元公務員のTAC講師によるコラム 元技術系国家総合職の講師が
公務員時代のキャリアについてご紹介します!

技術系総合職国家公務員のキャリア紹介

技術系の国家総合職がどのような仕事をしているか、TAC国家総合職講座の田村講師が自身の公務員時代のキャリアについて紹介いたします。5回にわたって年代別のキャリアをご案内します。今回は第2回目の30代編。これから技術系の国家総合職を目指そうと思っている方に向けたメッセージなどを連載していきます。

田村 義正(たむら よしまさ) 講師

◎講師紹介
田村 義正(たむら よしまさ) 講師

昭和55年運輸省(現国土交通省)入省。国土交通省、科学技術庁、経済産業省で管理職として技術行政(総合政策局技術安全課長等)、人事院で技術系国家公務員採用業務(首席試験専門官)を担当。現在はTAC国家総合職講座、公務員講座で面接、官庁訪問対策を中心に講師として活躍中。

運輸省入省(上級職甲種試験合格)
 昭和55年(1980年)大学院修士課程(機械工学)を卒業した私は、運輸省に入省した。
 採用活動は、運輸省(現国土交通省)、科学技術庁(現文部科学省)、通商産業省(現経済産業省)、郵政省(現総務省)を訪問したが、どこの行政も興味があった。運輸省に入省したが、その後、科学技術庁、経済産業省、人事院の4つの役所に勤務し、多様な技術行政を行う機会があった。
 船舶局(現国土交通省海事局)からスタートした。運輸省で機械工学の技術系職員が活躍していたのは、船舶、航空、自動車、港湾局の4局であった。船舶、航空、自動車は、安全・環境技術政策であった。加えて、船舶部門は、造船業の産業振興・研究開発(経産省と同じ製造業振興)を行っていた。

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法律改正そして海外赴任

 33歳(9年目)から2年間海上技術安全局安全基準課で船舶安全法の法律改正を行った。その後、35歳(12年目)から、日本貿易振興会(JETRO)ニューヨークセンターに3年間海外赴任を行いました。12年目(36歳)でJETROの部長(Director)として管理職となったが、その後、退職するまで24年間管理職として勤務した。

1. 安全基準課専門官―9~11年目
  9年目に海上技術安全局の安全基準課に専門として配属された。専門官とは、課長補佐で課内の係長などをまとめる班長で、国内班長としてIMO(国際海事機構:本部はロンドン)で策定された国際的な安全基準を国内法令に取り入れる業務でした。課内には、国際班があり、ここは、IMOの会議に参加し、国際規則を作る業務。船舶は、国際間の移動が前提であることから、世界共通の規則が必要であり、SOLAS条約(海上人命安全条約:1912年のタイタニック号事故を契機として、ドイツ皇帝の提案でできた条約)やMALPOL条約(海洋汚染防止条約)がある。
(図:GMDSS構成図(総務硫黄HPより))

GMDSS構成図8総務硫黄HPより

 1912年のタイタニック号事故後、船には、モールス電信が義務付けされていたが、これを、衛星通信やデジタル通信を主体とした安全遭難通信体系に変更するGMDSS(全世界的遭難安全制度)を国内に導入することとなった。通信体系は、内外を分けられないことから、条約の対象船だけでなく、国内運航の旅客船、貨物船や漁船も導入することとしたが、小型の船も多く、航海エリアも多様で、国内通信であるNTTの通信網などに合わせて導入することとした。世界をカバーするインマルサット衛星(赤道上空の静止衛星)による船陸・船船間通信、北極―南極間を周回するCOSPAS-SARSAT衛星による遭難ビーコンからの遭難通報、位置検出、日本人の発明であるレーダートランスポンダー(レーダーの電波に反応して救助船のレーダー画面に遭難位置を表示)など最新の技術を導入するものであった。

 一方、モールス電信に必要な船舶通信士6000人の雇用が無くなるため、全日本海運組合との調整や漁船組合などの調整は難航した。さらに船舶安全法ばかりでなく、電波法(現総務省)や船舶職員法の3法改正法案を作成して国会に提出した。国会審議に自分の作成した法律がかかるのは充実感があったが、ここまでに、1年間の関係者や国会議員との調整に時間をついやした結果である。法改正後は、具体的な設置基準、技術基準の省令改正を行った。改正作業は大変であったが、いまでも、自分が書いた法律を六法全書に見るのは懐かしい。
(写真:EPIRB(衛星利用非常用位置指示装置)―沈没時でも自動浮上して、衛星経由で遭難位置を知らせる。(海上保安庁HPより))

2. 日本貿易振興会ニューヨークセンター(舶用機械部長(Director))(12~15年目)
 海外赴任は、大使館などの在外公館、JETRO、JICA(国際協力機構)、国際機関派遣など、省庁にもよるが総合職の職員はほぼ機会があります。2~3回行く国際派もいるし、国際機関職員に転籍してしまう人もいる。(私の知人でもIMOやIAEA(国際原子力機関)に転籍している。)

 ニューヨークセンターは、通産省、農水省、運輸省、経済企画庁、厚生省など官庁関係者のほか、JETROプロパー、業界団体関係者など日本人50名、現地スタッフ50名、計約100人の海外最大のセンターであった。舶用機械部長として、当時の日米貿易摩擦のなか、自動車、家電と同様、船舶分野である造船分野制裁法案の情報収集と日本向け輸出商品の発掘として米国製プレジャーボートの輸出振興・円滑化を行った。

マイアミ国際ボートショー
マイアミ国際ボートショー

 特に、米国は、保有隻数1700万隻(日本は30万隻)の世界最大のプレジャーボート保有国で、ボートメーカーも数百社あり、小型バスボートから豪華クルーザーまで多くの種類がある巨大な産業である、1990年前後の日本はバブル経済で、高級な輸入ボートが増加しつつあった。JETROの中でも、大幅な貿易黒字解消のため、日本向け輸出商品の発掘が課題となっており、有力な分野として期待された。そこで、米国舟艇工業会と日本の関係機関と協力して、世界最大のマイアミ国際ボートショーで、貿易促進セミナーを開催した。日本市場の特徴や基準認証の講演を行い、米国の多くのボートメーカーや機器メーカーの参加により貿易促進につなげた。

輸出促進セミナーレセプションにて
輸出促進セミナーレセプションにて

 また、米国のボートメーカーや楽しみ方、河川、湖沼、海などの水面の利用や行政の施設整備などを調査し、日本でも振興できる情報を収集した。これらの情報を整理し、帰国後、ボート・ヨットの出版社である「舵社」から、「プレジャーボート イン USA」という本を出版した。当時は、東京ボートショーなどで、アメリカマリン事情の有識者として紹介された。

著書「プレジャーボート イン USA」
著書「プレジャーボート イン USA」

 米国ニューヨークのような世界経済の中心地で勤務し、米国のビジネスマンや官庁関係者などと直接接して、仕事をすると、経済、米国産業、政治制度、為替動向、教育など社会の視野が広がり、国際感覚が身につきます。皆さんも、是非、機会があれば、海外生活を経験されることを勧めます。

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