税理士ブログ 【簿記論】直前期の学習法とGWの過ごし方
松井 啓太 講師
TAC税理士講座 簿記論担当
"頑張りが結果に結びつく"
5月から始める効果的学習法をご紹介!
みなさん、こんにちは。学習は順調に進んでいますか?
本試験まで残り約3ヵ月余り。まもなく直前期に突入します。この大事な直前期の過ごし方によって本試験の合否が分かれます。合格するためには努力しなくてはならないことは言うまでもありませんが、時間をかけた学習方法が効果的でなければ、成績もなかなか上がりません。近年における本試験の出題傾向は、第一問及び第二問が主に個別問題であり、第三問は決算整理型の総合問題となっていますので、その対策として個別問題の強化と総合問題の強化を両方とも行う必要があります。
そこで今回は、GW&直前期におすすめの強化方法について紹介します。
■個別問題の強化
個別問題を強化するためには、論点ごとの短期集中学習が大事になります。この個別論点ごとの集中学習の方法ですが、例えば、「有価証券」をテーマに考えた場合、これまで解いた「有価証券」の問題を、トレーニング(問題集)やミニテストのほか、実力テスト、補助問題、上級演習などの総合問題の一部として入っているものも含め、すべてリストアップします。
次に実践です。先ほどの「有価証券」を前提にすると、リストアップしたすべての問題を一気に解きます。気合いを入れて短期間で解答しましょう。なお、総合問題の中に入っているものは、「有価証券」だけを解いて、他の論点を解く必要はありません。これはあくまでも頻出論点の強化を目的としているためです。
おそらく、多くの方はこれまでの復習方法として、トレーニングを全部解き、次に実力テストを解くといったように、『教材ごと』に復習をしていませんか?また、総合問題を部分的に復習材料として使ったことはありますか?
お伝えしたこの学習方法は、様々なバリエーションの問題を一度に確認することができるため、1つのテーマ(ここでは「有価証券」)が終わった頃には頭の中が整理され、そのテーマについて格段にレベルアップされているはずです。また、各論点を比較・相対で考えてみることは、学者試験委員対策として非常に効果的です。
総合問題の強化
総合問題で頻繁に出題される論点を、出題の特徴点から3つのグループに分類すると、
1つ目は、現金預金、債権債務、外貨建取引、棚卸資産(以下、「第1グループ」)、
2つ目は、貸倒引当金、税金、税効果会計(以下、「第2グループ」)、
3つ目は、有形固定資産、有価証券、社債、賞与引当金、退職給付引当金などの論点(以下、「第3グループ」)
となります。
第1グループの論点は、集計が多いだけでなく、問題の内容的にも相互に関連性が強いため、多くの総合問題では難易度が高くなります。おそらく、総合問題の中でもこれらの論点を苦手とされている方は多いのではないでしょうか?これらの論点を強化するためには、手持ちの総合問題から第1グループのみを集めて、どのような出題内容の際に各論点が関連し合い、それぞれの会計処理に影響を与えているのかを確認してみましょう。第1グループの論点への対応力、特に適切な取捨選択の能力が格段にレベルアップされるはずです。
第2グループの論点は、他の論点の金額が確定しないと計算することができないため、通常は時間内に解答することが難しいものになります。しかし、出題のされ方によっては、容易に解答することが可能になる論点です。例えば、債権の増減が極端に少ない場合、法人税等の年税額が与えられている場合、消費税の増減が極端に少ない場合、税効果について一般債権の貸倒引当金について一時差異がない場合、一時差異の各金額が与えられている場合などになります。手持ちの総合問題から第2グループのみを集めて、どのような資料が与えられた場合に、解答することが可能になるのかを確認しておきましょう。
第3グループの論点は、他の論点との関連が薄いため、前半で紹介した個別論点の強化をしっかりと行うことで充分といえます。
最後に
この直前期からが本当の勝負になります!受験経験者で直前期からTACの受講を開始される方は、今回の学習方法を参考にして、基礎論点をしっかり復習したうえでTACの直前期(直前対策講座)にご参加いただくと、スムーズにご受講いただけると思います。
また、TACの『チャレンジコース』なら4月中に基礎知識の整理・補強、新会計基準や収益認識基準の内容の確認を行ったうえで、5月直前期を迎えることができますので、直前期に向けて知識に不安が残る方は、この機会に受講を是非お勧めいたします。
また、大型連休のGWには、実務家試験委員の過去問から頻出論点の出題傾向を分析し、資料の着眼点や効率的な解法を解説する『GW集中ゼミ』も開催します。論点ごとに的を絞って過去問を見ていくことで、「本試験までに目指すべきレベル」を知っていただく絶好の機会になるかと思います。
残り3ヵ月間を悔いの残らないように必死に頑張って、自らの手で合格を掴み取ってください!!
税理士ブログ財務諸表論の「直前期の学習法とGWの過ごし方」はこちら