TAC×脇田弥輝税理士 税理士の魅力

私を含め多くの税理士は、お客様の業種は多岐にわたることが多いので（一定の業界に特化した税理士を除く）、自ずと様々な業界のことを知ることができます。その業界の方なら当然知っていることを全然知らなかったりすることもあり、お話を聞くのは大変興味深く、勉強になります。それぞれの業界で特有の資格があったり、官庁などに提出しなければならない書類があったり。すべての業界の全部を知っている必要はなく、社長や担当者に知らないので教えてくださいと言えば話してくださいます。そうして素人の素朴な疑問を投げかけることで話題が深まることもあります。また、ある業界で聞いた話が、別の業界の方のヒントになることもあります。お客様から「他の業界ではどうですか？」とご質問を受けることもよくあります。日々、色々な業界で活躍している方々とお話できるのは税理士ならではだと思います。

どの仕事であっても誰かの役に立っていますが、税理士も「お客様のお役に立てている！」と実感できる仕事です。税理士は、お客様と顧問契約をして、定期的に、長くお付き合いしていくことがほとんどだからです。当事務所のミッションにも掲げているのですが、私は「外部の偉い税理士の先生」ではなく「内部の敏腕経理」と思っていただいて、共に事業を成長させたいと思っています。分からないことがあればすぐに相談していただき、一緒に解決策を考え、いくつかの選択肢をご提示し、その結果、その事業の売上や利益、その他何かの役に立てたときに感謝の言葉をいただく高揚感は格別です。「あ～～税理士になってよかったなぁ！」としみじみ思います。
特に今年はコロナのことがあって、大変なこともありますが、困っているお客様のお役に立てたなと思えるシーンは多かったです。ただ、逆に言えば、選択肢をお伝えし忘れたり、期限までに提出を失念することがないよう、常に緊張感があります。信用は一瞬で失われる可能性もあると肝に銘じて、これまで築き上げた信頼関係を損なうことのないよう、一人一人の顧問先様のお役に立ち続けていきたいです。

これを書くといやらしいかと思いましたが、正直、税理士を目指している方は気になると思うので書きます（笑）。もちろんどの仕事だって人によって稼ぎ方や金額はまちまちですが、税理士は比較的きちんと収入を得ている人が多いと思います。税理士登録をするには、資格の取得だけでなく2年間の実務経験が必要で、その修業期間は正直、全然給料は高くありませんでしたが（私の場合、本当にゼロから教えていただいたので）、税理士になって開業し、自分のお客様と顧問契約し、セミナーや執筆等もするようになって、専業主婦のときにはできなかった生活をすることができています。人の役に立つということで言えば、ボランティアも素晴らしいですし尊敬しますが、やはり、お客様に感謝され適正な対価をいただくことはすごくやりがいがあります。ちなみに、私の顧問料は決して高くはないと思います。それでも2人の子どもを育て、家事やプライベートも充実させながら、一般的に言えば高収入を得られています(必死に仕事ばかりしている時期もありますよ(笑))。

資格を取っただけでは稼げませんが、資格を取らなければ得られない稼ぎというのもあります。まぁでも個人開業だと将来の保証はないし退職金もないので不安は尽きませんが、だからこそしっかり成果を上げる仕事をし続けなければならないと気が引き締まりますし、そのためには健康にも気をつけないといけないと思っています。

今、税理士として仕事をしていて、手前味噌で恐縮ですが、成長しているなと思える日々です。昨日と今日では変わらないけど、5年前、3年前、1年前に比べたら成長したなと思います。税務の知識ということではなく、人として、事業主として。そしてこれからも1年後、3年後、10年後…自分がどれだけ成長できるか楽しみだなと思えます。税理士は平均年齢も高く、何歳になってもやりたいだけ働けます。高齢になったら働き方は抑えるかもしれませんが、私はなるべく長く仕事をして誰かの役に立っていたいなーと思います。私の周りには私よりもだいぶ年上でも、毎日充実していて素敵な税理士がたくさんいます。いつか私もそんな風になれると信じて、成長し続けられるって幸せなことです。逆に年下で頑張っている税理士もたくさんいて、話をしていて楽しくていい刺激をもらい、年取りたくないなぁ～なんて無駄に抵抗するのも、悪いことではないと思っています（笑）。

税理士は頭がいい人がなれるのでなく、努力し続けられる人がなれる職業です。今、税理士の受験勉強真っただ中の皆さん、合格、そして、その後の想い描く税理士像のために、頑張ってください。