元公務員のTAC講師によるコラム
元東京都職員(技術職)が語る!
理系(技術職)公務員のやりがい
◎講師紹介
矢島 講師
元東京都職員。Ⅰ類採用試験(技術職)にて入都。
技術職員として、事務所では主に設計業務、本庁では国や他自治体等との調整業務等を経験。
現在は、TAC理系(技術職)公務員講座にて、専門科目の講義、公務員試験の受験相談などを中心に講師として活躍中。
技術職公務員としての就職を考えていらっしゃる学生さんは勿論、既に民間にご勤務されていてこれから公務員経験者枠の受験をお考えの方などのご参考になればと思います。
リケジョの先輩として、女子学生さんも全力で応援させて頂きたいです!
理系(技術職)公務員受験をお考えの方にこちらもおすすめ!
はじめに
みなさんは、公務員に技術職(理系)が存在するということをご存じでしたか?
もしかしたら、一般的にはあまりハッキリとは知られていないかもしれません。
実際、私が技術職公務員になった後、久しぶりに会った知人に『公務員になった』と伝えた際、『あれ、文系だったっけ?』や『理系なのに?』『へぇ、学校の先生?』という反応をされたこともありました。
確かに世間一般では、“公務員”といえば
・国家公務員だったら“霞が関で政策を考える人”
・地方公務員だったら“県庁や市役所の窓口で住民対応をする人”
という文系出身の事務職のイメージが最も強いのかもしれません。
私も子供の頃は、そのようなイメージでした。
理系(技術職)公務員を目指したきっかけ
理系の専門知識を生かしながらも、“公務員”という職業に就くことのできる“技術職公務員”の存在を知ってからは、就職の第一志望として常に意識していました。採用試験勉強を頑張れば誰にでも(もちろん女子学生にも)平等にチャンスがあるという採用形式も私にとっては志望する魅力の一つでした。
私が志望した自治体は、幅広い科目の教養試験に加え、専門試験、論文、面接という内容でしたが、それでも頑張ろう!と思えました。
公務員志望の学生が多い研究室に属していたため、公務員を身近に感じたり、公務員になられた先輩方の姿もモチベーションとなっていました。
その後、私も無事に第一志望の自治体の採用試験に合格!
技術職員として事務所勤務、本庁勤務を経験しました。
理系(技術職)公務員のやりがい
公務員全般にいえるやりがいで多く使われる言葉は、面接用の志望動機でもよく目にする『全体の奉仕者』という言葉ですね。まあ正直、ザックリしすぎていますし、月並みな言葉ですかね。
もう少し掘り下げて、私自身の経験から思うことは、技術職公務員は『社会基盤を整備し、それを支えることにより、国民・住民の生命や生活を守る仕事をしている』ということです。少し大げさな表現に聞こえるかもしれませんが、このような仕事をしている事は事実です。
専門知識を活かしながら、国民・住民の生活を守っている!
具体的には、道路、橋、堤防、ダムなどの巨大構造物の建設だけでなく、普段の生活で誰もが利用している上下水道等の整備、維持管理も技術公務員の大事な業務のひとつです。また、自治体によっては空港や鉄道などの整備、維持管理等も行います。
人々が当たり前の生活を送るための仕事、これが無かったら世の中、大変なことになりますね。
そこには、土木、建築、電気、機械、化学など沢山の技術職員が日々携わっているのです!
公務員といえば、『簡単な仕事をお気楽にしているのでは?』や『年度末になると、なんだか無駄な工事ばかりしてない?』という世間のイメージもあるようですが、とんでもありません!
実際のところ、上に挙げた仕事を遂行していく上で、人口減少による財源問題、高度経済成長期に整備したインフラの一斉老朽化、早急な耐震対策、気候変動による降雨の集中化への対策、環境問題など数え切れないほどの課題が山積している中で、技術職員達は各分野の専門知識を生かしながら、またベテラン職員の経験や知恵を借りながら、必死に社会を、そして国民・住民の生活を守っているのです!
自分が携わった街や建造物を見渡した時に実感
だからこそ、国民・住民の生活がより安全快適になるものが完成した時や大きな問題が無事解決した時のやりがいは大きいですね。
私も新人時代、先輩職員に高台に連れられ、自分が携わった街や構造物を見渡した時は『おぉ~!』と思ったものでした。
(もちろん、日常的に何事もなく社会がまわっていること自体が公務員のやりがいかもしれませんが、普段は目の前の仕事に追われ、なかなか実感する余裕も無かったもので・・)
将来にも責任をもって日々の業務を遂行している
公務員は、事務職、技術職問わず、行政に関することの全てに決定権を持ちますが、特に技術職は、専門知識を生かしながら、構想、計画段階から始まり、設計、施工、維持管理などを通して、現在の社会だけでなく、国や街の将来にも責任を持って、日々の業務を遂行しているということも、民間とはまた異なるやりがいだと言えます。
長くなりましたが、
私は、自身の経験からも『社会に対する決定権と責任を持ち、誰もが安心して快適に過ごせる社会をつくり上げ、それを滞りなく回すこと、将来につなげること』それが技術公務員の使命であり、大きなやりがいだと感じます。
今回のまとめ
1
公務員には理系(技術職)がある
2
理系の専門知識を生かしながら働ける!
3
試験勉強を頑張れば誰にでも平等にチャンスがある就職先!
4
現在の社会だけでなく、国の将来につなげる仕事ができる!