USCPA(米国公認会計士)の資格を取得した場合に目指せる転職先と評価ポイントを解説!
USCPA(米国公認会計士)の資格を取得すると、転職に有利になることが期待できます。米国でも日本国内でも会計監査や内部監査の分野の需要が増加しているからです。本記事ではUSCPA(米国公認会計士)を取得した場合に目指せる主要な転職先と評価ポイントと注意点を解説します。
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USCPA(米国公認会計士)とはどんな資格なのか?
USCPA(米国公認会計士)は日本語では「米国公認会計士」として知られている資格で、「U.S.Certified Public Accountant」の略語です。米国の各州が認定する公認会計士の資格ですが、国内の転職者のキャリアアップにも有利な資格として知られています。
監査法人、グローバル企業、会計士事務所・税理士法人、コンサルティングファームなど、専門性を活かせるさまざまな転職先があります。グローバルな市場に進出する企業も増えており、USCPAへのニーズは高まっているといえるでしょう。
受験資格と試験内容
USCPAを受験するためには受験資格が必要です。受験資格は州ごとに異なっていますが、基本的には「学位要件」と「単位要件」の2つを満たすことが求められます。学位要件は4年制の大学を卒業して学士号を保有していることです。
単位要件は会計とビジネスの必要とされる単位のことで、日本の大学を卒業した場合、米国の州の求める単位を満たしていないケースがあります。複数の教育機関の単位を合計して数えられるため、ビジネススクールなどを活用して追加で取得するといいでしょう。
TACではブラッドリー大学単位認定試験プログラムによって不足単位を取得できます。
USCPAの試験はコンピュータのモニター画面に映し出される問題に解答を入力する形式で、試験科目は必須科目となる3つの「コア(Core)科目」と 選択科目となる3つの「選択(discipline)科目」のうち1つ、合計4科目を受験し合格する必要があります。(2024年1月以降)
- コア(Core)科目 必須科目
- Core FAR:Financial Accounting&Reporting(財務会計)
- Core REG:Regulation(諸法規)
- Core AUD:Auditing&Attestation(監査および諸手続き)
- BAR:Business Analysis and Reporting(ビジネス分析と報告)
- ISC:Information Systems and Controls(情報システムとコントロール)
- TCP:Tax Compliance and Planning(税務コンプライアンスとプランニング)
選択(dicsipline)科目(3つのうち1つを選択)
基本的な内容が広く浅くバランス良く出題される傾向があります。
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世界各国で認知されている資格
USCPAは世界各国で認知されている資格であり取得すると、米国や日本に加えて、MRA(国際相互承認協定)を結んでいる国でも追加研修を受けることにより、現地で会計士として働くことができます。
2021年2月の時点でMRAを結んでいるのは、カナダ・メキシコ・香港・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドです。
USCPAは本当に転職に有利なのか?
結論から先に述べると、USCPAは転職に有利な資格です。USCPAの資格取得が、会計基準の基本を理解していることの証しになるため、転職先の選択肢が増え、キャリアアップにつながることが期待できます。有利となる主なポイントは以下の2つです。
- 実務未経験でも転職可能
- 米国でも日本でも転職可能
それぞれ詳しく解説しましょう。
実務未経験でも転職可能
USCPAへの需要が増えているという状況もあり、実務経験がなくても外資系企業・会計事務所・コンサルティングファームなどに転職しているケースがたくさんあります。つまりUSCPAという資格への評価が高いということでしょう。
USCPAの資格試験合格者の中で会計経験のある人は3割弱とのデータもあります。実務経験ゼロからでもスタートできることが、USCPAの大きな魅力です。
米国でも日本でも転職可能
USCPAは米国の企業はもちろん、日本国内の企業への転職も可能です。米国の会計基準に基づく企業の財務情報の開示への需要は増しています。
国内企業であっても、海外に進出している企業、もしくは海外と取引している企業ならば、英文による財務諸表の作成が必要になるからです。さらに、グローバル企業や海外の企業のM&Aを手掛けている企業などでのニーズもあると考えられます。
USCPAの主要な4つの転職先
USCPAの資格取得者の転職先はさまざまです。グローバル化、IT化の進行によって、企業の活動の幅が広がっているという背景があり、USCPAへのニーズも高まっています。その中でも主要な転職先と考えられるのが以下の4つです。
- 監査法人
- 外資系企業・グローバル企業
- 会計事務所・コンサルティングファーム
- 金融機関
USCPAの資格を活かしたそれぞれの業務内容について解説します。
監査法人
外資系企業や海外進出している企業をクライアントに持っている監査法人では、監査業務やアドバイザリー業務などで、USCPAの資格を活かすことができます。
監査や会計の仕事では実務経験が重視されますが、若手であれば、働きながら育成する方針で受け入れてくれる監査法人が多くあるでしょう。海外駐在、コンサルティング、会計システムの導入、経営企画などの経験も評価されます。
外資系企業・グローバル企業
USCPA合格者の就職先として特に多いのが、外資系企業とグローバル企業です。USCPAは米国の資格であるため、外資系企業やグローバル企業の中でも米国を拠点とした企業からのニーズが高いといえるでしょう。
メインの仕事のフィールドは経理・財務部門です。会計の知識とともに、英語力も求められます。社内で経験値を積むことで、経営企画やコンサルティングなど、業務の幅が広がっていくでしょう。
会計事務所・コンサルティングファーム
国内の会計事務所ではかつては日本の公認会計士もしくは会計士補しか採用しないのが一般的でした。しかし、近年USCPA資格者の採用が増加する傾向があります。USCPAで培った知識を活かせるシチュエーションが増えているからです。
M&A業務におけるデューデリジェンス、クライシスマネジメントでの会計調査やリスク対応などの業務で、USCPA資格者に求められる役割は大きいといえるでしょう。
金融機関
近年、金融機関の業務内容が多様化する傾向があり、USCPA資格者のニーズも増えています。特にクロスボーダーM&Aや海外関連事業などでは、国際基準の会計知識や知見が必要になるからです。
金融機関の中でもUSCPA資格者のニーズが高いのは投資銀行でしょう。会計知識はもちろんのこと、市場の動向を把握する能力や経済全般に関する幅広い知識も求められます。
USCPAを取得して転職する際の2つの注意点
USCPAの資格を取得すると、転職に有利になることは確かですが、USCPAさえあれば十分というわけではありません。あくまでも強みの1つという認識を持つことが必要でしょう。USCPAの資格を取得して転職活動をする際の主な注意点は以下の2つです。
- 実務未経験者は20代が基本
- 資格だけに頼らない姿勢が必要
それぞれ詳しく解説します。
実務未経験者は20代が基本
USCPAの資格を取得すると、会計の専門知識と語学力を持っていると見なされるため、実務未経験者でもニーズがあります。ただし、仕事をしながら、実務を身に付けていくことが求められるため、年齢も重要なポイントになるでしょう。
明確な年齢制限がなかったとしても、若いほど有利になるため、実務未経験で転職するならば20代が基本です。つまりUSCPAの資格も早めに取得する必要があります。
資格だけに頼らない姿勢が必要
USCPAは万能ではないため、USCPAの資格だけに頼らない姿勢が必要です。特に実務未経験の場合は、今後の成長を期待しての採用になるため、向上心や交渉力など、社会人としての総合的な能力が求められるでしょう。
また、直接的な実務経験がなくても、会計や経営に関わる仕事の経験があるならば、アピールポイントになる場合もあります。強みを認識して活用する姿勢も必要でしょう。
USCPAを取得して転職を有利に展開しよう
米国の公認会計士の資格であるUSCPAは、米国だけでなく、日本国内やグローバルな企業での活躍の場を広げる資格です。特に大手監査法人を目指しているならば、20代のうちにUSCPAを取得すると、チャンスが広がるでしょう。
早めに資格を取得を実現させるためには、TACのような資格取得専門の予備校の活用を検討することをおすすめします。
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