税理士ブログ 【簿記論】残り1ヵ月で実践すべき学習法
TAC税理士講座 簿記論担当
中吉 賢一郎 講師
さて、本試験まで1ヵ月となりました。そこで私の思う「残り1ヵ月でやるべきこと」をお伝えしますので参考になさってください!
【その1】直前期の学習スタイルの継続
みなさんは5月~7月と直前期というハードな時間を過ごしてきました。直前期では1週間で「講義」と「答練(直前期の答案練習)」というサイクルを毎週繰り返しています。これはいわば1週間単位のルーティンです。講義内容を復習し、トレーニング(問題集)を解き、答練を受け、そしてその答練を解き直し、さらに別の答練も解き直し…といった1週間のルーティンがあるかと思います。「残り1ヵ月で実践してほしいこと」として、この『1週間のルーティンをできるだけ本試験のその日まで継続していく!』ことを挙げさせていただきます。
メリットの1つ目は、問題を解答する力を鈍らせない!ことにあります。
簿記論はご存知の通り100%計算問題です。そのため知識の習得のみならず、その知識をスピーディーかつ正確に使いこなす「熟練度」のようなものが必要です。さらに問題全体を通して、「どこから攻めるべきか?」という「試合勘」のようなものも必要です。
直前期とは、このような「熟練度」や「試合勘」を強化していくための期間だったわけです。つまり直前期の1週間のルーティンを継続していくことは、本試験のその日まで「熟練度」や「試合勘」のコンディションを維持することにつながりますね。
メリットの2つ目は、メンタルの安定化です。
試験が近づけば緊張します。緊張自体はごく自然な反応であり悪いことではありません。悪いのは緊張が原因で「学習に手がつかなくなる」ことです。そうならないためにもルーティンをこなすことを意識しましょう。緊張が高まってきても「普段通りの、いつもの1週間」の感覚で過ごせば、過度な緊張は緩和されるのではないかと思います。
この時期は「本試験に向けて何か特別で普段と違うことをやったほうがいいですか?」という相談をよく受けます。しかし、私としては「基本的にはこれまでのルーティンを軸とした上で、最終確認すべきものをピックアップしていくのも良いですよね!」とお答えしています。人間、慣れないことをするときに緊張しやすいと思います。「普段と違うこと」や「これまでとは違う過ごし方」というのは、余計に緊張感を増す原因にもなりかねないので注意が必要ですよね。普段のルーティンに付け加える形で「普段と違うこと(例:論点の最終確認など)」をするのが良いと思います。
【その2】今一度、テキストを読んでほしい
直前期では得点力強化のために「問題を解く」というアウトプットの割合がどうしても高くなってしまいます。そのバランスを取るという意味でも、基本テキスト(あるいは上級テキスト)を読んでほしいと思います。
直前期を過ごし、得点力も順調に上がり、少しずつ自信がついてきた頃…気をつけたいのが「先入観」です。これまで多くの問題を解いたことで経験値が増え、「熟練度」「試合勘」がレベルアップし、そして得点力が上がっていく!これこそが直前期の学習の目的です!それ自体はとても良いことなのですが、同時にひょっこり顔を出してしまいやすいのが、「先入観」です。
この「先入観」の厄介なところは、問題文を読む際にその目を「曇らせてしまう」場合があるからです。無意識だとしても「今までの問題はそうだったから、今回の問題もきっとそうだ」という思考はとても危険です。問題文の指示や設問の切り口が目新しい場合には、先入観が邪魔をして正しく問題を読み取れなくなるリスクがあるからです。したがって、これまでやってきた「問題の設定(パターン)がすべてでではない!」ということを意識しておく必要があると考えます。
それを再度確認しておくためにも、テキストを今一度読んでおいてほしいのです。テキストを読むことで、トレーニングや答練でよく目にするものと、あまり見ることがないものがあると気づくはずです。論点のほとんどが理解できている状況でテキストを読むことはそれほど苦でもないはずですし、それまであまり気にとめてなかったけど実は知らなかった・忘れていた点に気づいてハッとする場面がきっとあるはずです。
みなさんが受講された講義の中で、ラインやメモ書き等の指示があったはずです。きっと絶妙に良い場所にマーカーやラインが引っ張ってあるはずですので、そういった場所をまずは確認してください!重要なルール、間違えやすい所、仕訳のタイミング等、今まで以上により理解が深まるはずです!
例えるなら、観たことのある映画でも2回目、3回目と観れば、より細かいシーン意味や伏線なんかに気づいて、ストーリーへの理解がより深まるのと同じことだと思います。
みなさんがライン・マーカー・メモ書きをして作り上げた最良のテキストを十二分に活用していただきたいと思います。
おわりに
以上、みなさんがお気づきのとおり実は当たり前のことしか書いていません。大事なことは、この当たり前のことを本試験のその日まで「意識して」過ごすことだと思います。
残り1ヵ月、みなさんのラストスパートを応援しています!
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