国家総合職 合格体験記
夢から目標への変換
井手 貴大さん
DATA BANK
内定省庁 | 出入国在留管理庁 |
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出身校 | 早稲田大学 政治経済学部 |
コース | 政治・国際本科生 |
受験区分 | 大卒程度 政治・国際区分 |
- 国家総合職を目指した理由・キッカケ
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ターニングポイントの存在
祖父が国家公務員であったため、幼いながらに日本に暮らす人々のために仕事をしたいと思っていました。大学時代に、カンボジアへの教育支援を行うNPOに所属する中で、現地関係者(カンボジア人)の内戦の戦禍が未だ残る祖国の未来のために尽力する姿に感銘を受ける機会がありました。そして、私自身も生まれ育った国に恩返しをするため、日本の社会的基盤としての役割を果たす国家公務員として尽力したいと改めて考えるようになりました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由・良かったところ
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政治・国際区分対策までしっかり充実
大学で政治学を専攻していたため、政治国際区分での受験を希望していたこともあり、予備校を選択する段階で、本区分に充実した形で対応しているのがTAC・Wセミナーだけだと感じました。それに加えて、受験勉強を本格始動させたのが11月からだったので、遅れを取り戻しオンラインで時間を気にせず講義を受けられる環境が整備されていたこともありがたかったです。
面接対策に関しては、コロナの影響もあり孤独な闘いであった中で、TAC・Wセミナーのもつ膨大で多角的な情報のおかげで志望官庁と自身の志望動機を明確にすり合わせることができました。
- 所属校舎または講師のおすすめポイント
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早稲田校のスタッフさんにはお世話になりました
受講開始が遅れたこともあり、基本的にはweb講義が中心だったので他の受講生よりも語れる話題は少ないかもしれません。ただ、早稲田校の今西さんには進捗の早い受講生と自身の立ち位置を明確にするために定期的に相談をするようにしておりました。そのおかげで、孤独な闘いながらも客観的に自身の進捗を確認できました。また、官庁訪問・人事院面接の準備段階においても、面接カードの内容から想定される質問を押し問答しながら親身に考えていただき、とても感謝しています。
- 教養試験対策
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とにかく数的処理!
TAC・Wセミナー生ならば、誰しも避けがたい道として数的処理に臨まなければならないと思います。他の科目がどれだけできても、数的処理が出来なければ高得点は望めません。受験期での具体的な取り組みにおいては、毎日3~5題ほどバランスよく解くようにし、本試験までに問題集を3周しました。(従来は2週の予定でしたが、今年はコロナの影響もあり3周できました)数的処理は、毎日取り組むことがミソで、仮にやらない日ができたときに「罪悪感」を覚えることができます。この「罪悪感」を感じることができれば、勝ちだと思います。
一方、知識系の科目は基本的に講義を聴いて、直前期に模試と過去問の復習をするようにしました。ただ、その中でも思想哲学や時事は配布された教材を覚える程度には仕上げました。
- 専門試験対策
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好きこそ物の上手なれ
公務員試験の受験勉強をする前の私は、お世辞にも勉強熱心とは言えないような大学生活を送っていました。ただ、政治学、国際関係、憲法、国際法どれをとっても各講師がユニークで知的好奇心をくすぐる講義を展開して下さり、苦にならず勉強を進められたのが個人的には合格を手にする大事な要因だったと思います。
また、講義の中で、自身が官僚になった場合にどう振舞うべきかを論理的かつ体系的に理解するためのアドバイスや工夫も感じられた点も有意義だったと感じます。ベースとなる自習方法は、TAC・Wセミナーの問題集(過去問)を進めることでした。一次試験前までに3周すればまず落ちることはないと思います。また、個人的な推察の域を出ませんが政治国際区分では今後英文関連の問題がより多く出題されると感じますので、過去問が少ない分文献を読んでみるなどの工夫は必要かと思います。
- 面接・官庁訪問対策
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冷静な分析と情熱
精神的にも肉体的にも約半年の受験期の中で最もハードな時間を過ごしました。あくまで、個人の所感ですが国家総合職試験は正当なプロセスを踏めば努力した通り結果が出るものだと思います。しかし、官庁訪問は全くの別物で、ご自身のオリジナリティーと省庁の求める像がマッチしなければいくら努力しても報われません。
その点、大事なことは自己分析と志望省庁分析を丁寧に積み重ねることです。そのすり合わせを説明会などの参加を通じて、余裕をもって丁寧に取り組まれることをお勧めします。そして、その過程の中でその省庁の一員としてどのような社会を築いていきたいのか情熱をこめて語れるようになれば怖いものなしです。
- これから受験する人へアドバイス
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想いを突き詰めた先にあるもの
国家総合職を目指し、今この体験記を読んでくださっている方はぼんやりでも自分なりの問題意識やあるべき日本の社会像を持っていられると思います。私自身、受験勉強を開始する時点ではそのことを強く意識していたわけではありませんでした。ただ、月日が経つにつれて民間との併願を断念し、公務員試験においても国家総合職を本命とする中で、なぜ自分がその選択をしたのか、譲れないものは何なのかが鮮明になってくると思います。私自身の場合は、「この国で生きるすべての人の努力が公正に報われる社会を実現する」という想いでした。その想いこそこれから社会人として自身が果たすべき役割であり、そのような各人の想いの積み重ねで今日の社会があるとも思わされます。
既に国家総合職を本命とされている方も、進路を決めかねている方も、ご自身がその職に就いてこの国、世界に対しどのような役割を果たしていきたいのか突き詰めて考えて、納得のいく答えにたどり着けることを祈念しております。