうと考え、約100㎡の事務所を借りてスタートしました。ですから広過ぎということはありませんでした」
服部氏によれば、自分のタイプを自分で分析できることが、自身が成功している要因だという。では、どうすれば自分のタイプがわかるのだろうか。
「とにかく自分から逃げないということに尽きます。例えば受験時代、勉強をしたくない自分がメチャクチャいました。そういう弱い自分と向き合って、どう勉強するのか、結果を出すためにはどうしなければならないのか、と向き合い続けるんです。覚えられなかったら、どうすれば覚えられるかを山ほど試したり、本を読んで参考にしてみたりして客観的に振り返りました。やりたくないことを朝やったほうが効率がいいと思ったら、苦手な計算系の勉強を朝やりました。空腹状態のほうが勉強がはかどるなら、なるべく空腹状態で勉強をしました。食べる時間がもったいないと感じたら、勉強しながら食事を摂りました。夜の寝る前の1時間が勉強がはかどったことから、自分は締切があったほうがはかどるタイプだとわかりました。
このように自分と向き合って、できる自分とできない自分がはっきりとわかっていたので、経営者になったら適切なリスクを取ったほうががんばれると思い、リスクを取りました。そして、今じゃなく未来を見据えられるのが自分の強みだから、未来を見て今を見ないようにアプローチしたり、『深く狭く』よりも『広く浅く』がいいとか、自分ができないことは人に任せるとか、自分を理解した上で行動する。それが私の強みだと思います」
王道の会計事務所
最初から「事務所を大きくする」と決めていたというが、具体的な数字を想定していたのだろうか。
「目安として、『スタッフ50人でクライアント1,000社』と言ってきました。目の前の困っている人を助けるためには、守備範囲は何でもいいと思っていましたし、もともと1人ですべてできるとは思っていなくて、「組織」を作りたいと考えていました。クライアントが1,000社あったら、いろいろな会社、業種、ビジネスモデルがあるので様々な相談があるでしょうが、スタッフが50人いたら何でもできるでしょうし、力になれる。そのための規模であり、ひとつの目安としての数字です。この目安はほぼ達成できたと考えています」
業務内容については、どのように考えているのだろうか。
「一般的な会計事務所が提供する業務はほぼ網羅しています。当事務所は王道の会計事務所なので、何かの分野に特化することはありません。確かに、特化したほうが収益を上げることを考えるといいのかもしれませんが、私たちはいい人だけをクライアントにする方向性でやっていますので、いい人からの依頼ならどんなことにでも応えていきます。だから特化はできないんです。たまたま創業からサポートしてほしいという20代〜30代のクライアントが多かったので、結果として、そこから紹介されるIT、ベンチャー、スタートアップが多くなりました。
業務としては、創業からサポートをはじめ、普通の税務会計・決算をすることがほとんどですね。当事務所には労務の支援をする社会保険労務士もいますし、グループの中には法律事務所などもあり、士業によるワンストップサービスも実現しています。もちろん経理のアウトソーシングにも対応しています。
案件として多いのはベンチャー企業からの資金調達の相談です。内容は、単なる融資の支援だけではなく、いろいろな銀行からお金を借りて、エクイティ(資本による資金調達)とデット(負債による資金調達)をどうセットして未来を描いていくのかという内容が多いですね。私自身が出資している会社も25社ありますので、投資家として外部CFOとしての機能を担っていくこともあります」
クライアントの業種としては、農業などの1次産業以外はほぼすべてあり、スポーツ選手や芸能人のクライアントもいるという。また、投資している会社に関しては、あくまでも投資家として判断しているという。ではどんな基準で会社に出資をしているのだろうか。
「ファイナンスのリテラシーを持っているクライアントの経営者から出資を頼まれた場合には出資しています。事業を広げていけるとか、よりコミットしていける、一緒にゴールをめざしていける場合に出資します。
今後やっていきたいことのひとつに、ベンチャーキャピタル機能を持っていきたいというものがあります。クライアントにファイナンスの支援、事業の支援、売上を作っていく支援もしていきます。クライアントのバックオフィスをしっかり守り、ファイナンス面をデットで支援し続けた結果、エクイティの面でも支援できるようになってきました。クライアントと一緒に売上を伸ばして、新しい事業を作っていきたいですね」
事務所には新しい事業を作っていくためのチームもあるという。さらにウエルネスチームがあり、パーソナルジム「b{stoic(ビーストイック)」2店舗を経営している。そこにはトレーナー7名、鍼灸師5名、管理栄養士7名が在籍しており、クライアント経営者の健康や、従業員の健康面も支援できる体制となっているのだ。
「健康であることはすごく大事なことだと考えています。それは受験生も同様で、パフォーマンスよく勉強を続けられるかは健康にかかっています。クライアント経営者の健康や従業員の福利厚生につながっていきますので、栄養・食事指導のサービスも展開しています」
その他にも、カフェを3店舗経営しており、スープカレーの店も出している。
「カフェは知り合いの中でもいつかやりたいという人が多いので、自分でも出してみました。食は健康につながっていきますし、やはり、リアルな実践の場があれば情報を発信することもできます。スープカレーは自分が好きで、もっと広がってほしいという思いもあり東京に出しました。事務所には飲食チームもあり、飲食業をやってみたいと希望して入社した新卒社員もいます。いつかやりたい、やってみたいと思っていることをどんどん実現していきたいですね」
どんな自分になりたいのか
Seven Rich会計事務所と株式会社Seven Rich Accounting(SRA)は合わせて現在約50名体制となっており、会計士3名、税理士5名、社会保険労務士3名、行政書士1名が在籍している。この他、元ベンチャー企業役員のマーケターが率いる新規事業を作っていく会社や、クライアントの元社長が率いる会社、人材紹介会社等、他のグループ含めると100名超の会社になる。では、どのような人材を求めているのだろうか。
「求める人物像は、よく言われている素直で向上心があって責任感がある人。当事務所ならではの点でいうと、自分のことがわかっていて自責で考えられる人、そして未来の話ができる人です。自分の人生に自分で責任が取れる人ともいえますね。いまは何をすればいいのかわからなくても、これから考えるのならそれでもいいと思います。長いつき合いができるかどうか、未来の話ができるかどうかは大切です。逆に、自分のことしか考えない人、目先の利益を求めたい人には当事務所は向いていないと思います。
採用としては、2015年から毎年新卒の採用を行っています。並行して中途採用やアルバイトの採用も行っていますし、アルバイトから正社員になった人もいます。
当事務所は入社するときに『どんな自分でありたいのか、どんな自分になりたいのか』という話をします。その中で今ある可能性や未来の可能性について話をして、そのためにはいま何をしないといけないかを話しています」
では、資格についてはどのように考えているのだろうか。
「資格があるからという理由で採用、ということはないですね。もちろん、資格取得に向けてがんばったことは指標になりますし、結果を出したことに対しては評価します。入社後に資格取得をめざすこともできますし、自分でどうありたいのかを考えて、それが資格取得なら勉強時間が取りやすいかたちで勤務することもできます」
SRAでは人事評価をまだ定めていないという。一人ひとりと向き合って、それに合わせて制度を設計している途中だ。スタッフには自分で未来を設計してほしいと考えているため、モデルとなるキャリアパスはない。メンバーそれぞれがなりたい自分になるために、つかみ取ってほしいという服部氏の考えによるものだ。だから、座っていたら機械的に何かを与えられるような、受け身でいられる事務所ではない。
かっこいい自分と組織でいられるように
会計士、税理士として王道の会計事務所を経営し、クライアントと一緒に事業も行い、ときには投資家として出資も行う。さらにパーソナルジムとカフェ、スープカレーの店も経営し、会計事務所の枠を超えた活動をしている服部氏に、今後について聞いてみた。
「かっこいい自分と組織でいられるように、そのための可能性を一つひとつ広げていきたいと考えています。具体的には、2020年は会計事務所として次の段階、つまり自分がいなくても回っていける組織へと変わっていく年になると思います。また、社員発信でいろいろなことを進めていきたいと考えており、2020年1月からOKR(達成すべき目標と目標達成のための主要な成果)を本格的に指標としていきます。個人と企業の目標をリンクして、社員が主体となってやっていく組織になっていくのです。現在は、会計事務所の枠を超えてやっていますが、個人ベースでそれができているのは、まだ上のレイヤーに属しているメンバーだけなので、もっといろいろな事例を作り、より多くの人が会計事務所を超えた業務ができるようにしていきたいと考えています。
また、クライアントと一緒に新しい事業を作っていく動きも活発化していて、D2C(ECサイトを通じて直接ユーザーに販売するビジネスモデル)の事業やYouTubeの事業、IT系のメディアを作る事業なども2020年に成果が出るものと期待しています」
自社だけでなくクライアントを巻き込んだかたちで進んでいく様々な事業をベースに、より会計事務所の枠を超えていき、Seven Richという経済圏を作っていきたいと服部氏は語っている。
「クラウド会計導入の推進をはじめ、ITの力を使って仕事をしていますから、場所を問わない働き方が可能だと思います。フレックスタイム制やテレワーク制度も導入して、働きやすい環境をどんどん整備しています。そして、会計事務所として当たり前のことをずっとやり続けられる組織でありたいと考えています。そこにファイナンスと健康が加わればさらにいいですね。
そして、個人的には、健康の事業をもっと強化していきたいと考えています。クライアント先の経営者や従業員はもちろん、自社の従業員の健康にも踏み込んでいき、それをかたちにしていければいいと考えています」
最期に資格をめざす方に向けてアドバイスをいただいた。
「会計士、税理士は本当に価値ある仕事だと思います。お客様から信頼されるということには価値があって、その上でできることはたくさんあります。だから視野を広く持っていてほしいです。会計、税務、お金の相談が最初に寄せられるのは私たち会計事務所なんです。それに真摯に対応していたら、他の相談も来るようになります。一番の相談相手であり、相談を引き出すことができるポジションでもある。資格は、自分がそうしたポジションにいる人間であることを信用してもらえるツールになるんです。ただし、資格はあくまでも入口で、そこから先は自分で磨いていくことが必要になります。
以前、大学で学生を対象に、いかに会計の知識が大切かというセミナーを実施したことがあります。その時、例えば簿記の授業の際、実務で使われているクラウド会計ソフトを使って仕分けや決算書を作るともっと簿記や会計のイメージが膨らむのではと思いました。今後は、実務で実際に行われていることも簿記の授業に取り入れていくことで、会計に興味を持ち、会計士や税理士をめざす方がもっと増えてくれるといいと思っています」
かつて母校で後輩に向けて会計士受験の指導をしたこともある服部氏は、より多くの人に会計の大切さを知ってもらうとともに、会計士、税理士受験生が増加することを望んでいるのである。
[TACNEWS|日本の会計人|2020年1月号]