特集
2021年度 国家総合職
政治・国際区分 1位合格者インタビュー
2021年度国家総合職講座を受講し、政治・国際区分1位で合格、外務省に内定が決まった西岡那菜さんにインタビューを行いました。国家総合職を目指したきっかけや学習の進め方、民間との併願など合格者ならではの話題が満載です。国家総合職を目指す方、受験を迷っている方も必見です。
国総を目指そうと思った動機
私は高校3年の頃から外務省を志望していました。国家総合職を志す中で外務省を選択したのではなく、外務省で総合職として外交を行いたいという思いが先にあったため、自然な流れで国家総合職を志望し始めました。
外務省専門職ではなく国家総合職を志望した理由は主に2つです。ある国と日本の関係だけでなく、日本の外交に全般的にかかわりたいと考えていたから、自分の関心は入省後大きく変わる可能性があると考えていたからです。
また、安全保障にかかわりたいという考えのもと、防衛省への志望も強め、官庁訪問ではこの2省庁をまわりました。
外務省を志望した理由
私は高校3年の頃に外務省を志望し始めました。きっかけは、米国の国連総会でのイスラエル首都移転承認に日本が反対したというニュースを見たことです。同盟国である米国に反対した裏側には様々な交渉があっただろうと考えを巡らせ、日本の国益のために奔走する姿に憧れを感じました。
大学入学後は、交換留学先で中国の影響力の大きさを実感するとともに日本の安全保障環境に危機意識を持ち、日本外交の一翼を担いたいという思いを強めました。外務省入省後は、少しでも日本の平和と安全を守ることができるよう邁進していきたいです。
TAC・Wセミナーを選んだ理由
公務員試験の学習を始めようと予備校を調べたところ、国家総合職の政治・国際区分の対策講座を有していたのがTAC・Wセミナーのみだったからです。私は法学部に在籍していますが、政治や国際関係への関心が高かったため、法律区分ではなく、はじめから政治・国際区分での受験を決めていました。また、国家総合職合格者&外務省内定者のうち、TAC・Wセミナー生の割合の高かったことも大きな理由でした。公務員試験、官庁訪問は情報戦の要素が強いと考えていたため、合格者が多く、情報が集まる予備校が良いと考えてTAC・Wセミナーを選びました。
受験勉強を始めた時期
私は大学3年の4月末からTAC・Wセミナーでの受講を始めました。しかし、大学2年の1月から大学3年の5月まで交換留学を行っており、2月末に新型コロナウイルスの影響で帰国したもののオンラインで留学を継続していたため、4,5月はあまり勉強できませんでした。また、6月から10月にかけては民間就活と大学の試験勉強が非常に忙しく、本格的に国総の受験勉強を始めたのは受験前年11月頃だったと思います。本格的に受験勉強を始める以前には、隙間時間にWebフォローでTAC・Wセミナーの講義を受講したり、復習を行ったりしていました。
学習時の1日の過ごし方
通常期には、主に大学の試験勉強や民間就活、予定がある時間以外の隙間時間に学習していました。そのため、通常期は概ね3時間程度の勉強時間だったと思います。
直前期になると、可能な限り予定を入れないよう努め、勉強時間を確保するようにしていました。一日予定のない日は10時間程度勉強し、予定のある日も空き時間はできるだけ机に向かっていました。大学やTAC・Wセミナーの自習室で勉強することもありましたが、特に直前期は感染を避けるため、家で勉強するようにしていました。
官僚に必要な要素・人事院面接でのポイント
まだ内定者の段階なので想像で語ることしかできませんが、常に勉強し続ける能力が必要なのではないかと思います。入省後はどの省庁でも基本的に2年ごとに異動が発生し、以前とは全く違う所掌範囲の部署で働く可能性があるからです。
人事院面接では、「ハキハキと受け答えができているか」などを基本として、「どんな状況でも頑張れる人間かどうか」が見られていると思います。入省後は精神的・肉体的に厳しい仕事や、関心のない分野の仕事に就く可能性が往々にしてありますが、そういった場面でも潰れずにやっていけることが官僚として必要な素質だと考えるからです。
官庁訪問攻略のカギ
官庁訪問は「カギが存在しないこと」がカギだと思います。官庁訪問直前や最中には様々な噂が飛び交いますが、そのほとんどが信ずるに足りないものです。数ある情報の中から何をカギだと考えて自分を売り込むか、すべて自分の責任であり、最後は自分との戦いなのではないかと思います。私は、採用担当の方の「ありのままの自分を伝えてほしい」というお言葉を信じ、背伸びをせず、面接では自分の長所も短所もさらけ出していました。最後までありのままの自分を信じ切ることができて良かったと思っています。
民間就活との併願
民間就活にも本気で取り組んでいました。大学3年の5月ごろから民間就活を始め、多くの企業の夏・秋冬インターンに参加しました。始めは業界を絞らず手当たり次第選考を受けていました。しかし、夏インターンを経て、民間企業においてもやはり国際関係にかかわりたいとの思いを感じ、マスメディアの記者職に志望を絞りました。秋冬に早期選考を何社か受けた中で、受験前年12月に第一志望から早期内定を頂いたため就活を終了し、冬以降の受験直前期は国総に集中することができました。
大学1・2年生の時にしていたこと、今やっておけばよかったと思うこと
大学1・2年生の頃はサークルやバイト、遊びに明け暮れていました。毎日のように予定があり、ほとんど授業に出ず、大学の試験は1か月前からの詰め込みで耐えるような生活を送っていました。大学3・4年生は就活などで忙しいと思うので、大学1・2年の頃に遊び切っていてよかったなと思っています。
大学2年の冬からはシンガポールの大学に交換留学を行いました。日本人がおらず英語しか話せない環境、誰にも頼れない環境での生活によって自立することができました。行動力も得られたと思います。また、自分の価値観が相対化されたこと、日本の影響力の大きさを知ることができたことも良かったです。日本の実家暮らししか経験したことがない学生や、将来国際的に活躍したいと考えている学生は、留学すると良い経験を得られると思います。
国家総合職を目指す方へ
国家総合職の試験は、コツをおさえて毎日きちんと勉強していたら十分合格する試験だと思います。区分ごとで違うと思いますが、政治・国際区分の場合、テキストや基本書をさらっていれば、重箱の隅をつつくような問題以外は正解できるはずです。公開模試や過去問で自分の位置を知り、苦手分野をなくすように勉強してみてください。
官庁訪問は、自分を信じることが一番大切だと思います。同じ省庁の志望者と一緒に対策をしていると、周りの能力の高さばかり気になり、不安に押しつぶされそうになるかもしれません。しかしそれはどの志望者も同じです。周りの志望者はあなたのことを「すごい人だ」と脅威に感じているかもしれません。さらに、官庁訪問は能力の高さだけでなく、マッチングの要素も大きくかかわってきます。最後は自分を信じて最大限アピールするしかないのだと思います。皆さんが自信をもって官庁訪問に臨めることを心より祈っているとともに、霞ヶ関でお会いできることを楽しみにしています。
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