税理士ブログ 学習計画の立て方が短期合格へ導く!
永田 三由希 講師
TAC税理士講座 簿記論・所得税法担当
たったこれだけ!3ステップ
税理士試験は長期戦です。ただ、みなさんは何年も何年も学習を続けたくないですよね・・・。そんなみなさんに、税理士試験を短期間で合格するための効率的な方法をご紹介します。それは『学習計画を立てて勉強する!』という方法です。
税理士試験という難関試験を短期間で合格するためには、ただがむしゃらに学習しているだけでは合格できません。しかし、どのように計画を立てればいいのかわからないと思いますので、今回は私が実践していた学習計画の立て方を具体的にご紹介します。
まずは学習計画を立てる順番ですが、「長期計画⇒中期計画⇒短期計画」の順に立て、長期計画と中期計画は大まかに、短期計画は細かく作ります。長期計画・中期計画を達成するためには何をすべきか、それを短期計画に細かく落とし込んでいくイメージです。
それでは、それぞれの学習計画の立て方を説明していきます。
❶ 長期計画
まず、税理士試験を合格するために必要な標準的な学習時間を把握し(簿記論と財務諸表論は、講義を含めそれぞれ450時間と言われています。)、自分が1年間にどれくらいの学習時間を確保できるかを計算します。
その確保できる学習時間をもとに、いつまでにどの科目を学習するかの計画を立てます。例えば、1年目に900時間の学習時間の確保が可能なら簿記論と財務諸表論を、2年目は法人税法を・・・といった感じです。
【参考】科目別の学習ボリューム
1科目あたりの 標準学習時間 |
科目 | ワンポイント |
---|---|---|
600時間 | 「法人税法」「所得税法」 | 法人税は簿記・財表の学習知識が必要 |
450時間 | 「簿記論」「財務諸表論」「相続税法」 | 簿記・財表は同時学習がオススメ! |
300時間 | 「消費税法」 | 税法科目人気№1 |
250時間 | 「固定資産税」 | |
200時間 | 「事業税」「住民税」 | 住民税は所得税の学習知識が必要 |
150時間 | 「酒税法」「国税徴収法」 | 暗記が得意な方は国税徴収法がオススメ! |
※標準学習時間には、TACの講義時間は含まれますが、理論の暗記に要する時間は個人差があるため、学習時間には含まれておりません。あくまで目安として表記しています。
【参考】週の合計学習時間による長期目標の設定例
週の学習時間 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
---|---|---|---|---|---|
10時間程度 | 簿記 | 財表 | 法人 | 相続 | 消費 |
15時間程度 | 簿記・ 国徴 | 財表・ 消費 |
所得 | - | - |
20時間程度 | 簿記・ 財表 | 法人 | 消費・ 事業 |
- | - |
❷ 中期計画
長期計画を立てたら、次に中期計画(年間計画)を立てます。
1年目の目標を達成するためには、いつまでにどれくらいの学習が必要かを考えます。ここでのポイントは、長期計画で利用していた【時間】ではなく【量】で学習計画を立てることです。
税理士試験は競争試験なので、○○時間勉強した人は全員合格できるといったものではありません。
例えば、簿記論を合格するためには以下の3つをマスターしなければいけません。
①基礎力(学習内容の理解)
②計算力(スピード・正確性)
③判断力(合格点を採るための取捨選択ができること)
したがって、大事なのはどれだけ理解し、問題を繰り返し解き、計算力・判断力を高められるかです。理解度は数値化できないため、【量】で学習計画を作って勉強しましょう。例えば、4月までに基礎的な問題を5回転解く。5月からは取捨選択の練習のため、過去問を2回転する・・・などです。
❸ 短期計画
最後に、中期計画(年間計画)をもとに短期計画(1週間分の学習計画)を立てます。ここでも【量】で学習計画を立てて、そのノルマを毎日こなします。例えば、○月○日(金)は問題1から15まで・・・などです。
学習計画通りに学習を続けていくには秘訣があります。学習計画は週末に翌週1週間分を立て、1日の計画は少し緩めに設定することです。実践してみると分かりますが、思った以上に解くのに時間がかかる問題や、理解するのに時間がかかる論点もありますので、余裕をもった学習計画を立ててください。学習計画通りにいかない時は、消化できなかったノルマを翌週のノルマに加えてください。
また、週末に予備日を1日だけ作り、消化できなかったノルマが生じたときに利用することもおすすめです。ノルマを達成できた週は、予備日は勉強を休憩してくださいね。
ただ、それでも全く学習計画通りに進まないときもあります。そんなときは、学習計画を修正しましょう。軌道修正も大切です。受験指導校に通われている方は、講師に相談してみることもおすすめです。
最後に・・・
私が実践していた学習計画の立て方はたったこれだけです。いつも持ち歩く手帳に、今回ご紹介した3つの学習計画を書いていました。そして学習計画の通りに進めるために、毎日勉強を優先し努力をしてきました。その結果、短期間で5科目の合格を実現することができました。
ぜひみなさんも「学習計画を意識した勉強」を実践して、短期間での合格を実現させてください!
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