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簿記1級の年収とは?取得する価値はあるのか?専門家が詳しく解説

簿記1級取得者の年収とは?

簿記1級を取得すると、果たして年収はどれくらい上がるのでしょうか?

この記事では、簿記1級が年収に与える具体的な影響を詳しく解説します。さらに、簿記1級を取得することで開かれるキャリアパスや、その後のキャリアにどのような価値をもたらすのかについても掘り下げます。

簿記1級の取得を考えている方、すでに取得してキャリアアップを目指している方は必読です!

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簿記1級とは?

簿記1級の特徴

簿記1級の概要

簿記1級は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4つの科目を極めて高度なレベルで修得します。会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められる資格です。この資格は、公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門とも言われています。

簿記1級の試験内容と難易度

簿記1級の試験は、商業簿記と会計学、工業簿記と原価計算の2つのセットで行われ、試験時間はそれぞれ90分(計180分)です。試験範囲も広く、近年の合格率は約10~15%で、行政書士や一級建築士といった難関資格と同等の難易度と言われています。

また、1科目でも40%以下の点数だと不合格になる「足切り制度」があります。 簿記1級の取得には、簿記2級取得者で500~1000時間、初学者であれば800~2000時間の勉強時間が必要と言われています。これは、試験範囲が2級にもあった商業簿記と工業簿記に加えて、会計学と原価計算の2科目が追加されるためです。さらに、2級でも既に勉強済みであるとはいえ、商業簿記と工業簿記の範囲に関しても2級よりも圧倒的に広くなる上に深い理解が求められます。そのため、勉強する量がとても増えてしまうのです。

簿記1級の合格率

試験範囲が広く、その範囲を一通り網羅して合格するまでに、最低でも半年から1年程度の勉強が必要となります。難易度も3級・2級に比べより高くなるのですが、長い間合格率が10%付近だったところが、近年は上昇傾向にあり、2023年11月試験では16.8%ととても高い合格率をはじき出しました。
従来に比べ、努力がより報われやすい試験になってきているといっていいでしょう。

簿記1級の出題傾向

簿記1級試験と聞くと、難関資格ゆえ、難しい問題を解けるようにならないといけないのではないか?と思いがちですが、そんなことはありません。むしろ、簡単な問題を確実に解けることが重要なのです。
難しい問題を積極的に解くのではなく、まずは比較的難易度が低い問題で着実に得点することが合格への第一歩です。また、上述したように各科目で足切りラインが設定されているため、捨て科目や捨て論点を作らず、全体的に満遍なく得点できるように勉強することがポイントです。

簿記1級取得者の年収とは?

簿記1級取得者の年収とは?

簿記1級取得者の平均年収

国税庁の「令和4分 民間給与実態統計調査」(※)では、日本全国における1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は 458 万円です。

一方、大企業(資本金10億円以上)で働いた場合は、その平均年収は約649万円というデータがあります。簿記1級取得者は、その専門性の高さから大企業の経理部や経営企画部門から高く評価されるため、平均以上の給与が期待できます。

なお、簿記1級の取得者の勤務先は、大企業の経理や経営管理部門だけではなく会計事務所、コンサルティングファームなどがあり、需要はさまざまです。

なぜ簿記1級は高く評価されるのか?

高度なスキルと知識の証明

簿記1級は、経理業務における高度なスキルと知識を証明する難関資格です。取得すると、企業の経理や財務のポジションで高いリーダーシップを発揮できる人材だと期待されます。そのため、企業から高く評価されるのです。

希少性

簿記1級の合格率は約10~15%と低く、難関国家資格と同等の希少性があります。このため、求人市場での競争力が高まり、高給与ポジションが狙えます。

簿記1級取得者の主な就・転職先と具体的な仕事内容

簿記1級取得者の主な就・転職先と具体的な仕事内容

大手企業の経理部門

  • 入出金管理
  • 企業間取引の記帳
  • 経営層への会計情報の提供
  • 財務諸表・決算報告資料・財務申告書の作成

会計事務所

  • 日常経理(入出金管理/取引記帳/請求書管理/固定資産管理)
  • 月次、四半期、年次決算業務
  • 親会社や経営陣へのレポーティング
  • 法人税、消費税等の申告書作成

コンサルティングファーム

  • クライアント企業が抱えるさまざまな問題への相談・助言
  • M&AやIPOのアドバイザリー業務
  • 経営全般に関する各種コンサルティング

具体的な仕事内容は企業や職場により異なります。これらの仕事では簿記1級の知識を存分に活かすことができるため、さまざまな経験を積むことができます。 上記はあくまで一般的な業務にすぎません。

簿記1級の取得は、これまで経験したことがないような仕事に挑戦できるパスポートのようなもの、ともいえるでしょう。

まとめ:簿記1級と年収の関係

簿記1級と年収の関係

簿記1級は、経理・財務分野での高度なスキルと知識を証明する資格です。

合格率10%前後の難関試験であるがゆえの希少性の高さから、取得すると求人市場での競争力が高まります。その結果として、部署異動や就転職などで年収アップが狙えます。

もちろん、年収アップには実務経験も重要です。中途採用の場合はどの企業も即戦力を求めるため、経理や経理に近い実務経験があった方が有利に働くのは事実です。ただし、簿記1級ほど難易度の高い資格を取得していれば、実務未経験でも応募可能な求人はたくさんあります。

簿記1級を取得すると、これまで経験したことのない職種や仕事にもチャレンジすることができるようになります。簿記1級を取得して、未来の選択肢を広げましょう!

簿記1級合格体験記

簿記1級合格体験記

難しさも段違いだが面白さも段違い!

高山 信一さん
より深く会計の勉強をしたい、と思い1級を目指しました。
講義は平日19時からで仕事終わりでも受けやすく、講義が受けられなくても他校舎やWEB講義で振替受講でき、大きな後れを取ることなく講義を全て受けきることができました。講義もわかりやすく、毎回ポイントがレジュメにコンパクトにまとめられていたので効率よく勉強することができました。
簿記1級は2級と比べて難しさも段違いですが、面白さも段違いです。どんな職種であっても会計の知識は持っていて絶対に損はしないと思いますので、長丁場ですが諦めずに頑張ってください。
【受講コース】1級合格本科生

高3で1級合格!

篠原 利玖さん
高校1年時の進路セミナーで聞いた公認会計士の影響で、会計に興味を持ちました。3、2級と学習を進めていく中で、簿記の楽しさ、奥深さを知り、さらに知識を深めたいと思い1級に挑戦しました。
Web通信講座を受講していましたが、Webでありながら気軽にわからないところを質問できたり、様々なサポートのおかげで合格することができました。自分は今高校3年生ですが、大学生になったらこれまでの簿記の知識を生かして公認会計士試験合格を目指そうと思っています。簿記1級は3・2級より試験範囲が広く難易度が高いですが、合格するという気持ちを持って頑張ってください!
【受講コース】1級合格本科生

簿記1級を生かした就転職はエージェントを利用するのが一番!

簿記1級を生かした就転職はエージェントを利用するのが一番!

簿記1級取得後の転職はエージェントを利用するのが1番です。なぜなら、エージェントは特定の業界や資格に関する情報と幅広い業界ネットワークを持っており、資格保有者に適した求人情報を提供しているからです。自社の転職サイトやホームページでは公開していない非公開求人も紹介してくれる可能性もあります。

「資格の学校TAC」の100%出資子会社「TACプロフェッションバンク(TPB)」が提供する「TACキャリアエージェント」は、経理・財務・税務・金融・英文経理・英文会計などの募集内容から、一般企業や会計事務所など、あなたがお持ちの実務経験や資格を十分に発揮できるお仕事内容を無料でご紹介します。TAC受講生以外の方で、就職・転職をお考えの方にも多数ご利用いただいています。

この記事を書いた人

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TACプロフェッションバンク 人材エージェント コンサルタント

小倉 亮介

少し前まで、AI(人工知能)の発展により「会計業界の仕事は無くなる」と思われてきました。この影響で、多くの方が会計業界から去り、また若い方が将来の進路から除外するという事態が起こったのです。

では、現状はどうでしょうか。従来、人間が行ってきた「入力と集計」、さらには「決算書や税務申告書の作成」まで、AIが担うようになっています。一見、AIによって人間の仕事が奪われているかに見えますが、そうではありません。人間の仕事は、より高度な「コンサルティング」にシフトしています。簡単に言うと、AIによって作成されたデータを基に、クライアントの重要な意思決定を補佐する仕事のことです。この「コンサルティング」は、大きな収益を生むビジネスであり、現在多くの会計事務所が多種多様なサービスを提供しています。そして、その展開領域は日々拡大しています。

このように、会計業界は数ある業界の中でも「AIとの共存が最も進んでいる」と言われます。また、コンサルティングはチームで進める性質の仕事ですが、拡大する展開領域を賄うだけの会計人が圧倒的に足りていません。そのため、「誰にでもチャンスがある業界」と言い換えることもできます。 これを読んでいる皆さんも、次世代の会計業界の担い手になってみませんか。 TACとTACプロフェッションバンクは、そんな皆さんを応援します。