不動産鑑定士試験をズバリ解説! 不動産鑑定士試験合格に必要な勉強時間は?
不動産鑑定士試験の勉強時間は、2,000~3,700時間が一つの目安です。最短合格を狙う場合でも、最低2,000時間の勉強時間が必要となります。 受験期間の設定は1年半~2年が一般的で、1年半の期間で考えると1日あたりの勉強時間は平均5時間前後です。
当ページでは、不動産鑑定士試験の合格に必要な「勉強時間」について、過去の合格者のデータをもとに分析しました。リアルな「勉強時間の実態」を、会話形式で詳しくご紹介します。
登場人物
不動 知恵(ふどう ちえ)さん
不動産の売買でひと儲けしようと考えている会社員。最近宅建士の資格をとりダブルライセンスを狙っている。 埼玉県在住。
鑑(かがみ)先生
現役不動産鑑定士。不動産鑑定業の面白さを伝えるべく、予備校の不動産鑑定士講座で鑑定理論を教えている。車はアメリカ製が好き。
不動産鑑定士講座 デジタルパンフレットを閲覧する
ひとによって勉強時間に開きがあるのはなぜ?
不動産鑑定士試験に合格するためには、
どれくらいの勉強時間が必要なんですか?
知恵さん
鑑先生
今まで色々な受験生を見てきたけど、
平均は2,000時間から3,700時間くらいだね。
ええ!?
2,000時間から3,700時間って、かなり大きな開きがありません?
どういうことですか先生?
良い質問だね。
不動産鑑定士試験の勉強時間に開きがあるのは、いくつか理由があるんだ。
それぞれ見ていこうか。
理由その1:試験制度が2段階式になっている
まず、理由その1。
試験制度が2段階式になっているからだよ。
不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階式に
なっていることは知っているかな?
はい。短答式試験を合格すれば、
論文式試験を受験する権利がもらえるんですよね。
そのとおり。
そして、その権利の有効期限は3年間なんだ。
つまり、短答式試験に合格すれば、合格した年を含めて、
3回論文式試験に挑む権利が与えられる。
なるほど、だから1年かけて勉強する人もいれば、
3年かけて勉強する人もいるってことですね。
察しがいいね。
例えば、まとまった時間を確保しやすい学生や受験に専念できる人が、
1年間から10カ月程度で合格まで駆け上がっていく例があるね。
一方で、仕事の合間に時間をつくって勉強する社会人受験生も多いんだ。
1年半~2年程度のプランで時間をかけて勉強する人も珍しくはないよ。
受験戦略によって学習期間が変わるから、
人によって勉強時間も大きく変わるというこということですね。
ポイント解説
不動産鑑定士試験は5月実施の短答式試験と、8月実施の論文式試験の2段階方式になっています。短答式試験に合格することで論文式試験に挑戦する権利が手に入ります。その挑戦権の有効期限は3年間と設定されています。
そのため、論文式試験攻略まで時間は受験生によって様々であり、短期合格から長期合格までご自身の置かれた状況に応じた受験戦略を立てることが可能になっています。
TACでは約1年で一気に合格を目指すコースから、コツコツと2年間という時間をかけて合格を目指すコースまで様々なコースをご用意しています。
理由その2:受験生のバックグラウンドが様々
他にも理由があるんですか?
次に理由その2。
受験生のバックグラウンドが様々だからだよ。
公認会計士試験や司法試験の資格を持っている人が受験する場合、
受験の負担はかなり減るんだ。
どれくらい減るんですか?
論文試験の科目がいくつか免除になるんだ。
例えば公認会計士合格者ならば会計学と選択科目のいずれか。
司法試験合格者ならば民法が免除になるね。
他にも免除になる条件がある。詳しくは下を見てほしい。
公認会計士なら、論文試験が最大2科目も免除になるんですね!
どれも難関資格ですけど、勉強時間がかなり短縮できそう!
そのとおりだね。複数のライセンスを取得すれば、
実務でも仕事の幅も広がる。
その意味でも受験する価値は大きいと言えるよね。
ポイント解説
不動産鑑定士試験には「科目免除制度」があります。そのため、勉強時間は受験生のバックグラウンドによって大きく変わります。
例えば、公認会計士試験の合格者であれば、合格した年に受験した科目の最大2つが免除になります。また、大学院での研究内容によって科目が免除されることもあります。
TACなら「会計士・司法試験科目免除者割引」や「税理士・建築士試験合格者割引」でダブルライセンス取得を応援しています!
宅建士試験の受験者も短期合格を目指せる!
宅建士試験の受験者にも恩恵があるぞ。
宅建士受験のために勉強した科目を不動産鑑定士試験にも活かすことができるんだ。
例えば、民法。
あ、民法は宅建士をとるときに勉強しましたよ!
そうか。知恵さんは宅建士をもっているんだね。
それなら、ぜひ不動産鑑定士試験にもチャレンジしてほしい。
短答式試験でも論文式試験でも大きなアドバンテージがあるからね。
そうなんですか?
そう。不動産鑑定士の短答式試験には「行政法規」という科目あるんだけど、
そこでは都市計画法、建築基準法、農地法などの法律が出題されるんだ。
知恵さんも勉強したことがあるんじゃない?
はい。しっかり勉強したから覚えていますよ。
また、論文式試験の民法にも宅建士の受験経験を活かすことができるよ。
民法は分量が多いから習得に時間がかかる。
学習経験があるというだけでも負担は減るはずだよ。
まじめに勉強しておいてよかったです!
宅建士試験は不動産鑑定士試験と非常に相性が良い資格なんだよ。
実際、ダブルドライセンスに検討する人も多いんだ。
勉強する科目が減ったり、重複する科目があったり、
受験生のバックグラウンドによって勉強時間はかなり変わりそうですね。
ポイント解説
不動産鑑定士試験には民法をはじめ、都市計画法や建築基準法、不動産登記法など、宅建士試験で出題される法律が出題されます。そのため、宅建士と不動産鑑定士はダブルライセンスとして非常に相性の良い資格になっています。
TACでは「宅建受験経験者割引」で宅建士受験者のステップアップを応援しています!
短答式と論文式、それぞれにかかる時間がどれくらい?
短答式と論文式、
それぞれにかかる時間はどれくらいですか?
目安としては、短答式が700~1,000時間、
論文式が1,300~3,000時間程度だね。
うわっ!論文式試験の方が
断トツで時間がかかるんですね!
そうだね。
五肢択一のマークシートでおこなわれる短答式試験に比べると、
白紙の答案用紙に文字を書きおこす論文式試験には慣れが必要なんだ。
論文式は短答式とは異なり、消去法で解答を導き出すことができないしね。
確かにそうですね。
それぞれの科目の単元を、暗記だけではなく、
ちゃんと「理解」した上で、紙に書きだす力が求められるということだね。
さらに言うと、論文試験の解答は全てペン書きなんだ。
頭の中で文章を校正した上でアウトプットする力も必要になる。
スマホ世代の私には文字を書く練習も必要かもしれませんね!
ポイント解説
不動産鑑定士試験の短答式、論文式それぞれの対策にかかる勉強時間は、短答式が700~1,000時間、論文式が1,300~3,000時間程度が目安です。
TACなら短答式対策であっても、論文式試験を見据えた対策をおこなっています。これによって最小限の勉強時間で合格を目指します。また、基礎⇒応用⇒直前と、順を追って答案練習をおこなっていきますので、ムリなく論文の力を身に着けることができます。また、文章を書き慣れていない方でもイチから作文力を鍛えることができます。
1日あたりの勉強時間の目安は?
次に1日あたりの勉強時間の目安についてみていこう。
合格する方は1日あたりどれくらい勉強しているんですか?
私が教えている受講生は、通常期は大体4~5時間程度かな。
ええっ!わたし平日働いてるんですけど…。
そんなに時間とれるかな?
何ごとにもメリハリをつけることが大切だよ。
平日と休日を分けて考えてみるといい。
下の円グラフを見てみよう。
これは合格者の勉強時間をまとめたものだ。
通常期の平日と休日の学習時間の違いがわかる。
左が平日、右が休日だね。
半数程度の人が平日に4~5時間程度の勉強時間を充てているね。
一方で休日にはより多くの時間を充てている人が多い。
社会人にはこの傾向が強くでるんだ。
社会人は休日の活かし方次第で合格を目指せるんですね。
少し安心しました。
不動産鑑定士対策は1年~2年程度の受験プランが一般的だ。
例えば2年間で700日の勉強時間を確保できるなら、
平均5時間勉強すると合計で3,500時間となるね。
これで十分な勉強時間が確保できるね。
合格者の声を聞いてみよう!
勉強時間がイメージできました。
合格した方は皆さん努力されているんですね~。
そうだね。そんな合格者もみんな、始めは勉強時間ゼロからスタートしているんだ!
勉強時間は少なくとも2,000時間は必要なことを意識して
はじめの一歩を踏み出してほしい。
今度はもっと具体的に時間の使い方を知りたいです。
合格者の生の声を聞くことはできますか?
このページの最後に紹介しているよ。
それと資料請求で、不動産鑑定士の合格体験記冊子を入手してみて。
勉強時間がイメージしやすいと思うよ。
なんだかやる気が出てきました。
合格をイメージしながら頑張ります!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
不動産鑑定士試験について、「もっと詳しく勉強時間を知りたい」、「合格者の学習体験談について知りたい」という方は次のページもご参考になさってください。
<Powered by TAC不動産鑑定士講座>
不動産鑑定士についてもっと知ろう!
「不動産の適正な価値を鑑定するプロフェッショナル」それが不動産鑑定士です。不動産鑑定士になるために必要な資格は?試験は?概要を簡潔にご説明します。続きを読む »
不動産鑑定士は、不動産の鑑定のみならず、土地の有効利用に関する助言をおこなうコンサルの側面がある点も魅力です。また、近年は鑑定士のニーズが多様化し、金融機関や保険会社、商社、鉄道会社などにも活躍のフィールドが広がっています。;続きを読む »
不動産鑑定士になるまでには、1次試験(短答)、2次(論文)、実務修習の3つの行程があります。このページでは、各種試験(修習)の内容を項目を分けて解説します。それぞれの内容を見ていきましょう。 続きを読む »
不動産鑑定士の合格率や合格ライン、難易度について実際の数字を見ながら説明します。 続きを読む »
合格まで1~2年間とも言われる不動産鑑定士試験。実際はどれくらいなのでしょうか。自分にぴったり合ったスケジュールを確認しながら一緒に考えていきましょう。 続きを読む »
不動産鑑定士に登録するための最後の関門が実務修習です。このページでは、知られざる実務修習の内容や、修習受入れ先の種類、かかる費用などについて動画を交えて解説しています。続きを読む »
不動産鑑定士の合格者の平均年齢は30代ですが、ここ最近は大学生受験合格者も年々増加しています。このページでは、不動産鑑定士試験に「大学生にオススメする理由」について説明します。 続きを読む »
不動産鑑定士は宅地建物取引取引士との相性がよいことでも知られています。ダブルライセンスにおすすめの2つ資格を、学習面・実務面でのアドバンテージを挙げながら説明します。 続きを読む »
不動産鑑定士を目指すなら「実績」のTACです。毎年大勢の合格者を送り出しているTACで合格を目指しましょう!続きを読む »
TACなら初めてでも安心!
TACでは、受講中ではなく受験を検討されている方が不安な質問などを解消して学習を始められるような環境が整っています。みなさんに安心して学習していただけるように様々なサポート体制をご用意しています。