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中村 努さん(49歳) 京都大学大学院 理学研究科 化学専攻博士後期課程 修了
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私はある研究機関に勤務する研究者です。弁理士は理系学部出身者が多く、ポスドクから路線変更して弁理士を目指すという話もよく聞きます。私はポスドクを経て研究者の職につきこの年齢まで来ましたが、研究者のまま弁理士を目指すことにしました。弁理士を目指したのは完全にプライベートな理由です。私には年の離れた幼い娘がいて、その娘が二十歳ぐらいになる日のことを想像するに、「このままではいけない」「何か武器が必要だ」と漠然と感じていたところ、ある日「あ、弁理士」と思いついたのです。まさに思いついただけ。ちょっと試験を受けてみようかなと思って調べると、その時点(2016年夏)でその年の試験は終わっており、弁理士試験というものは「ちょっと試験を受けてみようかな」では絶対に通らないということもその時初めて知りました。しかも、次年度に向けた各種予備校の講座もすでに始まっている。そんな状態で試験に挑戦していいものだろうかと迷いましたが、熟考の結果、前に進むことを決断しました。同時に、3回受験してダメだったら諦めることも決めました。
いくつかの予備校の見学に行きTACに決めた理由は、2年計画のコースがあることでした。勉強開始に出遅れ、記憶力の点でも若い人に後れを取るので一発合格は無理があると思ったからです。TACのセールスポイントは「短論ハイブリッド」というシステムで、その考え方と2年計画は矛盾するように思われるかも知れません。私は2年連続で短答⇔論文ハイブリッド講義を受講し、当然ながら内容は重複していました。しかし、重複して無駄ということはなく、重複するからこそ基礎力を蓄えることができたと思っています。 もうひとつ特筆すべきは、通信の受講生が無料でライブ講義に参加できるスクーリング制度です。通信の講義はいつでもどこでも何回でも聴けることがメリットで、ライブ講義のメリットはその場で質問できること。その両方を享受できたことは大きかったと思います。さらに、スクーリングのメリットは複数の先生に同じことを習うことができることでしょう。私の場合、通信の先生は標準語の男性講師で、ライブの先生は大阪弁の女性講師と京都弁の男性講師でした。声や話し方が違うので、どれかが頭に残るのです。短答式試験ではどうしても迷う局面があります。そんなとき、「あの先生なら何と言うだろうか」と思い出す引き出しを多く持っていたことは、とてもありがたいことでした。 WEBでの質問メールも大いに活用しました。短答の○×問題はあらゆる場面を考慮しなくてはならず、そのため解答に納得できないことがあります。また、○×の「正解」から自分なりの文言の理解を修正せざるを得ないこともあります。そんな場合、自分で考えに考えた上で、質問を送りました。いい質問を送って先生を唸らせたいと思うこともありました。「いい質問」は、よく勉強しないとできるものではありません。質問担当の先生とのやり取りによって、こちらの理解力も鍛えられたと感じます。
最初に書いた通り、私はそれなりの事情があって弁理士試験を受けることにしました。試験に受かったら家族は幸せになる、落ちたら不幸になる、極論すればそのぐらいの気持ちでした(そうとは限らないのですが)。だから、モチベーション維持に方法は必要ありませんでした。 そこまでの事情がない方にモチベーション維持の方法をアドバイスするならば、それは期限を決めることではないでしょうか。弁理士試験は難関と言われ、今年度の合格率は7.2%でした。なぜそんなに倍率が高いのでしょうか。それは、ダラダラといつまでも受験する人がいるからです。また、ろくな準備をせずに受験する人がいるからです。ちゃんと勉強している人に限れば、そこまでの倍率にはならないでしょう。目標があるならば、サッサと済ませて次のステージに進みましょう。それは不合格の場合でも同じです。諦めることは、そこだけを切り取ればネガティブな選択ですが、トータルで考えればそうとは限りません。特に、年齢が上で家族もかかえるような人は、受験生という身分に慣れてしまってはいけません。
2016年7月終わりに9月開講の講座に申し込みました。するとテキストが送られてくるのもweb講義にアクセスできるのも9月に入ってからで、8月に手元にあるのは早期申込特典で送られてきた条文集(試験用と四法横断)と短答過去問題集(体系別と枝別)だけでした。早く勉強を始めたくて、枝別過去問を解き(読むだけだった)、その解説を読み、条文集で確認しました。全くわかりませんでした。「先使用権」もわからない。意26条の日本語は何回読んでも読解できない。出てくる専門用語をネットで調べ、他の大手予備校の無料体験講義に参加するなどして8月を過ごしていました。それだけ知識に飢えていたところに9月の開講を迎えました。わからないことを教えてくれるのだから楽しくて仕方ありませんでした。この経験から、やはり知りたいという欲求と自分で調べるという積極性が知識の蓄積には有効なのではないでしょうか。 短答式試験は細かい時期的要件や例外規定が出題され、論文式試験は趣旨や事案を論じる。したがって、短答では暗記が重要で論文では理解が重要である。そう考えがちですが、受験勉強を終えた今となっては、むしろ逆と思われます。つまり、短答は理解が重要で論文は暗記が重要であると。 確かに短答式では記憶することが多いですが、意味のわからないものを大量に記憶することはできません。法律の仕組みを理解するからこそ知識が定着するのです。一方、論文式ではキーワードだけでも覚えておかないと「わかっているけど書けない」という状況になります。 私の場合、上記のように自分で調べ、条文を読み込んだことが理解につながったと考えています。その過程で、前述したように質問の制度も活用しました。条文はテーマをもって読みました。例えば、特意商の先使用の条文を比べてみる、パソコン上で特許法等を特定の言葉(「何人も」「責めに帰する」「専有」など)で検索してみるなどです。暗記のコツはわかりません。愚直に覚えるだけです。テキストや関連書籍を「読むだけ」で勉強した気になることはあるのですが、それは「娯楽としての読書」と位置づけました。
短答式試験の直前は、問題演習(過去問、答練、模試)と逐条的な条文読み込み(四法横断)を繰り返しました。過去問を解くのはもっと早い時期からです。問題を解き、解説を読み、間違えていたポイントは条文集に鉛筆で線を引き、そうやって出来上がった条文集を繰り返し通読しました。 論文式試験の直前も条文集の通読です。論文の勉強を始めてからは、1年目の論文記念受験でもらった「試験用法文」を使い、それには書き込みはしませんでした。直前期の読み込みは、準用条文の関係にも気をつけました。主要な条文に出会うたびに趣旨や論点を思い出したりもしました。過去問や答練の復習もしましたが、手の疲れを考慮してパソコンで全文書きしました。私は寝つきが悪く、この時期には「基本講義」をパソコンで流しながら眠りにつくということもありました。 直前期の勉強は、答練や模試で明らかになった自分の立ち位置を考えて計画すればいいと思います。いずれにせよ、新しいことに手を広げるのは愚の骨頂でしょう。また、手を広げたいと思わなくてもいいように、それまでの学習を計画的に進めるのが肝要と思われます。
予備校選びで迷っている方へ。短論ハイブリッドの考え方、答練模試の難易度が本番と近いこと、充実したスクーリング制度やWEB質問メール制度など、様々な理由で私はTACをお薦めします。ただ、TACがどんなにすばらしい予備校でも、TACが合格するのではなくて、ご自身が合格するのです。だからご自身の皮膚感覚に合ったところで気分よく勉強されるのがいいと思います。 これを読んでいる少数の研究者の方へ。研究者は弁理士試験に向いています。研究者なら知的好奇心はあるでしょう。また、論理的な文章を書く訓練もできているでしょう。しかも、正解のある問題を解けばいいのだから、研究に比べればはるかに楽です。ただ、弁理士試験に向いているのであって、弁理士に向いているかはわかりません。私は弁理士として成し遂げたことは何一つなく(資格もまだ持っていない)、弁理士試験に合格した研究者に過ぎません。これからどんな風景が見えてくるのか、楽しみにしています。
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