第一種電気工事士は転職に有利!
求人に応募する際のポイントも解説
第一種電気工事士の資格は取得しておくと転職に有利です。なぜなら、第一種電気工事士は第二種電気工事士よりも幅広い電気工事を取り扱うことができる資格のため、取得することで技術者としての価値が高まるからです。
この記事では、第一種電気工事士の資格概要や取得するメリット、転職する際のポイントなどについて解説します。
第一種電気工事士とは
第一種電気工事士とは、第二種電気工事士が取り扱うことができる低圧の電気工事に加えて高圧の電気工事も取り扱うことができる資格です。そのため、第一種電気工事士の資格を取得することで技術者としての価値を高めることができます。
第一種電気工事士が取り扱う電気工事の建物には以下のようなものがあります。
- 小規模店舗
- 一般住宅
- 商業施設
- オフィスビル
- 病院
- 工場
- 発電所
また、第一種電気工事士は屋外の高圧配線など建物以外の電気工事においても役立つ資格です。
第一種電気工事士の試験概要
第一種電気工事士の試験は受験資格が必要ありません。免状の交付には3年以上の実務経験が必要となりますが、誰でも受験することが可能で資格取得のチャンスがあります。
第一種電気工事士の試験はこれまで1年に1度だけの実施でしたが、2024年度より年2回実施となり、合格のチャンスが拡大しています。学科試験と技能試験の両方に合格する必要があるので、確実に合格できるように準備することが大切です。
第一種電気工事士の難易度
第一種電気工事士の試験には学科試験と技能試験があります。学科試験は第二種電気工事士の試験と比べて科目が増えており、応用的な知識が求められます。
技能試験は第二種電気工事士の試験と比べて求められるスキルは同じものの、出題される問題の難易度が上がります。作業するときの正確性やスピードが求められるため、試験前の準備をしっかりしておく必要があります。
第一種電気工事士の合格率
第一種電気工事士の試験の合格率は学科試験で約4~5割、技能試験で約6~8割となっています。第二種電気工事士の試験よりも難易度が高いものの、合格率としては比較的高い資格試験と言えます。
技能試験は候補問題を繰り返し練習することで対策しやすいため、筆記試験をより重点的に対策することが試験合格に有効かもしれません。
第一種電気工事士の資格が役立つ業種
第一種電気工事士の資格が役立つ業種には、主に電気工事業とビルの設備管理業(ビルメンテナンス業)があります。また、第一種電気工事士の資格に加えて「電気工事施工管理技士」の資格も取得することで、さらに幅広い業種に対応することが可能です。
ここからは第一種電気工事士の資格が役立つそれぞれの業種について解説していきます。
電気工事作業者
第一種電気工事士の資格が役立つ業種の1つ目は、電気工事作業者です。第二種電気工事士が低圧の電気工事を取り扱うことができることに対して第一種電気工事士は低圧と高圧の両方の電気工事を取り扱うことができます。
電気工事作業者の主な仕事内容は以下になります。
- 高圧の電気機器取り付け・取り外し・配線工事
- 高圧の屋内電気室工事
- 低圧の一般住宅・小規模店舗の電気工事
ビル設備管理(ビルメンテナンス)
第一種電気工事士の資格が役立つ業種の2つ目は、ビルの設備管理(ビルメンテナンスとも呼ばれる)です。ビルの内部設備を取り扱う業種なので、ビル設備管理に従事するには電気工事士の資格以外に「ボイラー技士」や「危険物取扱者」などの資格も必要となります。
ビルの設備管理の主な仕事内容は以下です。
- ビル内部にある設備の点検
- ビル内部にある電気設備の交換・修理
- 緊急時の対応
施工管理
第一種電気工事士の資格が役立つ業種の3つ目は、施工管理です。施工管理の主な仕事内容は以下になります。
- 工事の品質管理
- 工事の保安監督
- 工事の施工計画
施工管理に従事するには、電気工事士の資格とは別に「電気工事施工管理技士」の資格取得をする必要がありますが、第一種電気工事士の免状を取得することで1級から受験することができます。電気工事士の資格に加えて電気工事施工管理技士の資格も取得することで、転職をさらに有利に進めることが可能です。
第一種電気工事士を取得するメリット
第一種電気工事士の資格を取得するメリットは主に以下の4つがあります。
- 仕事の幅が大きく広がる
- 作業の主任者になれる
- 給料・手当が上がる
- 電気設備の増加傾向により将来性がある
これら4つのメリットについて具体的に解説していきます。メリットについて把握しておくことで第一種電気工事士の資格を取得するための意欲も高められるので、ぜひチェックされてみてください。
1
仕事の幅が大きく広がる
第一種電気工事士の資格を取得するメリットの1つ目は、仕事の幅が大きく広がることです。第一種電気工事士は低圧の電気工事だけでなく、高圧の電気工事も取り扱うことができます。
そのため低圧の電気工事から高圧の電気工事まで幅広い電気工事を取り扱うことができ、さまざまな仕事を選ぶことが可能になります。応募できる求人件数も増えるため、転職の際に非常に役立つ資格と言えます。
2
作業の主任者になれる
第一種電気工事士の資格を取得するメリットの2つ目は、電気工事作業の主任者になれることです。第一種電気工事士は高圧の電気工事を扱うことができるだけでなく現場での経験が豊富にあるため、企業からの評価も高くなる傾向があります。
したがって第一種電気工事士の資格を取得することによって、従事している企業の中で主任者へ昇格したり主任者を必要としている企業へ転職したりする際に有利になります。
3
給料・手当が上がる
第一種電気工事士の資格を取得するメリットの3つ目は、給料や手当が上がることです。 企業によっては、業務に役立つ資格を社員が取得した場合に、「資格手当」として一定額を毎月支給する場合があります。そのため、第一種電気工事士の資格を取得することで毎月の給料が上がる場合があります。
また、第一種電気工事士の資格を保有していることで取り扱うことのできる業務の幅が広がるため、より給料の高い企業へ転職できる可能性も高まります。
3
電気設備の増加傾向により将来性がある
第一種電気工事士の資格を取得するメリットの4つ目は、電気設備の増加傾向によって将来性があることです。低圧・高圧ともに電気設備の数は年々増えています。
電気設備の数が増えることにより、必然的に電気工事士の需要も増えることになります。新規の電気設備の工事が増えているだけでなく既存の電気設備の工事もあるため、電気工事士の需要は高く将来性があると言えるでしょう。
第一種電気工事士の資格で転職する際のポイント
第一種電気工事士の資格で転職する際のポイントには主に以下の4つがあります。
- 資格と合わせて現場経験をアピールする
- 複数の資格を取得する
- 「資格不要」の求人にも応募する
- 転職エージェントを活用する
これら4つのポイントを把握して活用することで、より有利に転職活動をすすめることができるでしょう。それぞれの方法について具体的に解説していきます。
資格と合わせて現場経験をアピールする
第一種電気工事士の転職では、資格を保有していることに加えて現場での経験をアピールすることが有効です。企業は現場経験の豊富な電気工事士を求めています。
したがって、第一種電気工事士の資格を保有していることだけでなく、実際に現場でどのような経験をしてきたのかをアピールすることが大切です。どういった設備で何の工事を行ったのか、何件の工事を担当したのかなど、具体的に伝えることも効果的です。
複数の資格を取得する
電気工事士の資格は単体でも転職で役立つ資格ですが、複数の資格を取得しておくと転職をさらに有利にすすめることができます。企業は業務に役立つ資格を複数取得している人材を高く評価する傾向があるからです。
電気工事士の資格と関連性の高い資格としては、以下のものがあります。
- 第三種電気主任技術者(電験三種)
- 電気工事施工管理技士
- ボイラー技士
- 消防設備士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者
「資格不要」の求人にも応募する
転職活動を有利にすすめる上では、電気工事士の資格が不要の求人に応募することも効果的です。もちろん電気工事系の業種への転職を考えるのであれば電気工事士の資格があるに越したことはありませんが、求人の中には電気工事士の資格が無くても応募が可能な電気工事関連の仕事もあるからです。
さまざまな求人情報をチェックして、自分に合った求人を見つけてみましょう。
転職エージェントを活用する
第一種電気工事士の資格を活用して転職をするには、転職エージェントを使うことも効果的です。転職エージェントを活用することで、給与体系や職場の雰囲気に理解が深まったり面接対策を行ったりすることができます。
転職エージェントの中には電気工事士に特化したエージェントもあり、一般的な転職エージェントよりも専門性を適切に評価してもらえることが特徴です。
第一種電気工事士の資格を活用して転職を有利にすすめよう
この記事では第一種電気工事士の資格が需要が大きい理由や役立つ業種、資格を活かして転職を有利にすすめるためのポイントについて解説しました。
第一種電気工事士は、低圧と高圧の両方を含めた電気工事を取り扱うことができるため、取得することで仕事の幅が大きく広がります。ぜひ資格を有効活用して、転職を有利にすすめていってください。
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