国家総合職 合格体験記
最後まで自分と向き合う
寺澤 百花さん
DATA BANK
内定省庁 | 農林水産省 |
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出身校 | 東京外国語大学 国際社会学部 |
コース | 経済本科生(教養カットType) |
受験区分 | 大卒程度 経済区分 |
- 国家総合職を目指した理由
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幸せを支える職業
自分ではなかなか楽しみを見つけることができないダウン症の兄と育つ中で、日常生活のささやかな幸せを守りたいと思うようになりました。1人ひとりの生活の土台を根底から支え、皆がその人らしく生きていける社会を実現したいと考え、国家総合職を志望しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由・良かったところ
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遅めのスタートにも十分対応
公務員試験受験を検討していた際、TAC・Wセミナーに通っていた大学の先輩から教材を見せていただいたことがありました。その時のレジュメが丁寧だったことがTAC・Wセミナーを選んだきっかけです。入学してみると、レジュメ以外にも、講師による補足のプリントが充実していました。
私は10月に入学したため、学習スケジュールに少しの焦りがありましたが、Webフォローでの2倍速再生やTAC・Wセミナーのアプリの音声DLフォロー機能を活用し、一次試験前までにはほぼすべての経済系の科目を視聴できました。また、自分の入学後から始まった科目の講義は教室で受講し、講師に質問したり、他の受験生の存在から刺激を受けたりしました。このように、ウェブと教室での講義を使い分けられたことで、メリハリのきいた学習が可能でした。
- 所属校舎または講師のおすすめポイント
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ライブ講義ならではの緊張感
私は渋谷校に所属し、講義や自習のためによく通っていました。渋谷という土地にあっても、周辺に商業施設はない場所に位置しているため、誘惑が少ない点がよかったです。
経済区分の受験生には、時間があれば平野講師の講義を教室で受けることをお勧めします。確かに、ウェブでは2倍速もできますし効率的ですが、緊張感に欠けると思います。平野講師の講義では、受講生に自分で考えさせる時間を取ってくださいます。確かにそれぞれの問いかけに対して1~2分ほどの短い時間ですが、自分で頭と手を動かして考えた後に解説を聞くと定着度は格段に上がります。講師開始前に質問や相談にも応じてくださるので、教室に通う意義は大きいです。
- 専門試験対策
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問題集の反復と苦手克服
経済区分では、択一でも記述でも、経済理論が最重要科目です。択一対策としては、TAC・Wセミナーの基礎問題集を反復することが有効だと思います。私は応用問題集を解き始めたのが2月頃と、目標としていた年明けから大きく遅れてしまいましたが、それまでに基礎問題集を1周+間違えた問題の2~3周目を終わらせたことが、応用編に進む上で重要だったと感じます。問題を解くたびに日付と出来具合をマークしておくと、何度も間違える問題があることに気づきます。その問題を解くにあたって必要な知識を、レジュメや講義ビデオで再確認します。そうすると、どの箇所の理解があいまいだったがわかります。自分で調べてもわからないことは講師に質問しに行きました。苦手を一つずつ解消していくことが、基礎固めの唯一の道だと思います。
記述対策としては、択一の勉強時から、モデルを意識することが有効です。作問者が想定している経済学の「世界」を問題文や与件から読み取り、正しい処理をして正解にたどり着く。どんなにシンプルな問題でも、頭を使って作問者の意図を推し量り、手を動かして状況を図やグラフに表す。そうしていれば、二次試験の複雑な問題設定にも対応できる力が養われることと思います。
- 公開模試の活用法
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模試の問題は確実に抑える
基礎能力模試・択一模試・記述模試共に、全て受験し、復習しました。記述模試で出た問題と似たものが、本番でも出たので、復習しておいて本当によかったと思いました。私は、模試を受けた直後・答案が返却された時・試験本番の直前の3回、模試の復習をしていました。その際、模試の問題をノートに貼って、自分の解答で足りなかったポイントを書き留めておき、弱点把握と思考のクセの解消に役立てました。
- これから受験する人へアドバイス
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自分の気持ちに向き合う
国家総合職試験は、採用試験です。就職活動は自分の人生を選択するイベントですから、他の受験生と比べて焦ることには意味がなく、自分との対話こそ重要です。なかなか勉強が進まないと感じたら、自分がなぜ国家総合職を目指しているのか、自分に問うてみてください。このように書いている私にも、なぜ勉強しているのかわからず、机に向かっても全く集中できない期間がありました。その時期に、なぜ働くのか、自分はどのような人生を歩みたいのか、といった根本的なところからきちんと自分と向き合って考えました。その期間を経てようやく、勉強のエンジンがかかったと思います。
二次試験までに関しては、合格ラインを認識し、現状との差を地道に埋めていけばよいです。しかしながら、最終合格は採用ではありません。採用されるためには、自分が国家公務員になって何をしたいのか、なぜ国家公務員なのか、どんな日本社会を、どうやって実現したいのかを、語れる必要があります。TAC・Wセミナーで講師や受験仲間に考えをぶつけて、練っていくことが、そのまま官庁訪問対策になります。晴れて採用となった先の、日本の当事者として意地と矜持をもって働いている姿を想像し、最後までがんばってください。応援しています!