子育てしながら税理士資格を取得!
TAC OGから学ぶ女性税理士座談会〔2/3〕

<目次>

  1. 合格までの道のり【1ページ】
    1. 4人の関係
    2. 税理士を目指したきっかけ
    3. 合格までの道のり
  2. 学習していく中での工夫【2ページ】
    1. 学習していく中での工夫
    2. モチベーションが下がったときの持ち直し方
    3. 現在の仕事内容
  3. 合格が先か実務が先か【3ページ】
    1. 実務を経験して、受験時代の学習が活きた経験
    2. 合格が先か実務が先か
    3. 最後に

学習していく中での工夫

(司会)合格まで挫折や苦労を乗り越えて合格されたんですね。受験勉強で工夫していた点などはありますか?

(森島先生)
会計科目については、特に工夫といったものはありませんが、数字で解答して、答えがピタッと合う感覚は気持ちよくて、積極的に取り組めていました。税法科目の理論に関しては、私は歩きながら勉強していました。覚えたい理論のコピーを手に、チラっと見ながらブツブツ唱えながら歩いていました。あと、ベビーカーの幌の部分に「理論マスター」を置いて、歩き理論で勉強していましたね。会計科目の勉強はどうしても机に向かって勉強することになりますが、税法科目はスキマ時間も使って勉強していましたね。

(岡本先生)
私が今の受験生の皆さんに言いたいことは、とにかくTACの講義を休まず出席することですね。特に答練ですね。今回の答練の内容は勉強が進んでいないから休もう。休んでもあとで自分で解けばいいやって思いがちなんですけど、それをやった年は私は絶対受からなかったですね。仕事は大変でも、答練の点数が悪くても、頑張って答練を受けていた年は合格しているので、みなさんも答練は休まずTACに行って受けてほしいですね。
税法科目については、私も森島先生と同じでベビーカーの幌の上に暗記項目を置いて覚えたりもしましたし、自分流で言えば、視線を右、左に動かすと理論は暗記しやすいと聞いていたので、直前期が始まる5月以降は、洗面所は理論の張り紙で埋め尽くしましたね。歯を磨いていても何をしていても目が留まるようにしていました。家族には「8月の試験が終わったら全部はがすから、それまではお願い」って言って理論のメモで埋め尽くしていました(笑)。料理しながらも勉強できるように台所にも理論の張り紙をしていましたね。

(脇田先生)
私は普段は通信講座で、直前期だけTACに通うスタイルだったんですけど、1回の講義(3時間)を一度に聴くことは簡単ではなかったので、その日と次の日までには絶対に聴き終わるようにするって決めていて、二日に分けて講義を聴くことが多かったですね。そうやって会計科目のときも税法科目のときも講義を溜めないことを心掛けていましたね。

(定岡先生)
私の消費税法の理論暗記の方法は、A5サイズくらいの小さめのノートにその日覚えた理論を書き出して、その書いた理論と元の理論を見比べて、違う箇所を赤字で修正するという作業で、理論を書き溜めていきました。自分の字って覚えやすいって聞いたことがありましたし、どこを間違えたのかも赤字で修正しているので、そのノートを持ち歩いて覚える工夫をしていましたね。60ページくらいは書き溜めていましたね。

脇田先生と定岡先生
岡本先生と森島先生

モチベーションが下がったときの持ち直し方

(司会)それぞれ自身にあった勉強法や時間を無駄にしない姿勢など、参考になるお話しばかりです。では、モチベーションが下がったときなどはどのように対処していましたか?

(脇田先生)
これは、ブログなどにも書いたりしたこともあるのですが、モチベーションは高くなくてもいいと思ってます。もちろんできれば高いほうが望ましいですけど、モチベーションが高かろうと低かろうと、もう、淡々とこなせばいい。
私の場合、例えば「子どもが寝たらすぐに勉強する」というのがクセになっていましたから、モチベーションが低くても、子どもが寝たのに遊ぶなんてもったいなくてできなかったです。モチベーションが低くてもやることをやればOKだと思います。
とはいえ、モチベーション上げたいときは、合格体験記読んだり、好きな曲をかけながら勉強したりしてましたね。今でも、淡々と仕事しますが、仕事を頑張る系の漫画(働きマンとか)を読んだり、女性が成功する映画(プラダを着た悪魔、マイ・インターンなど)を見てモチベーション上げることもあります(笑)。

(岡本先生)
私も脇田先生と同じく、モチベーションは高くなくても良いと思います。私自身、直前期までほぼ勉強しないスタイルだったので。その位に思い切ってサボると、直前期には必死になれます(笑)。なので、モチベーションが上がらない時期には、一旦、試験勉強を離れるのはアリだと思います。そして「やっぱり合格したい!」という気持ちが熟成したら、そこが勝負の時かと。この試験、合格への強い気持ちがないと、合格を掴み取るのは難しいですからね。

(森島先生)
モチベーションの上げ方は、みなさんと同じく、まずはいったん勉強から離れることでしょうか。やる気がないのに机に向かっても結局何もせずに時間だけが過ぎてしまうので。
岡本さんみたいに直前期までやらないというのは私には無理ですが(笑)、自分の計画や予定が遅れて、答練の結果が悪い点が出たら「やばい、やらなきゃ」って思ってモチベーションは上がりますね。

(定岡先生)
モチベーションが下がりすぎないよう、定期的に息抜きをするのがいいと思います。私は息抜きに税理士受験生のブログを読むことを習慣にしていました。自分も一時期ブログをやっていて、ブログ繋がりで受験生とリアルに会ったり、SNSを積極的に使ってましたね。SNSを通じて憧れの脇田さんにも出会えたし、この4人とコミュニティで繋がれたことは大きかったです。こうした出会いがなければ、私の受験生活は行き詰まっていたと思います。ただ、SNSは適度に使えばモチベーション維持に効果的ですが、やり過ぎは勉強時間を奪うので、バランスが大事ですね。

定岡先生定岡先生

現在の仕事内容

(司会)現在は、みなさん税理士となられて、どのような働き方をされているのでしょうか?

(定岡先生)
今の税理士法人は20人くらいの規模なんですけど、普段はチームを組んで医療法人などの月次業務をこなしたりしています。また、企業主催の税務相談会に呼ばれて相談を受けたりもしています。今の仕事はやはり税理士だからこそできる仕事ですし、責任感、やりがいを感じて携わっていけているので、税理士になってよかったなって思います。

(岡本先生)
私も税理士法人に所属しながら担当先を抱えて月次業務や決算業務を行っています。税理士法人の社員と違うのは、毎日出社する必要はなくて、その代わり担当先の法人はしっかり面倒見てねって感じの契約形態なんです。

(司会)そのスタイルで働きたいと思っている人は多いように感じますね。

(岡本先生)
それとは別に、3社は私が申告書にもサインするクライアントもありますので、半分開業、半分所属というような感じですかね。
このような働き方なので、土日や深夜に仕事をすることもありますが、スケジュールも自分主体で計画を立てやすいので、育児とも両立しやすいですし、自分の好きなことのために時間を作ることもできたりします。銀行員時代にはできない時間の過ごし方なので、税理士になってよかったなってこの点からも思いますね。
それと税理士としての仕事では、いつも「先生、ありがとうございました」って言ってもらえるので、そこはやりがいですし、「働く」って「傍(はた)を楽(らく)にさせる」ことだと思っているので、そんなお手伝いができているんだなぁって実感できることはやりがいですね。

(脇田先生)
私は開業税理士として、20社くらいの法人をクライアントに持っていて、あとは確定申告のときだけって形で個人の方からの依頼も受けていますし、毎月執筆しているサイトもありますし、紙の執筆もしています。最近は著書も2冊執筆しました。私のクライアントは中小企業のお客様になるのですが、税金のことはもちろん、いろんなことを私を信用して相談いただけるので、この仕事をしてよかったって毎日のように思っています。

(森島先生)
私は税理士法人の所属税理士として、法人の担当も持って仕事をしていますが、相続の案件を多く抱えている税理士法人なので、相続案件にも携わります。法人の社長さんは毎年決算があるので、ある程度税金のことを分かっていたりするんですけど、相続のお客様って初めて税理士にお願いする方も多くて、「税金がどれだけかかるのかすごく不安」っておっしゃる方も多いので、丁寧に説明して安心していていただくことを心掛けていますね。税務調査などでも「税理士が税務署とお客様の間に入りますので、きちんと資料などを提出すれば問題ありませんよ」って説明して、不安に感じているお客様の助けになれていると思う点はやりがいを感じますね。
岡本先生岡本先生

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