公務員の建築職の仕事内容とは? 建築系の職に就く方法や魅力をご紹介
公務員の建築職を志している方は、試験内容だけでなく具体的な仕事の内容なども気になることでしょう。
この記事では、公務員の建築職の試験概要を説明したうえで、担当する可能性のある具体的な仕事内容や、公務員の建築職の魅力について解説します。
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公務員の建築職に就くには
公務員試験の建築職で採用されるためには、該当試験に合格することが必要です。なお公務員の建築職試験では、受験資格として必ずしも「建築士」の資格は必要ありません。
しかし、業務に直接活かせることや先々「建築士」の有資格者でないと携われない業務があることも見据えて、「建築士」の資格取得は前向きに考えおいたほうがよいでしょう。
建築職の仕事は、大きな自治体でのほうが必然的に多くなる傾向にあります。そのため採用人数も同様に大きな自治体のほうが多くなりがちです。建築職で働く確率をあげるためには、大きな自治体を複数受験するとよいでしょう。
公務員試験における建築職の試験概要
公務員試験における建築職の筆記試験は、一般教養科目と専門科目に大別することができます。
一般教養科目は、一般知能(数的処理・文章理解)と一般知識(人文科学・自然科学・社会科学・時事)があり、公務員試験の行政事務職と共通のものになります。
専門科目は、受験する職種に応じた専門科目が出題されます。建築職では、構造力学や建築施工、法規・都市計画など試験範囲は多岐にわたります。これらの試験科目は大学で学んだことと同じように見えますが、公務員試験での出題に合わせた試験対策が欠かせません。
この点で公務員試験対策に特化している予備校を利用することは有用です。
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公務員の建築職の主な仕事内容
公務員の建築職の仕事内容は、大別すると次の4つにわけることができます。
- 建築指導
- 住宅関係
- 公共建築工事
- 都市計画
建築職の公務員になると、これらの仕事のうち1つに長い期間従事するわけではありません。数年ごとに異動があり、様々な仕事を経験することになります。
そのため以下では、これらの仕事に焦点を定めて説明します。
建築指導
建築指導は、建築基準法に基いて行う建築行政の業務です。主な業務としては、建築物の確認審査や建築相談、耐震の診断、道路の指定(建築基準法の私道)などが挙げられます。
かつて建築基準法に適合しない建造物を多数設計し、国中を震撼させるような事件がありました。建築指導ではそのような事件を未然に防ぐため、建築計画や構造計算を申請書通りにできているかのチェックを行います。
現在では民間企業の審査機関と協力して、業務を進めることが多くなっていますが、それを主体的に監督するのは公務員ならではの業務と言っても過言ではありません。
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住宅関係
住宅関係は、自治体などの住宅政策にかかわる業務です。主な仕事としては、空き家対策や公営住宅の整備・管理業務が挙げられます。
近年では社会環境の変化によって、空き家が増えました。防犯や景観の観点から「空き家」は住民の方に不安を抱かせてしまい、問題となっています。今後の課題として空き家をどのように管理するかや、空き家を増やさないためにはどうするべきかを自治体職員として施策を考える必要があります。
また公営住宅の整備・管理業務では、バリアフリー化や緑化などで公営住宅を住みやすくするための環境整備や建物の修繕業務を行います。
公共建築工事
公共建築工事は、公共建築工事における設計や管理の業務です。民間企業と協力して、官民ともに力を合わせての仕事に携わることもあります。
昨今では、過去のように毎日公共建築事業があるわけではありませんが、それがなくなることはないでしょう。公共における建築物の建造を主体的に担えることもまた公務員の建築職ならではの業務です。
そのほか公共建築工事の発注や入札制度の運営を担うこともあります。
都市計画
都市計画の業務は、市街地の活性化や街の再開発計画といった、まちづくりの根幹から携わるものがメインとなっています。都市計画の業務も公務員の建築職に特有かつ長く時代に残るスケールの大きな仕事となります。この点は特筆すべき魅力的な点といえるでしょう。
なお都市計画の業務は土木職の職員と共同で担うことがほとんどです。他の技術職の方たちと意見交換を行いながら計画を進めていくため、技術以外の面でも成長できる環境が公務員の建築職にはあると言えるでしょう。
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公務員の建築職のやりがい
公務員の建築職は、公共の建築物建造に深くかかわることのできる仕事です。その点にやりがいを感じる人にとっては大きなモチベーションになるでしょう。またその特徴を抜き出してみると、以下の4つが挙げられます。
- 街づくりを通じた住民への貢献
- 街を守る
- 専攻を活かし、建築の仕事に専念できる
- 大きな仕事に携われる
以下では、一つひとつを具体的に説明していきます。
街づくりを通じた住民への貢献ができる
公務員の建築職の仕事は、地域住民の生活に密接している仕事が多いです。
例えば、住民が生活する街そのものをどう計画するかや住宅修繕などの住環境整備など、住民の生活に近いものであると言えます。それが街の住みやすさ、そして住民の方の生活環境の向上につながるなど、直接的な貢献ができるものといえます。
街を守る
住民の方が安心して生活していくうえで、公共施設や公営住宅の安全管理や保全作業は欠かせません。建築職はそれらをも担当し、縁下の力持ちとしても住民の方の生活を守る仕事を担っていると言えます。
これらの仕事を担う建築職公務員がいるからこそ、住民の方は安心して街の中で生活を送ることができるのです。この「街を守る」ことにやりがいを感じる方にとって、建築職公務員は非常に魅力的な仕事であると言えるでしょう。
専攻を活かし、建築の仕事に専念できる
公務員の建築職として採用された場合、異動はあれど基本的には建築関係の業務を担い続けることになります。建築という仕事は専門的な分野であり、この仕事を選択する人は建築を専攻として学ばれてきた人がほとんどでしょう。
公務員の建築職では民間企業と比べて、組織内の突発的な事象には大きな影響は受けづらいとされています。突然の工事中止や契約取消などといった予測のできない事態で、竣工計画を進めることができないといったことはほとんどないでしょう。
安定した土俵で建築に関わる仕事ができるということは、とてもシビアな計画や計算が必要とされる建築職の方にとっては大きなメリットともなることでしょう。
大きな仕事に携われる
公務員の建築職では、都市計画などの街並み全体を創り上げるようなスケールの大きな仕事に携わることもできます。
民間企業では、大規模な建造物の建設に携わることはできても、街づくり全体に携わることはなかなかできないでしょう。
スケールの大きな仕事をしたい方や地図に残る仕事をしたい方には、公務員の建築職は大きな魅力となり、やりがいを感じる仕事といえるでしょう。
やりがいのある公務員の建築職を目指そう
公務員の建築職となるには、一般教養科目を勉強するだけでなく、専門科目の試験も突破しなければなりません。
しかし試験を突破したあとには、街づくり全体にかかわる大きな仕事や住民の生活に直接貢献できる仕事に携われるなど、公務員ならではの公共性の高い仕事が多くあります。これらの魅力はやりがいとなり、仕事に対するモチベーションとなることは必至でしょう。
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