税理士ブログ 【簿記論】模試の結果を踏まえてやるべきこと

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TAC税理士講座 簿記論担当

淡路 幸史 講師


直前期もラストスパートとなりました。実力完成答練で実践練習をスタートし、全国公開模試の受験を経てからの直前予想答練と、学習の進捗状況はいかがでしょうか。これら答練や模試の結果から本試験の合格に向けて、今後やるべきことを検討していきたいと思います。

①時間配分と取捨選択意識の再確認

講義でよく「時間配分に注意(30分、30分、60分)」ということを耳にすると思います。しかし、実際に問題に向き合っていると、ついつい深追いして上手く全体を見渡すことができずにタイムアップになってしまうこともあると思います。

第一問と第二問の学者問題は、近年個別問題形式での出題ですが、クセのある出題が多く、ボリュームがかなり多いため、解答できる箇所を時間内に見極める力と高い精度で解答する基礎力が試されます。

一方、第三問の実務家問題は、合否の分かれ目になるため、最低限60分、第一問及び第二問の難易度によっては第三問に60分以上配分し、個別論点の得点源候補(有価証券、固定資産等)をしっかり正答することが求められます。

これまでの答練及び全国公開模試を振り返り、

①120分をどのように使い解答を進めたか
②正答率の低い箇所に多くの時間を費やしていなかったか
③得点源候補を高い精度で解答できていたか


を確認してみましょう。

近年の本試験の出題傾向より、本試験問題は基本的に120分ですべてを解くことができないということをしっかり受け入れる必要があります。時間配分とは時間投資と言えます。制限時間は難易度に関わらず120分が変わることはありません。いかに時間を効率よく投資し、得点を積み上げていくかを考えていかなければなりません。

「合格」というリターンを追求するには、取捨選択判断とできると判断した箇所を高い精度で正解する基礎力が必要です。ここまで受験した答練を振り返り上記①から③を検証し、改善点は今後残りの答練の中で試し、その結果を再度冷静に分析してさらに次に繋げる、この反復こそが、実力向上の道となります。



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②得点源候補となる論点の徹底復習

取捨選択が必要なことは分かっていても、捨てる箇所が分からないという質問をよくいただきます。まず基礎体力として、「トレーニング(問題集)」などの個別問題の演習教材について、今までの解答結果を振り返り、今一度出来の悪かった問題が解答できるか否かの見直しをしてみましょう(ただし、応用問題で解答要求箇所が最終値的要素のもの、解答までの道程が長い箇所は、できなかったとしても問題ありません)。

多くの受験生が、問題を反復練習することで、問題解答能力を磨いています。類似する問題が出題されれば、得点源にしなければなりません。しかし、その反復が十分でないと、手をつけなければならない箇所か否かを判断することができませんし、そもそも正しく解答できません。 

■効果的に得点するために

繰返しになりますが、取捨選択を判断するためには、基礎力の充実が不可欠です。個別問題の見直しは、「トレーニング」の問題を頭から順に進めるのではなく、答練や本試験における頻出論点から順に進めていくことをお勧めします。

③ミスした理由の検証

答練でミスした理由をチェックしてみましょう。

■問題文の意味が十分読み取れなかったケース

前述した「トレーニング」などの個別問題の演習教材を使用して基礎事項を確認します。

■内容は理解できても集計プロセスに問題があってミスしてしまったケース

メモの取り方を工夫すること(よく月割計算を忘れてしまうなら、問題文の日付のところに必ず〇 /12と書き込むなど)はケアレスミスの予防につながります。

本試験は長期間の学習成果を発揮する場なので、尋常ではない緊張感の中で解答します。したがって、本番でもケアレスミスをしてしまう可能性は高く、決してケアレスミスをゼロにすることはできません。しかし、日頃繰り返してしまうミスに傾向があるのであれば、メモの取り方を工夫することにより少なくすることは可能です。

だからこそ、答練でミスしたことを単に落ち込むのではなく、間違ったことから次に同じミスをしないためにどうすべきかを学びましょう。反省という後ろ向きな気持ちではなく、次に得点に繋げるための改善と捉え、前向きにミスを検証してみましょう。今までの答練を見返すことで、どのような時にミスをしやすいのかを把握できれば、今後同じような場面において注意喚起ができるようになります。

おわりに

以上、私が思う復習すべき事項を書かせていただきました。現時点で皆さんには解決すべき問題点が多くあって当たり前です。本試験まで、まだ1ヵ月以上の時間があります。皆さんの成長期はこれからです。答練や全国公開模試などの総合問題に向き合うことで、徐々に解答要領が掴め、また、ここまでインプットしてきた知識が皆さんの体内で熟成していきます。伸びしろがまだまだあるのです。本試験まで、できるだけ多くの良問に触れていきましょう。

TACでは、総合問題に向き合う機会として『ファイナルチェック』、得点源候補となる論点を再確認する『最終アシストゼミ』を実施します。是非、積極的に活用して本試験合格を勝ち取ってください。心より応援しています!

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