公務員の化学職とは?
仕事内容や試験を詳しく解説!
民間企業の仕事はイメージできるけど、化学、生物、薬学といった専門知識を活かして公務員になる場合、どういった仕事をやるかイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。化学職の公務員は私たちが安心・安全に暮らす社会を実現するために重要な役割を担っています。
このコラムでは、皆さんの将来の選択肢に役立つよう化学職公務員の仕事内容や試験について解説していきます。
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化学職公務員とは
化学職は、大学や大学院で化学を専門に学んだ方に向けた公務員の試験種です。化学物質に関する専門知識を活かして技術的判断を行い、国民や住民が安心・安全に暮らせる社会をつくります。
化学職公務員といっても大きく分けて国家公務員と地方公務員があり、国家公務員は国が抱える様々な社会課題について取り組み、地方公務員は、自治体の環境に関する課題に取り組みます。
化学職公務員の種類
化学職の公務員は、大きく国家公務員と地方公務員に分けることができます。化学職の国家公務員にはキャリア官僚にあたる国家総合職、それを支える国家一般職などがあり、化学職の地方公務員は、都道府県や政令市の職員などがあります。
化学職の国家公務員
化学職の国家公務員は、警察庁、税関、経済産業省、国土交通省、気象庁、特許庁(国家総合職のみ)などで採用が多く、主な次のような仕事を担っています。
省庁・出先機関名 | 化学職の主な役割 |
---|---|
厚生労働省 | 化学物質に着目した国民の健康保持、増進 |
文部科学省 | ライフサイエンス分野の研究開発の振興 |
経済産業省 | 産業発展と環境保全の両立 |
環境省 | 資源・廃棄物制約・リサイクル、気候変動問題対応 |
国土交通省 | 水道設備の管理行政 |
農林水産省 | 食品の安全性向上、安全な食品の安定供給 |
財務省税関 | 食品の成分分析や不正薬物の鑑定 |
警察庁 | 被疑者資料のDNA型鑑定 |
気象庁 | 大気や海水の成分分析、海水や波浪の観測 |
特許庁 | 医薬品などの特許や審理に携わる(特許審査官) |
化学職の地方公務員
地方公務員では、市町村よりも都道府県庁、政令市での採用が多く、次のような仕事を担います。政令市は一部の都道府県が行う業務を独自に行うことができるため、仕事内容そのものは都道府県、政令市いずれで働く場合も似たものになっています。
都道府県
- 環境施策(環境保全・廃棄物・脱炭素対策等)の企画・立案
環境法令等に基づく工場・事業場等の許認可指導
廃棄物の適正処理に関する指導
大気・水質・化学物質調査 など
政令指定都市
- 水源や水道水、下水処理水などの水質検査・水質管理
大気汚染・水質汚濁・騒音等の公害防止に係る指導・規制
ごみ処理施設での薬品管理や環境保全対策
地球温暖化防止 など
化学職公務員の年収
公務員は法律によりその身分を強力に保障されており、短期的な業績や経済動向に左右されることなく、長期的な視点に立ってじっくりと職務にあたることができます。また、公務員の平均年収は600万円台中盤で推移しており、民間企業に比べて高い水準となっています。
※1 国家公務員の平均年収はTACが独自に算出した一般行政職員の推定額です。
平均年収=「平均給与月額」×12+期末・勤勉手当(ボーナス)
平均給与月額=俸給+各種手当(扶養手当、調整手当、地域手当等)
[参考資料]人事院 国家公務員給与等実態調査(令和3年度)、人事院 国家公務員の給与の概要、内閣人事局報道資料
※2地方公務員の平均年収はTACが独自に算出した都道府県庁および政令指定都市の一般行政職の推定額です。
平均年収=「月額支給される給料及び手当」×12+年額支給される手当(期末手当・勤勉手当(ボーナス)等)」
「月額支給される給料及び手当」=給与+各種手当(扶養手当、通勤手当等)
[参考資料]総務省 地方公務員の給与実態調査(令和3年度)
※3 民間平均年収は国税庁民間給与実態統計調査(令和3年度)を参照
化学職公務員になるには
化学職の公務員になるには、国や自治体が行う試験に合格し、採用される必要があります。
国家公務員になるための試験としては、キャリア官僚の採用試験にあたる国家総合職試験、大卒レベルの一般職員になるための国家一般職試験などがあります。また、民間企業などから転職するための中途採用試験として経験者採用試験が行われています。
地方公務員になるための試験としては、都道府県、政令市など自治体ごとに行われ、大卒程度試験や民間企業などから転職するための中途採用試験としては社会人経験者採用試験といった名称で試験が行われています。
化学職公務員の試験内容
大卒程度(大学生を含め卒業後数年を経過した方も職歴に関係なく受けられます)の試験内容としては、高校までに習ったものが出題される教養択一試験、化学系の科目(物理化学、分析化学、有機化学、無機化学、工業化学など)が出題される専門択一試験、専門記述試験と論文があり、試験種によって何が出題されるかが分かれています。
また、社会人経験者採用の場合は、専門科目が課されないため受験科目は減りますが、その代わりに経験者論文が課される試験種が多くなります。
■大卒程度の公務員試験例 2024年度国家一般職(化学区分)
(受験資格)受験年度の4月1日時点で満21歳~満29歳の方
※その他国籍要件などがあります。
■社会人経験者の公務員試験例 2024年度東京都職員キャリア活用採用選考(環境検査)
(受験資格)採用される年の4月1日時点で満60歳までの方 ほか
デジタルパンフレットを閲覧する
資格の最新情報やTACのコースを掲載したパンフレットを、お使いのデバイスでいますぐご覧いただけます。
お申込いただいた場合、個人情報の取り扱いにご同意いただいたものとして取り扱わせていただきます。
大卒程度の公務員試験(大学生を含め卒業後数年を経過した方も職歴に関係なく受けられます)のスケジュールは次の通りです。日程さえ重複しなければ併願が可能です。国家一般職や地方上級の対策をしておくことでほぼすべての試験種の併願が可能です。
【主な大卒程度の公務員試験日程 2024年例】
化学職公務員の難易度
主な試験種の実施状況は次の通りです。
大卒程度(新卒相当)の受験者数を最終合格者数で割った倍率で見ると試験種ごとに大きく差が出ています。1.4~8倍程度と難易度に差があり、合格率にすると12%~70%程度になっています。倍率が2倍を超えるような人気の試験種・自治体を目指す場合、予備校などを利用することで確実に合格を目指すことができます。
【主な大卒程度の化学職公務員の実施状況 2024年例】
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最後に化学職公務員になるために
いかがでしたか。化学職の公務員になるためには、新卒相当として扱われる試験と社会人経験のある方に向けた試験の2種類があります。
自治体ごとに試験が異なり何をすればよいかわからない、大学、大学院や仕事と両立しながら採用されるためにはどういった準備が必要なのかなど疑問点を解消いただくためにTACでは講座説明会や個別相談を実施しています。お気軽にご参加ください!
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