TAC税理士講座×脇田弥輝先生 私が税理士を目指した理由~合格まで
みなさま、初めまして!自宅で1人事務所を開業している税理士の脇田弥輝(わきたみき)と申します。これから何回かに分けて、私の受験時代、勤務時代、開業…などについて、女性視点で連載させていただくことになりました。現在、税理士を目指して勉強中の方はもちろん、これから税理士にチャレンジしてみようか検討している皆さんのお役に立てばと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
理学部出身で、会計知識ゼロから税理士受験にチャレンジ!
私は今から17年前、27才のときに税理士を目指し始めました(現在44才)。その前年に長男を出産し専業主婦をしていましたが、長男が1歳を過ぎ、夜まとまって寝るようになって時間ができたので、「何か資格の勉強がしたいなぁ」と思い始めたのがキッカケです。
始めは軽い気持ちで、もっと簡単な資格を調べていましたが、夢中になれそうなものがなく、「どうしようかな…」と思っていた時に『税理士は科目合格制で仕事や育児と両立しながら取れるらしい』と聞いて、とりあえず資料請求をし、無料セミナーに参加してみたのがTACとの出会いでした。
実は、無料セミナーに行くまで「税理士」の仕事内容もよく分かっていませんでした(笑)。でも、セミナーの先生のお話を聞いているうちに、ものすごく魅力を感じ、「ぜひ挑戦してみたい!」と心の底から熱いものが込み上げてきました。理学部出身の私は、会計も税法も知識ゼロでしたが、今ここで挑戦すれば人生変わる気がする!と、突き動かされたのでした
育児をしながらの受験。不合格が続き、受験を続けるか悩んだ時期も。
そこから、通信講座で勉強する日々が始まりました。日商簿記3級の学習内容からの勉強スタートです。基本は、勉強時間は子供が寝ている間だけ。そのため、昼間たくさん遊んで疲れさせて昼寝をさせている間と、夜は20時には部屋を真っ暗にして無理やり寝かせて、そこから勉強しました。寝付かせるときに一緒にぐっすり寝落ちしてしまうことも多々ありましたが、それでも「育児以外のやるべきこと」があるのがとても嬉しくて、やる気に満ち溢れていました。
もともと理系なので数字に苦手意識はなく、借方と貸方がぴったり合うときの快感!笑。簿記を考えた人って天才だなぁ~。そうして、普段は子供が寝ている時間に勉強し、直前期は教室講座に振り替え、家族の協力のもと、週末にTACの講義&自習室に通いました。初めての簿記論はとても順調で全国公開模試ではSランク(合格確実圏)もとれて、このまま合格!と思ったのですが、なんと、2年連続不合格でした…。しかも2年目は簿記論と財務諸表論のW不合格で、本当に悔しかったです。
すごく不甲斐なくて、このまま永遠に合格できないんじゃないかとも思えてきて、家族に迷惑をかけてお金も時間もかけて、続けることに迷いが生じました。もう辞めたほうがいいのかもしれない…。でも、家族の「もう少し頑張ったら」の言葉に勇気をもらって、翌年、次男を5月に出産した年の試験で、簿記論に合格することができました。
今は『税理士になって本当に良かった』と思える毎日を過ごしています
そこから2人の幼児&乳児を育てながら、財務諸表論・消費税法合格、そして税法免除の通信制大学院に入学→修了し、税理士の資格を取得しました。27才で目指し始めた私は、34才になっていました。
当初考えていたよりも時間がかかってしまいましたが、それでも「税理士になって良かった」と心から思える日々で、それだけ価値のある資格だと思っています。もちろん、資格を取れば安泰なわけではないですが、取らなければできないことがたくさんあります。顧問先のことを考えながら税務の仕事をすることはもちろん、税金の本の出版や各種雑誌やサイトの記事を書いたり、セミナーをしたり、大学院の非常勤講師をしたり…。どれも、税理士でなければできない仕事です。
もし、あの無料セミナーを聞いた時、税理士を目指していなかったら、今頃どんな生活をしていたのでしょう。その生活は、今より落ち着いた心穏やかな日々かもしれないし、そうではないかもしれません。でも、どうしたって、私は、税理士になって良かったとしか思えません。毎日そう思う日々です。もちろん悩んだり、不安になることもあります。でも楽しさややりがい、喜びのほうが何倍も大きいです。
次回以降、『パート→正社員→開業の働き方について』や、『家事育児との両立』、『税理士の魅力』などについてお伝えしていきたいと思います。ではまた!