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髙橋 真吾さん(53歳) 電気通信大学 電気通信学部 応用電子工学科 卒業
DATA BANK
20代の頃、民生家電製品に搭載されるマイコンのソフトウェア開発に従事していましたが、ある搭載技術が他社の特許侵害になることがわかり、特許事務所に相談させていただきました。そのときに初めて弁理士という資格があることを知り興味を持ちましたが、色々な理由により、残念ながら何も行動は起こせませんでした。 それから25年ほど経ち、会社内での座席が知財部門の隣になったことをきっかけに、当時できなかったチャレンジをしてみようと思い、勉強を始めました。その頃はまだ技術部門に所属していましたが、知財部門への異動も念頭におきながら自分の力を少しでも高めよう、という考えでの判断でした(その後知財部門に異動)。ただ、本音を言えば、定年を迎えた後でも働くにあたり、何か資格の1つくらいあった方がよいだろうという安易な考えもありました(のちに、そんな安易な考えのもとで簡単に合格できる試験ではないことがよくわかりましたが)。 勉強を開始したのは2016年の4月で、TACの1年本科生を受講しました。 2017年の短答本試では39点到達するも条約で足切りとなり不合格でしたが、翌年は短答合格できるのではとの感触も得られたので、2年目は論文の勉強に重点を置こうと思い松宮ゼミを受講しました。その他、短答・論文ともに答練と模試も受けました。結果として、2018年に短答・論文・口述、全て合格することができました。
1年目は、基本講義から論文答練まで、新宿校の齋藤先生にお世話になりました。但し、講義が土曜日だったのですが出張等で出席できないことが時々あり、その場合は日曜日に渋谷校で小松先生の講義を受けていました。このように、追加費用等無しで別の校舎での講義に出席することができるのは、TACのシステムの良いところだと思います。また、講義内容も、まず基本講義で概要を掴んだ後に短答⇔論文ハイブリッド講義で深く掘り下げていくということで、講義だけでも2回学習することになるので、繰り返し学習(復習)することが必要な弁理士試験の勉強のベースとしては良いカリキュラムだと思っています。 2年目の松宮ゼミでは、全文書きした論文答案を隣の受講生と交換して相手の答案をチェックするので、受講生同士の会話、ひいてはアドバイスしあうことも非常に多く、松宮先生だけでなく受講生にも助けられました。良いシステムだったと思います。 また、教材としては、短答⇔論文ハイブリッド講義のテキストが非常に良かったです。2年目は講義は受けていませんでしたが、短答の勉強用教材のメインとして、継続してこのテキストを使っていました。重要条文に関しては、制定趣旨や改正趣旨、関連する重要判例等が載っているため、まさに短答試験に向けてだけでなく、論文試験対策のベースとしても有効な1冊だと感じています。 講師の方々は、質問に対して真摯に答えてくださる方ばかりで、本当に助けていただきました。齋藤先生は質問した翌週に追加の情報を提供してくださることもありましたし、松宮先生は質問メールに対して非常に早いレスをしていただきました。
自分の勤務する会社の知財部門は小所帯であり弁理士資格を持っている者もいないため、情報がほとんどありません。そのため、1年目は弁理士試験の難しさも十分に理解しておらず、ただなんとなく時間が過ぎて行ったというイメージがありました。 そんな中で不合格という事実が突き付けられ、また、松宮ゼミで他の受講生から弁理士試験の実情を教えてもらい、恥ずかしながらやっと状況が正確に認識できました。 そこで休日の勉強にも本腰が入り、勉強時間も増え密度も濃くなっていったのですが、正直なところ、この生活をあと2年も3年も続けることはきっとできない、だから何としても1年で合格したい、という気持ちが強くなりました。後ろ向きな話なのはわかっているのですが、でもこれがモチベーションの維持ができた一番の理由かもしれません。 あとは、月並みですが、適度な息抜きは必要だと思っていたので、平日夜の飲みのお誘いは基本的には断らずに付き合っていました。良い息抜きになった・・・と思っていたのですが、後で数えたら息抜きの範疇と思われる日数をはるかに超えていたのでビックリしてしまいましたが(笑)。
弁理士試験合格のためには繰り返しの学習が必要だと思いますが、自分は同じテキストや条文集を同じように何度も繰り返して使うだけの勉強では飽きてしまうので、同じ内容であっても方法や形を変えてアプローチすることでそれを解消していました。 具体的には、条文ごとに趣旨や関連判例をまとめた資料を自分で作成したり、拒絶理由・異議申立理由・無効理由を一覧表にして適用有無を記入して拒絶理由ではあるが無効理由ではないものを覚える等のために使用したり、というようなことをしました。 短答対策としては、上記の他に、特許法の44条・46条・46条の2それぞれにおける救済期間を書きだした表、実用新案法の重要条文のみを書きだした表、商標法の取消審判の要件や効果等を一覧にした表、著作権と著作隣接権の概要をまとめた表、PCTとPCT規則を出願からの時系列に沿って全てまとめた資料等々、色々な資料を作成しました。 論文対策としては、重要判例のみを記載した別資料も作りました。これら趣旨や判例に関する資料は、短答から口述までずっと使用していました。 口述対策としては、オリジナルではないですが、ゼミ仲間数人で集まって問題を出し合う問答形式で勉強をしました。このように他の人と一緒に勉強することは、モチベーションの維持にも役立ったと思っています。
自分は以下の制度を活用させてもらいました。全て、非常に有用な制度でした。 (1)校舎間振替制度: 仕事の都合等で受けられない講義がカバーできました。 (2)質問メール: 講義以外の時間に浮かんだ疑問を忘れないうちに質問しました。 (3)音声DL: 1年目にDLした音声を、2年目も活用させてもらいました。 (4)自習室: 家だとサボってしまうので、常に自習室で勉強していました。
2年目の短答本試前は、過去問をやったのはゴールデンウィークまでで、その後の2週間は条文を読むことを中心にしました。インプットが11月くらいまでに終わり、その後に過去問を何周もやっていたこともあって、最後はまた条文に戻りました。 短答本試終了から論文本試までは、徹底的に答案構成をやりました。講義等が無い休日は10問近くやった日もありました。ゼミ・答練・模試で全文書きをするので、それ以外での全文書きは週に1問くらいでした。 口述前は、ゼミ仲間での問答、自作の趣旨判例資料での勉強、口述過去問が中心でした。 近年は口述では難問は出ていないので、条文は重要なものに絞り、マイナーなものにはあまり時間はかけないようにしていました。
弁理士試験は難関試験ではありますが、諦めなければ必ず最終合格を勝ち取ることができると思います。但し、やみくもに全ての条文を対象とするような勉強ではだめですし、重要な条文については出来る限り完全に理解することが必要です。 どの条文が重要であるかは、やはりTACのような受験機関の経験と分析に基づいた指導に従うのが良いと思います。 また、条文を理解するためには講義で教わったことをベースにして、何事も早めに着手する、繰り返して学習する、復習を怠らない、といったことが重要かと思います。但し、最後は条文に立ち返る、条文の要件と効果が基本である、ということは忘れないで下さい。 50歳を過ぎてから弁理士試験の勉強を始めた私でも、TACの講義と講師の方のおかげで2年で最終合格することができました。前述のようなことも必要ですが、まずは余計なことは考えずに、わき目もふらず、講師の方を信じて集中して勉強することが良い結果につながると思います。がんばってください。
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