人事院、2023年度から国家総合職試験の制度を変更
人事院より国家総合職、国家一般職(大卒程度)について2023年度より試験制度の変更が発表されました。このページでは、今回の国家総合職の試験変更についてまとめて解説していきます。国家総合職と民間就活との併願について悩んでいる方、国家総合職の受験に迷っている方にも受験しやすい試験変更になっています。
国家総合職 試験制度変更のポイント
人事院より発表された情報をまとめますと今回の変更のポイントは以下の3つです。
① 教養区分の受験資格の年齢要件が19歳(※)に引き下げ。
※ 受験する年の4月1日時点での年齢に基づきます。
② 国家総合職試験の最終合格有効期限の延長
③ 教養区分1次試験 受験地の拡大
変更のポイント① 教養区分受験資格の年齢要件が19歳に引き下げ
2023年度から秋に行われる教養区分(秋試験)が19歳(受験する年の4月1日時点の年齢)から受験可能になります。これにより現役で大学に合格されている方であれば、大学4年の夏の官庁訪問に向けては大学在学中に最大3回国家総合職試験の受験が可能になります。最も早くて大学2年で国家総合職試験に最終合格できるようになりました。
国家総合職試験は、以下の3回の試験のうち、どこかで1回合格すれば最終合格となり、大学4年次に行われる官庁訪問(希望府省庁で内定を獲得するための活動)に参加できます。
★大学在学中の国家総合職試験スケジュール
- 国家総合職試験は秋試験(教養区分)と春試験があり、年2回試験が実施されています。
- 春試験は21歳以上が受験できる試験です。2024年以降は大学3年3月(※2023年までは大学4年次の4月)に行われます。
- 国家総合職試験は、最終合格=内定ではなく、内定のためには最終合格後の官庁訪問で志望府省庁から内定を獲得する必要があります。
変更のポイント② 最終合格有効期限の延長
● 春試験 → 最終合格は5年間有効
● 秋試験(教養区分) → 最終合格は6年6か月有効
例)
● 春試験(大学4年次最終合格の場合) → 大学卒業後も4年間は官庁訪問が可能!
● 秋試験(大学2年次最終合格の場合) → 大学卒業後も4年間は官庁訪問が可能!
変更のポイント③ 受験地の拡大
秋に行われる教養区分1次試験の試験地が4都市から9都市に拡充されます。地方大生の方の移動のご負担が少なくなりました。
▼教養区分1次試験実施都市
札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、那覇市
国家総合職 試験制度変更で在学中に最大何回受けられる?
変更のポイント①では、最も定番となる受験パターンをご紹介し、在学中に最大3回受けられるとご説明しました。今回の制度変更で最も在学中に多く受験できる方はどのような方でしょうか。
大学に1浪されて入学されている場合、大学1年生から受験できます。また、「夏の官庁訪問」以外に、採用数は少なくなりますが、冬にも教養区分最終合格者向けの「冬の官庁訪問」があります。大学に1浪して入学された方がこれらをすべて活用して大学卒業後すぐの4月入省を目指すのであれば最大5回受験できるようになっています。
19歳で国家総合職試験に最終合格、内定獲得すればすぐに入省できる?
冬の官庁訪問は、教養区分最終合格者が参加できます。例えば19歳で最終合格してそのままその年の冬の官庁訪問に参加して内定を獲得できれば、翌年の4月に入省することができます。
例えば大学に1浪して入った方が大学1年秋の教養区分で最終合格して大学1年の冬の官庁訪問で内定を獲得すると大学2年になる4月に入省できます。
ただし、採用側からみますと官庁訪問は大学4年次に参加してほしいというのが本音のようです。