税理士ブログ/TAC講師が受験時代を語る! わたしの直前期
田中 泰裕 講師
TAC税理士講座 簿記論担当
皆さん、こんにちは!
簿記論講師の田中です。
早いものでもう直前期が始まって4週間が経ちました。
順調に学習が進んでいる実感がある方の方が少ないと思います。
ただ、ここからが一番実力が伸びる時期ですので頑張っていきましょう!
今回は、私が簿記論受験生の頃の「直前期」の学習方法について、体験談をもとにお話しいたします。
私は、簿記論について2回目の受験で合格しました。今振り返ると1回目受験時は学習における反省点が数多くありました。
ですから「1回目受験時の反省」をもとに直前期の学習方法について考えていきたいと思います。
反省点①:「勉強時間の目標を達成しよう!」はNG
当時私は、直前期における勉強時間の目標を決めてそれにこだわって突き進んでいました。一見良さそうに見えるかと思いますが、直前期においては「時間だけではなく“何をどうやって勉強するのか”のToDo管理こそが重要」です。
当時の私はこの観点が抜けていたため、勉強時間は確保している実感はありつつも、答練だけでなく本試験においても「うわぁ、これなんだっけ?押さえるの忘れてた…」と絶句することがありました。
簿記論においては基本的な問題を取りこぼさないことが重要ですので、「苦手を残さない」ことが学習上非常に大切です。
そのためには各論点について抜け漏れが出ないように学習を進めることが必要ですので、何時間勉強するのかだけでなく、「いつ何の学習をするのか」を具体的にスケジュールに落とし込んで抜け漏れのない学習を心がけていきましょう。自身の苦手論点をリストアップしておくことも良いでしょう。
反省点②:「正答できれば万事OK!」はNG
皆さんは答練などの演習問題を解いた後どのように復習を進めていますか?
正答できた問題は特に気にせずスルーしていませんか?その正答できた問題の論点について原理原則の理解ができていますか?1回目受験時の私は、問題に正答できると満足してしまい、それ以上の理解に努めることを意識していませんでした。それがゆえに本試験において慣れない形式で問題が出題されたときに、全く手が出ず、非常に悔しかったことを今でも覚えています。各論点を型にはめて解いていただけで「分かったつもり」だったことにここでようやく気づきました。
当然、問題を「解けるようにすること」が理解の第一歩ではありますが、実際の本試験問題では原理原則の正しい理解がないと解けないような問題も存在します。今一度、解けた問題についても「型にはめて解いていないか?その論点の理解の上で解けているのか?」と自分自身に問いただしてみましょう。私は、各答練で間違えた問題や正しい理解が抜けていた問題をコピーしてルーズリーフに張り付け、重要な表現や書くべき下書き等をまとめることに加え、テキストも併せて使用してその論点の原則的な考え方なども書き留めておくようにしていました。実際の問題を通じて原理原則を固めることができ、コツコツと続けていけば、自分専用の苦手論点特化型テキストが出来上がりますよ!
反省点③:「ケアレスミスは意識で改善する!」はNG
ケアレスミスは多くの受験生が手を焼いているものかと思います。「今回は完璧!」と思っていても、自己採点をすればケアレスミスによる失点のオンパレード。皆さんもご経験あるのではないでしょうか?1回目受験時の私は超常習犯だったわけですが、「次回は気を付けるぞ!」と意気込みだけで終わっていたので、なかなか改善はされませんでした。
ケアレスミスはそもそも意識ができていないから起こってしまった災難です。意識だけでなく「ミスをしない仕組み作り」まで考えておくべきです。例えば、「処理をする上で重要な表現や金額に必ず囲みを付ける」「月割りを忘れないように期中取得のものにはマークを付けてから解き始める」「勘定内訳で使った金額には斜線を引く」などできることはいくらでもあります。皆さんのミスの傾向に応じて、どのようなメモを取れば防げるか、どのようなルールで解けば防げるかを常に考えていきましょう。
私が講師になってからもケアレスミスについてのご相談をいただきますが、ケアレスミスの多い方の問題資料を見せていただくとメモが少なく淡泊な問題資料であることが非常に多い印象です。ミスを減らしたいなら意識だけに頼らず、具体的なメモの取り方などの工夫をしていくことが本当に重要です。
最後に
以上、私の反省点とその改善でした。本試験開始の直前まで力は伸び続けますので、本試験まで突っ走っていきましょう!!